「由緒」

NY株式市場でNYダウは4日続伸。S&P500とNASDAQは4日連続で史上最高値を更新した。
ハイテク株中心に上昇。「通商協議を巡る期待も市場心理を押し上げた」との解釈だ。
アップルは史上最高値を更新。
モルガン・スタンレーがアマゾンとアルファベットの目標株価を引き上げたことがハイテク堅調の背景。
アマゾンは3.4%上昇し時価総額1兆ドルを伺う勢い。
1兆ドルを達成すれば米企業としてアップルに続いて2番目。
米国とカナダはNAFTA協議を再開。
トランプ米大統領は「NAFTA再交渉について、米国とカナダは31日までに合意できる」とコメント。
カナダは融和的と見られている。
第2四半期のGDP改定値は年率換算前期比4.2%増と速報値の4.1%増から上方修正。
2014年第3四半期以来の大幅な伸びとなった。
市場予想は4.0%増。
上半期GDPは3.2%増。
速報値は3.1%増だった。
「トランプ政権が掲げる年率の成長目標である3%を達成できる勢い」という声が聞こえる。
VIX(恐怖)指数は12.28%まで低下。
SKEW(ブラックスワン)指数も140.88まで低下。
債券利回りは横ばい。
ドルは強い動き。
「米中貿易摩擦の収束はまだ遠い」という見方が為替市場では支配的なようだ。
2000億ドル相当の中国製品に対する追加関税へのパブリックコメント期日が9月5日。
ココが多少懸念されている。
ドル円は111円台後半での推移。
 
 
一応、水曜日でも7日続伸。
後場の失速は火曜と一緒。
「場中には不安定な動きも見られるが、それでも上昇が続いているというのが現実。
投資家のリスク許容度を高める」という見方もある。
あるいは「前場の貯金をほとんど使い尽くして34円高での終値。
失望感いっぱいの一日。
3月、5月、7月と過去3回の挑戦も高値での滞留日数は僅か2日間だった」という見方もある。
もっとも「アベノミクス以降、昨年まで6年連続で年足は陽線。
今年の年足陽線基準23506円を目指す動きに期待」という楽観論もある。
NTレシオは13.22倍と上昇。
25日線(22481円)からは1.6%、200日線(22408円)からは2.0%のプラスかい離。
200日線がわずかに下向いたのは誤差の範囲とみなされるに違いない。
騰落レシオは96.82%。
Quick調査の8月24日現在の信用評価損率はマイナス10.98%と4週ぶりに改善。
裁定買い残は636億円減の1兆4916億円。
邪魔のしようがない水準だ。
裁定売り残は94億円増の7266億円。
空売り比率は41.5%で23日連続の40%超と記録更新。
日経平均採用銘柄のPERは13.28倍でEPSは1720円。
シカゴ225先物終値は大証日中比130円高の22980円。
高値は22985円で昨日と一緒。
「23000円は他人任せでなく自主性を持って東京市場自身が付けよ」という意味なのだろうか。
勝手雲の上限は22506円で遥か下。
9月6日には白くねじれている。
ボリンジャのプラス2σの22953円で連日頭を抑えられた格好。
プラス3σは23189だが滅多にあることではない。
高値滞在3日、8日続伸で良しだろうか。
気学では「高日柄にして波乱する日。押し目買いよし」。
明日は「吹き値売り方針の日」。
月足陽線基準22746円をキープできれば3ヶ月連続の月足陽線完成だ。
 
「S&Pは強いのにVIX指数はあまり下がっていない」という指摘がある。
この状態は過去20年で3回あったという。
(1)1999年12月→2000年3月
(2)2007年4月→10月
(3)2014年12月→2015年2月
その翌年のS&P500はマイナス11.3%でよくないサインという。
「最終的には正確な警告だった」との指摘。
弱気筋には最適な歴史ではあるが、幸いVIX指数は下がってきた。
 
気になるのはロシアが9月に過去最大の軍事演習を行うこと。
極東やシベリアで約30万人規模の兵士、航空機1000機、戦車・装甲車3.6万台を投入。
一部の演習には中国軍も参加するという。
スケジュールは9月11日~15日で名前は「ボストーク2018」。
ウラジオストックの国際会議(東方経済フォーラム)に合わせての開催。
コモデティの世界が話題にしそうな材料だ。
一方で米国はトルコとの軍事協力を推進。
あの「トルコショック」なるものは何だったのだろうか。
 
NYダウは60ドル高の26124ドルと続伸。
NASDAQは79ポイント高の8109ポイントと続伸。
S&P500は16ポイント高の2914ポイント。
ダウ輸送株指数は5ポイント高の11395ポイント。
S&P500とNASDAQは4日連続で過去最高値更新。
3市場の売買高は56.3億株と低調。
CME円建ては大証比125円高の22975円。
ドル建ては大証比135ポイント高の22985ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比130円高の22980円。
ドル円は111.67円。
10年国債利回りは2.884%。
 
昨日の曙ブレーキ(7238)の取材はとても興味深かった。
「曙」の由来は創業者の納 三治(おさめ さんじ)氏が
郷里である岡山県裳掛村虫明港より瀬戸内海の小豆島を望む夜明けの美しさから命名したという。
この地域は景観の優れた場所として平安時代から多くの和歌に詠まれているという。
虫明港から眺める朝日を平忠盛(平清盛の父)が詠んだ歌。
「虫明の迫門の曙見る折ぞ 都のことも忘られにけり」。
だからこの辺りを「曙の里」と呼ぶようにもなったというから由緒深い。
独立系ブレーキ専業だけにブレーキに目が行きがちだが「センサー」という新分野が登場。
「鉄道車両挙動監視装置」は脱線対策。
乗用車姿勢制御(IMU)は将来の自動運転を睨んだ技術。
トラクター水平制御システムも同様だ。
鉄橋常時微振動計測システムやカーナビシステムに加え油ガス層モニタリングシステムはエネルギー関連だ。
「少ないですが100億くらいはこの分野で」とのコメント。
売上高2600億円からすれば確かに少ないかも知れないが新興企業などは100億を目指す企業ばかり。
技術と歴史と伝統は大きい。
次世代製品としての「MR流体ブレーキ」はコアコンピュタンスの延長線上だが設計思想が全く異なる。
溶液の中に入った磁性体粒子。
電流が流れると鎖状につながりブレーキトルクとなる。
電動化と環境対応が進むこれからの自動車にふさわしいブレーキだ。
ちなみにMR流体と開発だが「磁気でレオロジー(流れの特性)が変わる流体」。
世界初の技術は小型EV、コミューター、介護車両、産業機械などでの活躍が期待されよう。
ちなみに「空飛ぶクルマ」の2020年代の実用化目指す官民協議会の初会合開催。
「日本発で空の移動革命を起こす一大プロジェクトが動き出した」との声。
この分野では航空分野ソフトのアドソル日進(3837)。
リアルタイムソフトのセック(3741)だろうか。
 
 
◇━━━ カタリスト━━━◇
 
ピーバン(3339) ・・・動兆。
 
ピーバンドットコムに注目する。
同社はサイト「P板.com」を運営。
試作用プリント基板製造受託が中核だ。
設計・製造・実装のワンストップ利用顧客が増加。
宇宙ステーション日本実験棟「きぼう」の船内で使われる自律飛行型のドローン「イントボール」。
その回路基板が採用された実績を持つという。
 

(兜町カタリスト櫻井)

 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次