「景気悪化と金利低下の綱引き」

 
「景気悪化と金利低下の綱引き」
 
 
週末のNY株式は続伸。
NYダウは木曜時点で25日線(25654ドル)を上回っていたからこその強い動きともいえる。
NYダウは5日続伸。
雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが7万5000人と市場予想の18万5000人を大幅に下回って着地。
前月の22万4000人増から大きく鈍化した。
これを受けて7月の利下げを含め年内3回の利下げ確率が織り込まれた。
6月の利下げ確率は前日の16.7%から22.5%に上昇。
7月も58.0%から69.1%に上昇。
年内に2─3回の利下げが実施されることを織り込んでいる。
政策金利が12月まで据え置かれる確率はわずか1.3%。
移民と関税問題を巡る米、メキシコ両国の交渉にも楽観的な拡大。
景気悪化の可能性よりも利下げ期待が勝ったという本末転倒の格好だ。
「貿易戦争の激化や労働コスト圧力の低下、すでに低水準にあるインフレを踏まえ利下げを実施する可能性はある」という見方。
10年国債利回りは2.08%台。
雇用統計発表直後に17年9月以来の低水準となる2.053%を付けた場面もあった。
週末にトランプ大統領は「米国はメキシコと合意文書に署名した。
よって10日に発動する予定だったメキシコに対する関税は無期限で停止された」とツイート。
メキシコが不法移民対策を強化することで合意。
米・メキシコの「関税戦争」はひとまず回避された格好。
 
 
週末の日経平均は寄り付き85円高、大引け110円高と反発。
日足は陽線で連続3本。
日中値幅は91.19円と金曜よりさらに縮小。
令和に入って最低(今年最低は3月7日の70.04円)。
東証1部の売買代金は1兆6359億円と低調だった。
(令和で最低は5月27日の1兆4714円)。
雇用統計控えと中国の休場の影響もあった。
値上がり1499銘柄、値下がり560銘柄。
新高値44銘柄、新安値21銘柄。
騰落レシオは80.39。
日経平均は週間で283円上昇と5週ぶりの反発。
週初には2月の安値を下回ったが令和に入って初の週間上昇となった。
週足は3週間ぶりに陽線。
NTレシオは13.63倍。
25日線(21146円)からは1.2%、200日線(21727円)からは3.9%のマイナスかい離。
サイコロは4勝8敗で33.3%。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲7.424%。
買い方▲13.465%。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲4.487%。
買い方▲21.374%。
空売り比率は43.5%で60日連続40%超。
空売り規制なし銘柄の比率は7.2%。
日経HVは12.1、日経VIは17.16。
日経平均採用銘柄のPERは11.78倍でEPSは1772円。
PBRは1.5倍。
シカゴ225先物終値は大証日中比115円高の21035円。
高値21055円、安値20810円。
26週線が21088円、13週線21434円、52週線21822円。
12ヶ月線(21744円)が24か月線(21748円)を下抜け大変が6ヶ月線(21184円)は上向き。
週足の一目均衡の雲の下限は22397円とまだ高い。
日足の雲の下限は21395円。
週足の勝手雲の下限は20823円は抜けて雲の中。
上限は21200円だ。
日足のボリンジャーのマイナス1σが20744円でサポート。
令和の初日しか上回っていない25日線復活(21146円)と読みたい。
3月メジャーSQ値21348円→4月SQ値21870円→5月SQ値21451円。
これを上回る推移に期待の週。
気学では「下放れ突っ込みは買い、逆なら見送るべし」。
火曜は「人気一新、変化を見せる重要日」。
アノマリー的には「株高の日」。
水曜は「押し目買い方針の日」。
木曜は「相場の居所が安値にある時は急伸する」。
金曜は「高日柄なれど飛びつき買い警戒、吹き値売り方針」。
 
