​​​​​​​「違うだろ」

「違うだろ」
 
NY株式市場で主要3指数は大幅に4日続落。
NYダウとS&P500の下落率は3%。
NYダウの下落幅は一時900ドルを超え27000ドルを割れ込んだ場面もあった。
4日間の下落率は2018年12月以来の大きさなった。
S&P500は4日続落で時価総額が2兆1380億ドル消えたことになる。
「新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大。
経済への影響を巡る不透明感からリスク回避の動きが加速した」と説明は簡単なもの。
米疾病対策センター(CDC)は新型コロナウイルスの米国内での感染拡大に備えるよう警戒を促した。
「日常生活に深刻な混乱が生じる可能性がある」というコメント。
市場は既に1000ドル超の下落で織り込んでいたとはいえ公的機関に警鐘を鳴らされたことに反応した格好だ。
安全資産志向で債券利回りは低下。
10年債利回りは午後に1.3072%まで低下。
2016年7月6日に付けた過去最低水準の1.321%を下回った。
30年債利回りも過去最低水準を更新。
10年国債利回りは1.355%。
2年国債利回りは1.228%。
30年国債利回りは1.824%。
CB消費者信頼感指数は130.7。
市場予想の132.0は下回ったが前月の改定値130.4から小幅に上昇。
FRBが新型コロナウイルスの感染拡大に対応して年内に利下げに動くとの観測からドルは軟調。
ドル円は110円をはさんでの推移。
 
NYダウの2日間の下落幅は18年2月に記録した1840ドル台が最大だった。
今回はこれを上回った。
NYダウは2日間で1911.05ドル(6.6%)下落。
4日間で2266.67ドル(7.7%)の大幅下落。
NASDAQは4日間で851.57ポイント(8.7%)。
S&P500は4日間で257.94ポイント(7.6%)下落。
 
日経平均は寄り付き437円安、一時1051円安があって終値781円安と3日続落。
日足は大きな窓を空けて3日連続の陰線。
TOPIXも続落。
週明けのNYダウは1031ドル安と2018年2月以来史上3番目の下落幅。
終値22605円は昨年10月以来の安値水準となった。
「これまで東京では騙し騙し織り込んできた。
それを一気に織り込もうというのが米国株らしい」という声が聞こえる。
東証1部の売買代金は3兆3102億円と17日連続の2兆円超。
値上がり26銘柄(前日946銘柄)。
値下がり2129銘柄(前日1094銘柄)。
値下がり銘柄数は過去最高との指摘があった。
新高値7銘柄(前日17銘柄)。
新安値338銘柄(前日88銘柄)。
騰落レシオは68.81(前日75.78)。
NTレシオは13.97倍。
サイコロは4勝8敗で33.3%。
右肩下がりの25日線(23488円)からは3.80%のマイナスかい離。
右肩下がりになった75日線(23511円)とデッドクロス。
「25日線からのかい離は本日21000円どころでマイナスかい離が6%弱になりそう」との指摘。
昨日サポートとなった200日線(22195円)からは1.85%のプラスかい離。
5日線(23213円)ははるか上。
13週線(23624円)、26週線(23027円)も下抜けた。
52週線は22168円だ。
24か月線が22059円。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲6.087% 。
買い方▲13.972%。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方△1.564%。
またプラスに浮上した。
買い方▲23.681%。
空売り比率は44.5%で10日連続の40%超。
空売り規制なし銘柄の比率は6.5%。
日経HVは20.4、日経VIは24.42。
日経平均採用銘柄の予想PERは13.95倍。
EPSは1620円。
PBRは1.09倍。
BPSは20738円。
225先物採用銘柄の益回りは7.17%。
ドル建て日経平均は204.00(12月13日が219.64)。
東証単純平均株価は84円安の2108円。
(2019年末2327円、2018年末2077円、2017年末2946円)。
売買単価は1861円(前日1814)。
シカゴ225先物終値は日中比605円安の22065円。
高値22730円、安値21890円。
気学では「下寄りしたら買い狙いの日。上放れたら見送れ」。
木曜は「変化日にして意外の仕成を見せる日ことあり」。
金曜は「押し目買いの日。ただし急伸高は利入れ良し」。
サポートだった13週線は23684円。
ボリンジャーのマイナス1σが23130円。
マイナス2σが22762円。
マイナス3σが22394円。
昨日は一時マイナス3σを下抜けた。
一目均衡の雲の下限が23410円。
勝手雲の下限が23445円。
完全に雲の下での航行だ。
RSIが44.07、RCIが20.04と下降中。
2月14日のマド埋めが23603円。
2月13日のマド埋めが23764円。
遥かに遠のいてしまった。
逆に昨日のマドは23378円→22950円。
今年5勝2敗の水曜日。
 
