「花祭り」

「花祭り」
 
週末のNY株式市場は上昇。
S&P総合500は半年ぶりの高値を更新。
7日続伸は2017年10月以来だ。
雇用統計では非農業部門の雇用者数が19.6万人増。
前月の7カ月ぶりの弱い伸びから加速し市場予想の18万人増も上回った。
時間当たり賃金は前月比0.1%増で伸びは前月の0.4%から鈍化。
予想の0.3%も下回った。
「強弱入り混じった結果」という見方だ。
ただ「景気後退懸念の払拭につながった」という見方も多い。
市場の焦点は米経済、あるいは米貿易摩擦問題から企業決算へと移行してこようか。
雇用統計でインフレが抑制されていることが示され長短金利差は縮小。
「10年債利回りが2.60%台に乗せなかったことに投資はしびれを切らした。
還期限がより長い国債に買いを入れたことが利回り曲線の平坦化につながったと」という声もある。
FRBが20年初旬に0.25%ポイントの利下げを実施する確率は60%。
10年国債利回りは2.498%。
トランプ大統領は「中国との合意はかなり近づいており4週間以内に発表する可能性がある」とコメント。
英国のメイ首相はトゥスクEU大統領宛ての書簡で「離脱期限を6月30日に延期する」と申し入れた。
ドル円は111円台後半。
VIX(恐怖指数)は12.82。
SKEW指数は126.23。
 
 
週末の日経平均は寄り付き19円高、終値82円高と小幅続伸。
安値(21731円)が9時00分、高値(21839円)は9時06分。
日中値幅は108円で膠着感は強かった。
日足は一応3日連続の陽線。
節目の22000円には200円近くを残している。
3月4日高値21822円(ザラバ高値なら21860円)まで残り15円(同21円)。
200日移動平均線(21911円)まで残り104円。
日経平均は週間では約601円の上昇。
週足は陽線。
東証1部の売買代金は1兆9652億円と2兆円割れ。
値上がり1311銘柄、値下がり72銘柄。
新高値165銘柄、新安値30銘柄。
騰落レシオは104.15。
25日線(21462円)からは1.6%のプラスかい離。
200線からは0.5%のマイナスかい離。
75日線は上向きだ。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲10.363%。買い方▲9.631%と再逆転し買い方有利。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▼10.693%。買い方▲18.062%。
空売り比率は41.9%で23日連続40%超。
日経HVは19.3、日経VIは16.20。
日経平均採用銘柄のPERは12.59倍でEPSは1732円。
PBRは1.14倍。
シカゴ225先物終値は大証日中比60円高の21850円。
高値21855円、安値21725円。
大証夜間取引終値は日中比80円高の21870円。
週足の一目均衡の雲の下限が22397円とまだ上。上限は23052円だ。
週足の勝手雲の上限21698円は上抜けた。
ボリンジャーのプラス2σが22008円、プラス3σが22475円。
日足の勝手雲の上限は21383円と下で12日に白くねじれている。
日足のボリンジャーのプラス2σが21940円、プラス3σは22178円。
今年10勝2敗の月曜日は最強の曜日。
「前場安いと後場高の日」。
火曜は「人気に逆行し不時の高下を見せる日」。そして「下げの日」。
水曜は「数日来高続きの日は反落する」。
木曜は「下放れ突っ込みは買い、逆なら見送るべし」。
そして「天赦日」と「株安の日」が同居。
金曜は「前後場仕成を異にして動く日」。
そして「満月・変化日」。
 
イノシシ年の地方選。
11道府県知事選と6政令市長選など前半戦投開票を通過した。
「大阪都構想」の是非争った大阪府知事・市長ダブル選はいずれも大阪維新の会が当選。
唯一の与野党対決となった北海道知事選は自民、公明両党が推薦した前夕張市長の新人が当選。
10の知事選も自民系が押さえた。
立憲民主党など野党は独自の候補立てられない「不戦敗」が多かったとの指摘。
「対決構図作れず」という表現だ、
自民党は41道府県議選で優位な戦いを進めた。
道府県議選は全議席2277に対して自民党が1158議席で過半数確保。
改選前の1280議席には届かなかったが前回2015年の獲得議席を上回った。
旧民進党を源流とする立憲民主、国民民主両党では、立民が改選前議席から30以上伸ばした。
国民は低迷し、改選前の142から大幅減。
公明党は目標通り全員当選。
島根や福岡の分裂など自民党もシコリは残したが全体的な結果は悪くない。
こうなると「いっそ衆参ダブル選挙」と考えてしまうのかも知れない。
 
今日は花祭り(灌仏会・仏生会)。
お釈迦さまの生誕を祝う仏教行事。
参拝者が御像に甘茶を注ぐ儀式だ。
甘茶はお釈迦さま誕生の時、産湯を使わせるために9つの竜が天から清浄の水を注いだとの伝説に由来。
甘茶の日ならば、相場も悪くはなかろう。
 
