「猟師と漁師」

週明けのNYダウは328ドル安と大幅に反落。
一時400ドル超下落した場面もあり5月上旬以来ほぼ1ヵ月半ぶりの安値水準に沈んだ。
背景は昨日の東京の下落と同様にウォールストリートジャーナルの報道。
「トランプ政権が中国の知的財産侵害への対策を強化するため、中国資本が25%以上の企業を対象に対米投資を制限する検討に入った」。
ITなど先端技術の流出も規制の方向。
「米中摩擦が一段と深刻化。世界景気の成長鈍化につながる」との解釈だ。
ムニューシン財務長官が「対米投資制限は中国以外の企業も対象となる」とツイートしたことから下落幅を拡大。
一方で通商政策担当のナバロ大統領補佐官がCNBCに出演。
「中国企業の対米投資の制限は今のところ検討していない」とコメントしたことから下落幅はやや縮小した格好だ。
FANG銘柄群も下落しNASDAQは一時2.8%下落し3日続落。
VIX(恐怖)指数は17.33%と上昇。
シカゴ連銀全米活動指数は予想に反してマイナス。
新築住宅販売件数は予想を上回り6ヶ月ぶりの高水準に増加とマチマチ。
債券はリスクオフで上昇。
10年国債利回りは2.87%台まで低下した。
ドル円は109円後半での推移。
 
 
先週末のNYダウが9日ぶりの反発だったが週明けの日経平均は3ケタの下落。
「25日線(22569円)は抵抗線、26週線(22322円)は支え」という見方がある。
新高値52銘柄(前日52)、新安値205銘柄(前日227)。
騰落レシオは75.13まで低下した。
2月15日の74.31以来の水準だ。
「その前日2月14日には71.81まで下がって、株価とともに反した」と市場関係者。
聞こえるのは「過度に悲観に傾く局面ではない」ばかり。
逆に「まだ中途半端だ」という声もある。
NT倍率は12.93倍と依然高水準。
空売り比率も43.7%と高水準だ。
日経VIは18.65と上昇。
日経平均採用銘柄の予想PERは13.24倍でEPSは1687円。
前期基準だとPERは12.44倍でEPSは1795円と相当高く計算可能だ。
シカゴ225先物終値は大証日中比145円安の22155円。
月足陽線22171円攻防戦の水準で戻ってきた。
安値は21990円と22000円を一時割れた格好だ。
気学では「下げ来れば底入れとなり、上げ来れば戻し頭を作る」と言い得て妙な言葉。
ちなみに水曜は「後場高の日。悪目買いよし。逆の時は見送るべし」だ。
6月権利配当付最終日。
 
相場は狩猟のようなもの。
山に逃げ込む獣をどう打つかが問われることも多い。
これは相場では上昇銘柄を追いかけるということ。
つまり猟師の投資法だ。
一方で海の底の網に引っかかってくる獲物を一網打尽にする方法もある。
相場では安値銘柄の押し目買いみたいなもの、あるいは底値投資法だろう。
立派な獲物は少ないし時間も労力も必要だが、結構好まれる戦術。
言い換えれば漁師の投資法だろうか。

(兜町カタリスト櫻井)

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