限界水準をチェックしてみると・・・。
以下は2018年12月25日のブラッククリスマスの時の記録。

値上がり27銘柄、値下がり2096銘柄。
新高値ナシ。新安値1601銘柄。
騰落レシオは65.64まで低下。
NT倍率は13.49倍。
25日線からは10.9%、200日線からは14.0%のマイナスかい離。
松井証券信用評価損益率速報で売り方△1.997%。
(16年2月12日△1.843%)。
買い方▲25.732%(16年2月2日▲25.918%)。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方△9.500%。
(18年10月29日△10.13%)。
買い方▲34.966%と過去最高を更新。
空売り比率は42.6%。
空売り規制なし銘柄比率は8.5%でこれも限界水準。
日経HVは29.1。日経VIが32.25と急上昇。
日経平均のPERは10.71倍。
EPSは1788円。
PBRは0.99倍と12年11月以来6年ぶりの1倍割れ。
東証1部のPERは11.95倍と12倍割れ。
PBRは1.05倍。
配当利回りは2.67%。
株式益回りは8.36%まで上昇した。
ボリンジャーのマイナス3σが19321円でこれも割れ込んだ。
12月21日時点の裁定買い残は1699億円減の5578億円。
東日本大震災の時に外資系が徹底した時の約2500億円以来の低水準。
裁定解消で悪さのしようはない。
裁定売り残は670億円増の7033億円。
売り残と買い残の逆転は2016年10月以来。
底打ちサインと見ても良いだろう。
 
そして当時のコメント。

「空襲を受けて焼け野原になったようだ」。
いよいよ市場関係者が下値を調べ始めた。
「米大統領選挙時(2016年11月9日)の安値は16252円。
ブレグジット下落の時の安値は14952円(2016年6月24日)。
当時の野田首相が解散を明言した時のアベノミクス相場の起点は8664円。
09年3月10日にバブル崩壊後の最安値が7054円」。
昨日、「株価がなくなってします」とつぶやいたFX関係者もいた。
しかし・・・。
「下げ続ける相場も上げ続ける相場もない。
明日は太陽が昇ることを期待しましょう」と市場関係者。
黒い服を来たサンタの絵を送ってくれた市場関係者もいた。
題して「ブラックサンタクロース」。
その後に来るのは日本では貧乏神ではなく七福神とも言える。
もっとも・・・。
貧乏神だって神様だ。
その威力は映画「Destiny鎌倉ものがたり」でも登場していた。
 
トランプ大統領当選の時。

朝方はクリントン優勢を歓迎してプラス推移。
しかしトランプ優勢の報道の中で日経平均は後場にかけて一時1059円安の16111円まで下落。
256円高→1059円安→919円安。
大引けは16251円で下落率は5.36%となった。
25日移動平均(17054円)からのかい離はマイナス4.7%だった。
第一限界でストップしたと解釈出来よう。
ドル円も105.40円→101.10円。
東証1部の売買高は3兆9242億円、225先物の売買枚数は26万8420枚と前日の8倍まで膨張。
2015年8月25日以来のエネルギーだった。
サーキットブレーカーは15880円という数字も流れた。
が、結局は買い戻しも含めて16000円を割れずの展開。
マザーズ指数先物だけがサーキットブレーカー発動。
全体は6月24日のBrexitショック(下落率7.92%)ほどではなかった。
空売り比率は42.8%まで増加。
「みずほの売買高が5億株は反転のレベル」というアノマリーは成立した格好。
実際一夜明けてみれば欧州もNYも3日続伸。
シカゴ225先物は大証日中比965円高の17215円。
大証夜間取引終値は日中比1000円高の17250円と何事もなかったのような水準
 
東日本大震災の時。

3月15日の日経平均は1015円安、下落率はマイナス10.55%で歴代3位の下落率。
ブラックマンデー時(87年10月20日マイナス14.90%)。
リーマン・ショック後の暴落(08年10月16日マイナス11.41%)。
東証1部の売買高57億株は過去最高更新。
日経平均先物6月限の売買高は33万枚。
TOPIXは80ポイント安の766ポイント。
単純平均は200.51円まで低下。
08年10月のリーマンショック時の203.05円を下回った。
単純平均の上では、リーマンショック時以上の凄まじさという印象。
東証1部の時価総額は264兆円。
日経平均採用銘柄の予想PERは13.04倍、東証1部全銘柄は13.52倍。
日経平均採用銘柄のPBRは1.02倍、東証1部全銘柄のPBRは0.96倍と1倍割れ。
そして東証1部全銘柄の配当利回りは2.3%。
日経平均株価のHVは48ポイント、日経ボラティリティ指数は29ポイント上昇し69ポイント。
株価の予想変動率は急激に上昇した。
日経平均の騰落レシオは72.82ポイントまで低下。
200日移動平均線は9833.45円で再度下向き。
マイナス12%と下方乖離。
「先例なき時代に立つ」になるのかどうかの分水嶺ではある。
 