12年前の平成19年9月(2007年)に施行された金融商品取引法。
証券業出身者ならば逐条で読んだことがあるはず。
それ以外の市場関係者というのは名前だけは知っていることだろう。
実はココが大きな違いでもある。
コンプラとリーガルを知っているのと知らないのでは全く状況が異なってくる。
やって良いこととやってはいけないことの区別がつかないのは良くないことだ。
加えれば・・・。
法的にやっていけないことから倫理的にやっていけないことを連想しなければいけない。
これを踏まえないと、証券マスコミの基盤というのはそのうちに失われるかも知れない。
これまで何か違和感があると感じていたのは金商法の目的のところ。
金融商品取引法は
(1)企業内容等の開示の制度を整備するとともに、金融商品取引業を行う者に関し必要な事項を定め、
金融商品取引所の適切な運営を確保すること等により
(2)有価証券の発行および金融商品等の取引等を公正にし、有価証券の流通を円滑にするほか、
資本市場の機能の十全な発揮による金融商品等の公正な価格形成等を図り、
(3)もって「国民経済の健全な発展」および「投資者の保護」に資することを目的とする。
つまり「国民経済の健全な発展と投資者の保護に役立てることを目的とする法律」なのである。
旧証券取引法にあった「長期産業資本の育成」という言葉は消えている。
これが違和感だった。
金商法が相手にしているのは、株だけでなく、むしろFXやさまざまなファンドのウェイトが高くなった。
一方で「国民経済の健全な発展」は残った。
加わったのが「投資家の保護」だ。
法の背景は「個人が安心して投資できる環境を整えることで貯蓄から投資への流れが進む」。
しかし12年経過してもこの流れはあまり感じられない。
むしろFX取引の規制強化など業者規制の厳格化が図られたという格好だ。
これはこれで悪くはない。
そして業界関係者ならば誰でも知っている「適合性の原則」。
「顧客にふさわしい商品を勧める」ということだ。
顧客の知識、経験、財産の状況および投資目的に適合した形での勧誘をしなければならないということだ。
「高齢者や女性投資家は信用取引が出来ない」なんて文句もかつてはあったことが記憶にある。
それよりも課題は「商品の適合性」ということだろう。
「投資目的」はたとえ表現はどうであれ「儲けたい」というのが基本だろう。
「減らしくたくない」というのも形を変えれば「儲けたい」だ。
両替取引でレバレッジをかけた多額の取引というのは適合性の原則にあってはいなかったということ。
これから課題になるのは「トウモロコシや小麦やパラジウム」を持ちたい投資家が本当にいるのかどうかということ。
個人投資家が原油を買う必然性はほとんどない。
もちろん株を買う必然性もない。
しかし「長期産業資本の育成」という文言が消えている以上、既に投資対象はなんでもアリになっていた。
これは長期的な仕込みだったのかも知れない。
しかし・・・。
おなじ市場だから「株もFXも金も原油も一緒」というのはアリ得るのだろうか。
「海外では商品取引はメジャーだ」という理由が登場するのかも知れない。
「海外ではFX取引が多い」と言われた。
その結果、この国は世界最大のFX投資家を育ててしまったという歴史もある。
グローバルスタンダードは必ずしも正しい行動ではなかろう。
なにか釈然としないものはある。
経産省的な投資家育成論というのが正しいのだろうか。
商務省が金融経済を所管している国ってあるのだろうか。
不思議な市場ニッポンという感じだ。
先物至上主義に陥ることなく、本来の現物取引の立場でモノを考えることが必要だろう。
仮需の創造がいずれバブルを惹起し、また国家経済をおかしくする可能性はゼロではない。
まずは「現物」で考え、その次に「先物」というのが順番だろう。
そもそも「借金をして投資をすることは国民経済の健全な発展につながるのかどうか」。
そして「投資家保護につながるのかどうか」。
これを考えることが重要だろう。
飢饉やテロや戦争が価格の上昇につながる商品に投資価値があるのかどうかも同様だ。
 
NYダウは40ドル高の26424ドルと3日続伸。
NASDAQは46ポイント高の7938ポイントと反発落。
S&P500は13ポイント高の2892ポイントと7日続伸。
ダウ輸送株指数は45ポイント高の10734ポイント。
SOX指数は0.80%の上昇。
VIX指数は12.82。と低下。
3市場の売買高は62.4億株。
225先物CME円建ては大証日中比60円高の21850円。
ドル建ては大証比85ポイント高の21875ポイント。
大証夜間取引終値は日中比80円高の21870円。
ドル円は111.73円。
10年国債利回りは2.498%。
 
 
◇━━━ カタリスト━━━◇
 
日精ASB(6284)・・・動兆
 
 
日精ASB機械に注目する。
同社はペットボトルなどプラスチック容器の成形機大手。
海外比率9割。
成形機は中小型機が欧米アジア等で堅調。
受注残は高水準。
同社の歴史は、ペットボトルの歴史。
本社は長野県小諸市。
 

(兜町カタリスト櫻井)

 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次