「早耳の早耳だおれ」という格言がある。
「情報を早く得た者が相場で成功するとは限らない」という意味の格言だ。
「情報をいち早く得て争いに参加して、その情報をもとに投資を行っても損をすることが多い」という意味でもある。
現在は、インターネットの発達でだれもが素晴らしい情報環境を手に入れることができつつある。
しかしその行く先は「一分一秒を争う戦い」。
「情報の早さの争いに参加するよりも、その情報が大局上昇相場もしくは下落相場へつながるものなのか。
これを見極める力は必要」というい声がある。
換言すれば「スピードを競わずに、質を競え」になる。
体力を鍛えずに脳トレを繰り返すのが本筋でもあろうか。
ギリシャ神話に「王様の耳はロバの耳」という話もある。
本当の事を言うことの大切さと人に対する寛容さを説いた寓話だ。
しかし相場に置き換えるとどうなるだろう。
耳でも目でも口でも自分で見ることは絶対にできない。
日銀短観の中身だって、雇用統計の個別像だって自分では絶対に見ることは不可能。
それでも市場は、これらの自分では絶対に確かめることの出来ない指標を用いてアレコレ詮索する。
しかもロバの耳と違って、どこが正しくどこが間違っているのかを確かめることは出来ない。
それで相場を生き抜くことはかなり難しいような気がする。
「カミソリと鉈」として考えることも重要かも知れない。
カミソリはスパッと切れる。
ナタはザクッと切れる。
見た目はカミソリの方がナタよりも鋭く切れる。
しかしカミソリの方が切れ味が良いかというと、そうとは限らない。
「長もちし大成しようと思うなら、目先を追って小回りを利かすよりも、肚をすえてどっしり構える」。
「分かったような気になったり、分かったふりをするのは、間違いのもと」というのは身に染みる言葉だ。
スケジュールを見てみると・・・。
6日(金):景気動向指数、米雇用統計、消費者信用残高
週末:京都府知事選
9日(月):国際収支、消費動向調査、景気ウォッチャー調査
10日(火):米生産者物価
11日(水):機械受注、企業物価指数、米消費者物価、財政収支、FOMC議事録、中国生産者・消費者物価、北朝鮮最高人民会議
12日(木):マネーストック、都心オフィス空室率、日銀さくらレポート、米輸出入物価
13日(金):オプションSQ、米ミシガン大学消費者信頼感、中国貿易収支
(櫻井)。