2016年2月中国景気不安での下落時。

2月12日の日経平均14952円の世界での各種指標。
 
日経平均の25日移動平均線からの乖離:マイナス11.9%。
200日移動平均からのかい離率:マイナス22%。
騰落レシオ:57.72%。
松井証券信用評価損益率速報:売り方はプラス1.843%。
買い方はマイナス25.018%。
日経平均採用銘柄のPBR:0.99倍(東証1部でも1.01倍)。
日経平均のPERは12.97倍(EPSは1152円)。
配当利回り:1.95%(東証1部全銘柄2.05%)。
昨年来安値更新銘柄:1023(2011年3月15日1048銘柄)
 
今年の曜日別勝敗(2月25日まで)

月曜1勝5敗
火曜3勝4敗
水曜5勝2敗
木曜4勝3敗
金曜4勝3敗
 
「違うだろ」と言いたいことがたくさんあった昨日の相場。
まずは寄り付き直後の東証アローズのTVクルーのいつにない多さ。
多いだけならまだ良い。
しかし昨日は「1000円安の画像取れました」との大きな叫び声。
1000円安の画像が欲しくて待っていたのだろうが9時6分以降日経平均は戻した。
後から来てた空振りだったクルーもいる。
まあ、仕事なのだから報告も大切なのだろう。
しかし昼から夜までテレビの画面に流れていたのは1051円安の場面ばかり。
終値は781円安だったのに・・・。
マスコミは株安を好み、株高をニュースにしない傾向が良く表現された一日だった。
そして朝の日経朝刊の場況。
「338銘柄が昨年来安値」の見出しは間違っていない。
ただ次のくだり。
「9時の段階では400円安となり、安堵感がでたのもつかの間。
9時6分にはあっという間に1000円を超える同日の最安値を付けた」。
読んだだけでは「そうなのか」。
しかし9時6分に最安値を付けた相場はフツーにいえばその日の相場は9時6分に下げ止まりという感覚だろう。
しかも・・・。
取引開始が400円安で安堵感といっても寄り付きはほとんどの銘柄が売る気配。
それらが寄ったのが約5分後だから正確な数字ではなかろう。
素人でも間違えないような感覚をこれを書いた人は持っているということなのだろうか。
そして「ウィール街にはイタリア系が多く、コロナウィルス問題は意外と近いと認識したのだろう」。
市場関係者のコメント。
これって話としては面白いかも知れないが引用するのはいかがなものだろう。
真相はたぶん米疾病対策センター(CDC)が新型コロナウイルスの感染が米国内での感染拡大に備えるよう警戒を促したこと。
「われわれの懸念は深まり、米国で地域感染が発生するという観測が高まった。
日常生活に深刻な混乱が生じる可能性がある。
米国では差し迫ったリスクは低いものの、海外での現況はパンデミック(世界的な大流行)になる見通しを示している」。
この認識を「イタリアは意外と近い」とするのならかなり滑稽な話となる。
昨日インタビューしたある市場関係者は「雨が降って湿度が上がれば肺炎ウィルスは減る」と言っていた。
これと同じレベルで話をしているように感じてならない。
やはり「違うだろ」だ。
 
日経朝刊の首相動向で見つけたもの。
18時38分から首相公邸での面会。
ITコンサルのフューチャーの金丸会長、クラウドソーシングのランサーズ(4484)の秋好社長。
そしてIT遠隔監視やPC管理などのオプティムの菅谷俊二社長。
21時過ぎまでの2時間半だから長い時間だった。
テレワークはますます拡大していくのだろうという予感。
 
村田製作所の会長兼社長のコメントは暗くない。
「中国工場は稼働を再開した。
今後は徐々に人が戻り稼働も回復すると予測している。
先行き不透明な中でも期待感はある。
より性能の高い5G端末橋用点数が1割から2割増える。
需要を押し上げる要因だ。
必ず需要は回復し、痛みを乗り越えるだろう。
長期楽観だが短期では厳しめに見ている。
米中のデカップリングは避けて欲しい」。
肺炎よりも痛いのはデカップリングという印象だった。
 
週明けのNYダウは879ドル安の27081ドルと4日続落。
下落幅は一時900ドルを超え27000ドルを割れこんだ場面もあった。
NASDAQは255ポイント安の8965ポイントと4日続落。
S&P500は97ポイント安の3128ポイントと4日続落。
ダウ輸送株指数は448ポイント安の10061ポイントと大幅続落。
SOX指数は3.06%下落。
VIX指数は27.80。
3市場の売買高は約82.8億株(直近20日平均76.6億株)。
225先物CME円建ては大証日中比605円安の22065円。
ドル建ては大証比日中比590円安の22080円。
ドル円は110.18円。
10年国債利回りは1.355%。
2年国債利回りは1.228%。
 
◇━━━ カタリスト━━━◇
 
シード(7743)・・・動兆
 
シードに注目する。
同社は国内系コンタクトレンズメーカーの大手。
自社製造のワンデーレンズが主力。
ワンデーの遠近タイプに期待感。
埼玉・鴻巣研究所第3棟増産は未来への布石。

(兜町カタリスト櫻井)

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