「条件付きは無責任」
「戻りを試す」なんて無責任な相場予測も聞こえる
「ーーならばこうなる」はあくまでも条件付き結論。
まちがったところで誰にも責められない。
「ーーだからこうなる」というのが求めれる結論。
新入社員研修で「日経新聞の読み方」。
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★38年の時間をかけて行き着いた場所
★新聞には過去のことが書いてある
★新聞の主役は広告
★数字を押さえるには原典にあたること
★その日のテーマを見つける
★縦に読む、横に読む:因果関係・誰が主役?誰が儲かる?
★想像力を働かせる
★載る話題と捨てられる話題
★歴史と地図
★人事欄も面白い
★限定空間の争奪戦VS無限空間への脱出
★堅い活字を楽しんで読もう
★ヒ・ミ・ツの法則
★結論が先、A3が1枚の魔法:ワンワード
2018年に書いていたスイフト。
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一般にはあまり知られていないが資金決済システム担うのが国際銀行間通信協会(スイフト)。
ベルギーに本拠をおく国際資金決済システムである。
15年12月に国際送金サービスの改善プログラムを発表。
加盟行は3営業日ほどかかっていた決済を即日に短縮化。
不透明だった手数料も開示することになった。
つまり・・・。
国際送金システムがスイフトなどだけで捕捉できなくなる可能性を恐れたということだろう。
マネーが百花繚乱となれば、行方はますます見えなくなる。
数十カ国のタックスヘイブンなどの話ではない。
幾千万の魑魅魍魎の資金の行方が消えるのである。
逆にいえば米国のマネロン、反テロ規制を嫌う決済需要はユーロ振替を選好し始めたと言う現実。
ECBはこれを意識。
インフラの整備=決済サービスの充実に努めている。
それ以上にスピード感を持って出てきたのがブロックチェーン使った新たな国際送金サービス。
これでは、アメリカも監視できなくなる。
これは異常事態だし金融決済の無法地帯となる。
三題話的にいえば「だからこそのパナマ文書」と言えるのかも知れない。
これがたぶん本質だろう。
パナマ文書の意図するものは節税・脱税ではなく、おそらくマネロン。
マネーが政治経済の中心である以上、これは各国の国策と密接な関係がある。
地政学は軍事だけでなく、マネーの面でも大きな影響を持っているということ。
ゴシップ的な単なる脱税詮索に呆けている場合ではない。
大きな流れの本質と考えるべきであろう。
そしてマイナンバー制の導入この一環と考えるべき。
東京市場の不毛のスタートはもちろん89年12月のバブル崩壊。
しかし90年代はまだまだバブルの余韻を残した戦闘意欲があった。
しかし2000年のITバブルの崩壊以降はこの戦闘意欲すら消滅した。
その原因の一部はネット証券の台頭とその画面を彩る罫線効果だろうか。
自己ポジがないのでネット証券そのものに相場と対峙する姿勢はない。
当然市場と対話しようなんて謙虚な人間らしい体質もなく無機質。
しかも、そのネット上の画面で眺められるのは罫線。
昔を知らないと、株は罫線で動くものという錯覚にさえ陥りそうな感じである。
しかもこの罫線という代物は時系列に沿った値動きだけを売買の根拠とする。
それを皆が見て投資判断をするのだから、当然動きは一方向になろうし、相場は面白みがなくなる。
ワクワクドキドキを語るテクニカル分野の人間はすくない。
「気を付けましょう。注意しましょう。警戒しましょう」のオンパレード。
株の行方の見間違いの責任を取りたくないから分析は安全安心的。
リスクなど取れないないほどのネガコメントが満載される。
株価が上値を追うことは罪悪で下値に叩かれることが安心感みたいな雰囲気。
そんな分析ばかりを目にして誰が真剣に株式投資を考えるのだろうか。
滅多にないほどの上昇トレンドは「異常」という言葉で解釈される。
大化け株など彼らの視点からは生じる可能性は少ないだろう。
もちろんファンダメンタルズを極めたところで投資パフオーマンスが完璧になる訳ではない。
「テクニカルは集団心理を利用したもの。
過去の経験に基づいて将来こうなるだろうの予測の多数決によって決まる」。
あるいは「テクニカルはファンダをも飲み込む」など罫線至上主義はどんどんはびこってくる。
15年も経過すると、罫線そのものが既にかつての日蔭者の位置から日あたりの良い場所に潜むようになった。
これがいいのか悪いのかは不明。
しかし、誰もが同じ罫線を見て同じ判断をするようになったとき、株価は上値を抑えられる。
だから軽くは上がらないし、上がれば懐疑だけは増してくる。
この繰り返しが続くと、株式など投資の対象ではなくなってくるのかも知れない。
そうなったときに株式相場の逆襲上昇があってくれればよいのだが・・・。
それがいつかという時間軸が見えないところが哀しさでもある。
逆に、罫線至上主義に立つならば、野菜や魚の値段の未来が見えても良いような気がする。
価格のあるものすべての未来が罫線で推理できるならば信用もできようか。
他に材料がないから経済指標だけを相手にしてFXの「ハイ&ロー」的な存在になり下がるのもイヤだが・・・。
一つ一つ業容も売り上げも沿革も異なる銘柄が同じ罫線だけで分析されるのも哀しさの一つではある。
(櫻井)。
