「脱亜入欧?」

NY株式市場でNYダウは7日続落。
NASDAQは反発し終値ベースの過去最高値を更新。
S&P500は4日ぶりに反発とマチマチの展開。
VIX(恐怖)指数は12.79まで低下。
下落が続いていたボーイングは0.5%高 と7日ぶりに反発。
買収に絡んでメディア関連のフォックスやディズニーが上昇。
ハイテク大手5社の「FAANG」銘柄が急伸。
5社中4社が過去最高値を更新した。
フェイスブックは一時3.1%高の203.55ドルと初の200ドル乗せ。
アルファベットは1.9%上昇。
1月29日に付けた過去最高値を更新。
アマゾンも上昇。
ネットフリックスは3.5%急伸して400ドル台突破。
アップルだけが上昇したものの7日に付けた過去最高値に4%程度届かなかった。
FAANG銘柄は年初来37%近く上昇している(S&P500は約3.8%高)。
各社の年初来上昇率は、ネットフリックスが約117%、アマゾン51%、フェイスブック約15%。
アルファベットは約14%。アップルは10.5%。
NYダウ採用銘柄から除外されるGEは下落。
国債利回りは上昇。
10年国債利回りは2.9%台。
「米中貿易摩擦激化を巡る懸念が和らいだ」との解釈だ。
ポルトガルのシントラでのECB年次フォーラムでのパウエルFRB議長、ドラギECB総裁、黒田東彦日銀総裁。
「貿易戦争が景況感の重荷となりつつあり、経済見通しの下方修正を迫られる可能性もある」と懸念。
ドル円は110円台半ばでの推移。
 
 
水曜の日経平均は後場上昇幅を拡大し276円高。
火曜に下落幅(401円安)の半分以上は戻した格好。
3日ぶりの反発、5日ぶりの日足陽線は悪くない。
「ディフェンシブセクターが買われた一方で景気敏感セクターが売られておりリスクオンとは遠い」という見方もある。
底打ちのシルシかも知れないのが新安値銘柄が348に達したこと。
東証1部上場銘柄が2091だから16.6%が新安値に沈んだ。
「個別株レベルでは16.6%が3月安値を下回って昨年来あるいは16年以来の水準まで下落している銘柄もある」という声もある。
昨年4月17日(日経平均が18224円の安値を記録した日)の新安値が400。
その後2~3週間で2万円回復となったことも歴史だ。
25日線(22618円)からはまだ0.3%のマイナスかい離。
NTレシオは13.77倍。
騰落レシオは83.98%と小幅に上昇。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲11.757%。買い方▲11.142%。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲22.46%。買い方▲17.34%。
空売り比率は41.5%とまだ40%を割れない。
Quick調査の6月15日時点の信用評価損率はマイナス9.77%。
同裁定買い残は1975億円増の2兆2689億円。
裁定売り残は103億円増の7106億円。
日経VIは17.34まで低下した。
日経平均採用銘柄のEPSは1680円でPERは13.42倍。
シカゴ225先物終値は大証日中比変わらずの22480円。
25日線と75日線(22085円)のレンジの継続はわかりやすい。
ということは25日線を上にブレイクすることが必要条件。
5日(22620円)も早急に奪還してほしいところ。
一目均衡の雲の上限(22423円)を上抜けたことは好感される。
気学では「変化を見せる日。後場にかけて足取りに注意」。
金曜は「不時の高下を演じポイントを作る日」。
6月21日は株高の特異日だが・・・。
 
 
英下院でのEU離脱法案の採決。
交渉の行方について議会により大きな権限を与える修正案を反対多数で否決した。
採決結果は反対が319票、賛成が303票。
メイ政権が離脱を巡る議会の「意味のある採決」に関して妥協案を提示。
これに保守党内の親EU派議員が支持を表明した。
メイ首相は自党の抵抗勢力と対峙するリスクの高い戦略を取った格好。
「これが功を奏した形となった」との解釈だ。
メイ首相は今後もEU離脱前に複数の法案を議会で可決する必要がある。
「EU離脱の青写真となる法案を巡る対立は今後も続く可能性が残っている」との声が聞こえる。
ということは・・・。
ブレグジットは消える可能性もまだあるということ。
だから相場は面白いのかも知れない。
一方でEUの対米報復関税は明日発動される。
鉄鋼製品に加え、ハーレーダビッドソン、バーボン・ウィスキーなどが品目。
独メルケル首相が「日本は親密なパートナー」と接近してきた背景もココにあるのだろう。
トランプ劇場がもたらした日独の久々の接近。
「対米追従なのか親欧州」なのか。
「脱亜入欧」という明治時代の言葉が甦ってくる。
 
