「現場」

「現場」
 
NY市場で主要株価指数は続伸。
「ロックダウン(都市封鎖)措置を緩和する動きの米国内外での拡大を好感」との解釈。
ヘルスケア関連セクターの上昇が全体のけん引役となった。
NYダウの上昇幅は一時400ドルを超える場面があった。
ただFRBのクラリダ副議長が「第2四半期の米経済は大幅に縮小。
失業率が1940年代以来の水準に悪化する公算が大きい」とコメント。
終盤にかけて上昇幅を縮小した。
ファイザー、リジェネロン、マイクロソフト、アップルが上昇。
ISM非製造業総合指数は41.8。
2009年12月以来初めて景気拡大・縮小の節目となる50を割り込んだ。
10年国債利回りは0.630%。
2年国債利回りは0.184%。
ドル円は106円台半ば。
恐怖と欲望指数は44→44。
 
 
気になったのは4日に発表された「新しい生活様式」。
「欲しがりません勝つまでは」という古の訓示が甦ってくるような印象だ。
個別では・・・。
誰とどこで会ったかをメモする。
携帯の位置情報をオンにする。
通販の利用。
電子決済の利用。
デリバリーの活用。
テレワークやローテーション勤務。
会議、名刺交換はオンライン。
学校の9月新学期までが加わって何か省庁の希望のてんこ盛り。
そんな気がしてならない。
「レストランでは料理に集中」。
「横並びに座る」。
「おしゃべりは控え目に」。
「お酌、回し飲みを避ける」。
箸の持ち方にも言及するような細かい指示だ。
 
PCR検査の数の少なさというのもなんか解せない部分。
「過去、国内の検査体制を広げてこなかったことが理由の一つ」。
「思ったほどのスピードで検査数は上がらなかったことも事実」。
日本のやり方が正しいと固執したような従来の姿勢からは進歩したような印象だ。
ただ国立感染症研究所や地方衛生研究所など公的機関だけが検査を担ってきたのが歴史。
「国内の検査体制を広げてこなかった。
検査を担う地方衛生研究所の体制拡充を求める声が起こらなかった」。
声が起こらなければそのままにしておくというのは予測の精度の低さにつながること。
それで専門家と言えるのかどうかというのは厳しく問われる部分でもあろう。
ただ「民間業者の活用」という発想が認知されたことは一歩前進だろう。
「民間検査会社を積極的に活用してこなかったこと」について「本気でやる気がなかった訳では全くない」と意味不明の回答。
この先も本気でやる気があるのかどうかが問われるところだろう。
「コロナウィルス」は専門家の為に存在している訳ではない。
本来なら役割がないことこそ専門家の在り方とも言える。
でも今は残念ながら専門家に頼らざるを得ない以上、正しい見識が望まれるだろう。
個人的にはコロナについては門外漢。
だからそう考えるしかない。
ただどんな出来事も「事件は現場で起きている」。
後方の陣地で構えていては戦に勝てない。
大本営や本部なんてところでは正しい判断はめったに出ないもの。
その意味で現場重視の姿勢が望まれるのは、どこの業界でも一緒だろう。
 
 
火曜のNY株式市場は小幅に3日ぶりの反発。
ハイテクセクター中心に堅調展開。
原油価格の上昇も好感された。
NY州のクオモ知事は同州の経済活動の段階的な再開を巡る概要を発表。
「抑制措置を緩和し、経済活動を再開させながら感染拡大を抑えられるかどうか」という見方だ。
マイクロソフト、アマゾンが上昇。
バークシャーが2.6%安。
食肉加工最大手タイソン・フーズは7.8%安。
3月の製造業新規受注が前月比10.3%減と予想の9.7%減を超えて着地。
1992年の統計開始以降最大の落ち込みとなった。
10年国債利回りは0.630%。
2年国債利回りは0.184%。
ドル円は106円台後半。
 
 
火曜のNYダウは133ドル高の23883ドルと続伸。
一時419ドル高の24169ドルまで上昇した場面があった。
NASDAQは98ポイント高の8809ポイント。
S&P500は25ポイント高の2868ポイント。
ダウ輸送株指数は66ポイント高の8047ポイントと4日ぶりの反発。
SOX指数は1.70%上昇。
VIX指数は33.61。
3市場の売買高は106億株と増加(過去20日平均は120億株)。
225先物CME円建ては大証日中比85円安の19545円。
ドル建ては大証比日中比50円安の19580円。
ドル円は106.58円。
10年国債利回りは0.661%。
2年国債利回りは0.190%。
 
新型コロナ感染者数の14日移動平均の推移。

3月14日新規感染者28:14日移動移動平均30.2
3月10日59:29.6
3月21日40:43.5
3月27日123:58.1
3月28日201:68.0
3月31日242:96.4
 4月3日354:151.0
 4月7日360:231.8
4月11日719:369.6
4月15日547:444.5
4月18日583:495.6
4月19日374:496.5
4月21日391:506.0
4月28日280:399.8
 5月3日200:296.3
 5月4日178:284.5
 
14日移動平均は4月21日の506.0がピーク。
新規感染者が14日移動平均を上抜いたのは3月10日。
3ケタで上抜いたのは3月27日。
下抜いたのは4月19日だった。

(兜町カタリスト櫻井)

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