「行き過ぎもまた相場」

「行き過ぎもまた相場」
 
火曜のNY株式市場は大幅安。
NYダウは一時650ドル近く下落し終値は473ドル安。
NASDAQも159ポイント安で8000ポイントを割り込んだ。
トランプ米大統領が中国製品に対する関税引き上げを表明。
ライトハイザーUSTR代表とムニューシン財務長官は「中国側が協議の中で約束を後戻りさせたことを受けた」とコメント。
「米中通商協議の決着まで大幅に長引くという懸念が拡大した」との解釈だ。
「ゴールポストが動いてしまった」という声が聞こえる。
VIX指数は19.44と3ヶ月ぶりの水準に上昇。
一方で債券利回りは低下(価格は上昇)。
10年国債利回りは一時5週間ぶりの水準となる2.444%に低下した。
円は安全資産としての側面がでて上昇。
一時110円10銭台と3月28日以来の高値をつける場面があった。
「25%への関税引き上げの確率は5割以上。市場は当然関税引き上げを望んでいない」という見方がある。
一方「米中貿易協議が続く間、最終的には合意するとみて市場は落ち着いた状態を維持するだろう」という楽観論もある。
「恐怖と欲望指数」は39%まで低下した。
 
令和最初の日経平均は続落。
り付き74円安。前引けにかけて下げ渋ったが相変わらず火曜後場の軟調で335円安。
終値ベースで4月12日以来11営業日ぶりに22000円を割り込んだ。
平成元年最初の相場の1月9日(月)の日経平均終値は前日比469円高の30678円。
その後5日間での上昇幅は1088円。
残念ながら大きな違い。
「上海株はプラスで終わったから、結局は日本株だけが散々な後場」という声もあった。
10日間の商いが積み上がっていたのがどうかは不明だが東証1部の売買代金は3兆2176億円。
値上がり623銘柄、値下がり1457銘柄。
新高値119銘柄、新安値121銘柄。
騰落レシオは94.04。
NT倍率は13.76倍。
25日線からは0.3%のプラスかい離。
200日線からが0.2%のマイナスかい離。
サイコロは8勝4敗で66.7%。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲9.863%。
買い方▲10.285%と逆転。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲11.734%。
買い方▲15.697%。
空売り比率は44.9%で38日連続の40%超。
日経HVは9.7、日経VIは19.43。
日経平均のPERは12.49倍でEPSは1755円。
PBRは1.12倍。
シカゴ225先物終値は大証日中比290円安の21650円。
高値22150円、安値21515円。
25日線(21850円)を下抜けてきた。
4月4日のマド(21900円)は昨日埋めて次のマドは4月1日の21471円と3月29日の21267円。
4月の上昇分を一気に消した格好。
200日線(21885円)と25日線(21850円)の差はわずか35円。
勝手雲の上限は22089円、下限は21628円。
雲を下抜けないことが重要だ。
「行き過ぎもまた相場」という格言が甦りそうな気配。
ボリンジャのマイナス1σが21491円。
気学では「下寄りは買い、上寄りは売りの日」。
木曜は「下げ来りて尚安きは小底となる日」。
金曜は「後場へかけて急伸することあり。押し目買い」。
愚かさは叡智よりも同様の愚かさで解決するほうがスムースだ。
 
愚かさに目を奪われるよりも足元を確認することが重要だろう。
日経朝刊に掲載され始めた「3月期決算集計状況」。
7日時点では全体の17.0%が通過。
売上高は△7.8%、同経常利益は△2.6%、同純利益は△2.92%。
第3四半期時点では売上高は△5.1%、同経常利益は△2.0%、同純利益は▲1.4%だった。
少しは改善している格好だ。
2020年3月通期見通しは売上高は△1.1%、同経常利益は▲2.3%、同純利益は△1.2%
そして・・・。
2019年3月月中平均21414.88円
トピ1602ポイント。
 
 
過去の騰落確率。

5月7日騰落確率47.27%
5月8日騰落確率52.73%
5月9日騰落確率40.00%
5月10日騰落確率51.85%
5月17日が上げの特異日だから最悪で1週間の我慢ということになろうか。
「流れは変わった」という声が多いが「流れはまた変わる」ものでもある。
12月25日の19000円割れ売り方期日が6月25日。
6月26日「天赦の日」。
次のピークに向けて動くと見たいところ。
 
因みに・・・。
米中貿易摩擦問題で早急に結論は出ないだろう。
もし解決してしまうとトランプ大統領は不要。
だからこそ「中国製造2025」への補助金を問題にしている。
貿易の不均衡や関税の問題ではない。
テクノロジーの覇権での戦いということ。
だからこそ時間がかかると考えておくべきだろう。
どうせどこかでまたマーケットの視点を変えてくるに違いない。
やはり愚かさには愚かさで対抗だ。
 
今年の勝ち負け(5月7日まで)。

月曜11勝3敗。
火曜10勝7敗。
水曜8勝8敗。
木曜5勝10敗。
金曜11勝6敗。
 
NYダウは473ドル安の25965ドルと続落。
一時650ドル近く下落した場面もあた。
NASDAQは159ポイント安の7963ポイント。
S&P500は48ポイント安の2884ポイント。
ダウ輸送株指数は231ポイント安の10670ポイント。
SOX指数は2.42%の下落。
VIX指数は19.44。
3市場の売買高は78億株。
225先物CME円建ては大証日中比290円安の21650円。
ドル建ては大証比265ポイント安の22675ポイント。
大証夜間取引終値は日中比280円安の21660円。
ドル円は110.24円。
10年国債利回りは2.447%。
 
◇━━━ カタリスト━━━◇
 
ETS(1789)・・・動兆
 
ETSに注目する。
同社は送電線、内線工事が主体。
鉄塔工事や電力網の整備に必要な変電所建設が拡大基調。
日経朝刊の「送電線強化」の記事は追い風。
 

(兜町カタリスト櫻井)

 

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