リーマン・ショックの頃はいざ知らず・・・。
滅多に株価材料になることはないのがG20財務相・中央銀行総裁会議。
今回も福岡で開催されたが、株式市場的には通過しただけのことだった。
共同声明は「G20各国リスクに対処し続け、さらなる行動をとる用意がある」。
反保護主義に関する文案は見送り。
「巨大IT企業に対する新たな課税ルールについて、2020年の大枠合意を目指す作業計画」を承認。
これが目新しいくらいか。
「世界経済は多くの不確実性に苦しんでいる」を密かに再確認したというのが結果だろうか。
「貿易を巡る緊張が激化している」ではやや弱い表現だ。
今後の焦点は28、29日の大阪での20カ国・地域首脳会議(G20サミット)。
トランプ大統領と習近平国家主席がG20サミットに合わせて首脳会談を開く予定。
興味深いのは麻生太郎財務相のコメント。
「10月の消費税率引き上げを説明した際、参加国から異論はなかった」。
ムニューシン米財務長官との会談では、米側が求める為替条項協議についての問題提起はなかった。
過剰な法人貯蓄に関しては日本も該当する」。
ホスト国としては、あまり主張はできなかったという印象だ。
その間、安倍首相は土曜日にスリーハンドレッドで商品先物の豊商事の相談役とゴルフ。
「なんだかなあ」という印象。
 
 
米S&P500採用企業の2019年第1四半期利益見通し。
前年同期比1.6%増。
エネルギーセクターを除いた増益率は3.0%。
第1四半期決算を発表した495社のうち、利益がアナリスト予想を上回った企業の割合は75.6%。
長期平均は65%、過去4四半期平均は76%。
第1四半期の売上高は5.6%増加見通し。
エネルギーセクターを除けば、増収率は6.2%。
売上高がアナリスト予想を上回った企業の割合は56.9%。
長期平均の60%と過去4四半期平均の67%を下回った。
第2四半期の1株利益について、悪化もしくは市場見通しを下回ると予測している企業は76社。
改善もしくは市場見通しを上回ると予測した企業は21社。
悪化を改善で割ったネガティブ/ポジティブレシオ(76/21)は3.6。
S&P500企業の今後4四半期(19年第2─20年第1・四半期)の予想PERは16.6倍。
 
 
大和のレポートは「東証1部昇格予想」。
まずはその要件の確認
(1)株主数3市場共通して2200人以上。
(2)流通株式等流通株式数・流通株式時価総額・流通株式数(比率)に関しての複数項目を同時に満たす必要がある。
  (JASDAQに関しては流通株式時価総額の要件はなし)。
 
(3)売買高申請日の属する月の前の月以前3ヶ月間及びその前の3ヶ月間の月平均売買高が200単位以上。
   マザーズのB要件やJASDAQでは当該項目が含まれていない。
   実際の算出においては、株式分割等の単位変更によって過去遡及して修正。
 
(4)時価総額40億円以上(東証二部およびマザーズのA要件)
   250億円以上(マザーズのB要件およびJASDAQ)の2種類。
   算出においては、発行済株式時価総額をベースとしている。
 
(5)純資産の額3市場共通で連結純資産の額が10億円以上であり、かつ単体純資産の額が負ではないこと。
 
(6)利益の額又は時価総額3市場共通
   a. 最近2年間の利益の額の総額が5億円以上であること。
   b. 時価総額が500億円以上のいずれかを満たす必要がある。
 
(7)虚偽記載又は不適正意見等3市場に対して2種類の基準が設けられている。
 
(8)単元株式数3市場共通で100株であること。
 
以上を踏まえた東証一部昇格期待銘柄。
田辺工業(1928)、Sプール(2471)、やまみ(2820)、ハイパー(3054)、ハウスコム(3275)、タイセイ(3359)、フェイスNW(3499)、串カツ田中(3547)、ATAO(3550)、アセンテック(3565)、コラボス(3908)、Sワイヤー(3929)、セグエ(3958)、ニーズウェル(3992)、ロングライフ(4353)、アイピーエス(4390)、Mスター(4765)、リンクパル(6046)、ゲームウィズ(6552)、ミダック(6564)、ヴィスコ(6598)、MSOL(7033)、デイトナ(7228)、オリバー(7059)、神姫バ(9083)、一家DP(9266)、ファイバー(9450)、アシード(9959)。
 
NYダウは263ドル高の25983ドルと5日続伸。
高値は26072ドルまであった。
NASDAQは126ポイント高の7742ポイント。
S&P500は29ポイント高の2873ポイント。
ダウ輸送株指数は63ポイント高の10140ポイント。
SOX指数は1.15%上昇。
VIX指数は16.30。
3市場の売買高は64.8億株。
225先物CME円建ては大証日比115円高の21035円。
ドル建ては大証比115ポイント高の21035ポイント。
大証夜間取引終値は日中比130円高の21050円。
ドル円は108.18円。
10年国債利回りは2.084%。
 
 
◇━━━ カタリスト━━━◇
 
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