週明けのNYダウは小幅に3日続落。
世界貿易摩擦懸念は払拭されず。
スリーエムやユナイテッド・テクノロジーズ、ボーイングなど海外売上比率の大きい銘柄に売り物優勢の展開。
一方、債券市場で長期債相場が続落。
10年国債利回りは2.95%に上昇。
一時は2.96%と6月中旬以来およそ5週ぶりの高水準となった。
根拠の薄い日銀の金融緩和策修正検討観測を受けたとの解釈。
長期金利の上昇で金融セクターは堅調だった。
小幅安で取引開始し昼前には一時プラス圏に転じる動きだったが引け前にマイナスに沈んだ。
中古住宅販売件数が予想を下回り前月比0.6%減と3ヵ月連続のマイナスで着地。
ハイテク大手を中心に4~6月期決算発表が佳境を迎えるタイミング。
「結果を見極めたい投資家が多い」という陳腐な解釈がまた聞こえてきている。
金曜発表予定の4~6月GDP速報値についてトランプ大統領やホワイトハウス関係者が4%超をほのめかしている。
これはは好材料視されようか。
イランと米国の対立で原油相場の先高観が意識されたことは物価上昇の思惑につながったとの声も聞こえる。
ドル円は111円台前半での推移。
「ステルス・テーパリングが見えない敵?」
金融株に一極集中といった相場。
日経平均は300円安と大幅安だった。
一方でアジア株の堅調さなどから「異常に高くなったNT倍率の低下というアンワインド」という声が聞こえる。
余計だったのは「日銀が次回の決定会合で現行緩和政策の見直しを検討する」との報道。
ETF購入額縮小や長短金利操作における長期金利誘導目標の柔軟化という内容に過剰反応したという印象。
ポジには見えないフリ、ネガには過剰というのが市場関係者の悲しいサガでもある。
日銀はETFの買い入れを見送り。
前場のTOPIXは0.14%%安。
今月は前引け時点のTOPIXの下落率が0.3%以下の日にはETF買いは見送り。
6月に10回のETF買いを行い足元で年間6兆円増のペースを上回る勢いでETFを買っていた日銀。
「短期的にやむを得ない措置」という見方もある。
「日銀は金融政策決定会合で物価2%目標の実現に向けて金融緩和策の持続可能性を高める方策の検討に入った。
現行の長短金利操作付き量的・質的金融緩和における長期金利目標やETFなど資産買い入れ軟化などが選択肢になるもよう」。
このロイタ─の報道が独り歩きしている。
ステルス・テーパリングなんて言葉も登場し初めた。
NT倍率は12.88倍まで低下(最大は7月13日の13.06倍、最低は3月23日の12.38倍)。
25日線(22288円)からは0.5%、200日線(22261円)からは0.6%のプラスかい離。
ただ先週木曜に25日線は75日線(22344円)を下抜けた。
騰落レシオは83.94%。「裁定買い残が1兆5000億円台ではそんなに悪さもできまい」という声もある。
信用買い残は6週連続の減少。
1月23日買い方期日の次は2月14日売り方期日となる8月14日の到来。
その先に3月23日の売り方期日9月23日が控えるスケジュールだ。
空売り比率は45.7%で5日連続40%超。
シカゴ225先物終値は大証日中比80円高の22460円。
高値は22540円、安値は22320円。
月足陽線基準は22188円だからサポートとなっていよう。
勝手雲が27日に白くねじれるリズムならば押し目という見方で良いのだろう。
気学では「後場不時高を見る日。押し目買い」となっている。
(兜町カタリスト櫻井)