余計なのはIMF(国際通貨基金)。
対日審査代表団のポール・カシン団長のコメント。
「医療と年金の制度改革が必要だ」。
これはそうだろう。
しかし「消費税率の引き上げだけでは予測される社会保障費増加への対応として不十分」。
そして「GDPの約2倍の公的債務を抱えての財政は持続不可能。
消費税が財政再建の中心的な役割を占める。
0.5~1%ずつ段階的に引上げ、15%まで上げる必要がある」。
しかも軽減税率には慎重な姿勢。
人考えると痛みを受けるのは国民だ。
国民のためにならず政府のことだけを考えるIMFという印象だ。
 
面白かったのは「動けぬ日銀に我慢の限界」。
10年債の値がつかなかったのは今年5回。
日銀の国債買い入れが市場の不全を招いているというという論法だ。
「2年ならともかくいつまで我慢しろというんだ」というのが業界の声。
金利の低下が継続し相場観もなく今までたっぷり稼いできた債券畑の連中のいいそうなことだ」。
市場といえば債券と為替しか頭にない連中が「マーケット」なんて言い始めて30年余り。
もういいだろうとは思うが甘い汁の記憶は消えないらしい。
そんなことよりも、教訓は「投資対象が減ると市場は怨嗟の声に満ちる」。
株式市場は幸いにして自社株買いや上場廃止もあるもののIPOや増資があって均衡を保っている。
もしも株が減って「ストックショート」になったら同じ怨嗟の声に満ちるのかどうか。
一度見てみたいものである。
債券の連中だって市場で流通する債券が消えるなんてことは想像もしなかっただろう。
しかし現実に起こったのだから、やはり市場は面白い。
 
NYダウは42ドル安の24657ドルと7日続落。
NASDAQは55ポイント高の7781ポイントと反発。
S&P500は4ポイント高の2767ポイント4日ぶりの反発。
ダウ輸送株指数は9ポイント高の10872ポイント。
3市場の売買高は66.3億株。
CME円建ては大証比変わらずの22480円。
ドル建ては大証比40ポイント高の22520ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比20円安の22460円。
ドル円は110.37円。
10年国債利回りは2.926%。
 
 
◇━━━ カタリスト━━━◇
 
インフォテリア(3853)・・・動兆。
 
インフォテリアに注目する。
同社は汎用ソフトが中核。
データ連携用「アステリア」、データ管理用「ハンドブック」はシェア首位 
企業のデータ活用拡大が追い風。
モバイルデータ管理ソフトもテレワーク対応等で拡大基調。
18日に発表した19年3月期連結業績予想。
営業利益は前期比57.7%減の2億5000万円となったことを嫌気。
しかし売上収益は同15.8%増の36億円。
営業利益はIoT関連新ラインアップ投入や近未来型IoTオフィス構築、
ブロックチェーン関連サービスの提供、
あるいはマーケティングに向けた先行投資のために大幅減見通した。。
21年3月期を最終年度とする中期経営計画の数値目標は売上収益50億円、営業利益10億円。
よく読めば中計を前倒して達成したための新中計。
売上高は2期先には現在の1.6倍、営業利益は1.7倍だ。
目の前だけを見て投資するのか、その先を見て投資するのかの違いはある。
「投資なくして成長なし」は当然だ。
「国内事業を伸ばしながらも海外売上比率50%。
積極的な投資をしながらも営業利益率20%。
M&A投資可能規模200億円。
世界ブランンドASTERIA Corporationへ」。
これが道のりだ。
しかし、刹那的皮相的相場観での下落ならばリバウンドも早かろう。
先は悪くないのだ。
 

(兜町カタリスト櫻井)

 

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