攻めると守りで攻防戦という。
それは株式市場でも同じこと。
ただ上値を攻めるには守りを固めつつ攻める必要がある。
一方、下値を攻めるには守りはあまり関係なく攻め一方で事足りる。
ココがハンディでもあろう。
営々と築いてきた株価は、サル知恵のような悪材料でいともたやすく籠絡されることが多い。
3ヶ月かけてジリ足で上昇してきた株価は、アット言う間に3日ほどで元に戻ることもある。
後から登場するのは小賢しい悪材料。
しかし、下値に戻れば誰も悪材料を喧伝しなくなるからややこしい。
もっともどんなゲームでも負けている方は守るものはなく必死に攻めるだけ。
いわゆる背水の陣である。
株安の時にその株価を守ろうとするのは稀有のケースでもあろうか。
主客の逆転も相場の醍醐味ではあるが、その時間軸が見にくいからややこしい。
もっとも・・・。
変な合従連衡がないだけスッキリはしている。
油断も四面楚歌も苦肉の策も小さな株式市場には存在しているから面白いでも言えよう。
「鶏は三歩歩けば忘れる」も同様だ。
「甲斐なき星が夜を明かす」はまさしく株のことに思えてくる。
あるメルマガに想定されている悪材料なるものがあった。
(1)米国VS世界の貿易戦争による「世界景気の縮小」懸念
(2)貿易赤字削減のためのドル安政策による「円高」懸念
(3)最近、なりを潜めている「テロの復活」懸念
(4)北朝鮮のスタンスに対するトランプ大統領の対応懸念
(5)英国VSロシアの紛争懸念
(6)日本の政局懸念
(7)米国中間選挙に向けてのトランプ大統領の焦りからの変な行動懸念
ゴルフに行くとしばしばグリーンの前に立ちはだかる樹木。
その高い木を避けて狙っているのにどういう訳か枝の先端にボールが向かうことが多いもの。
頭では「避ける」とわかっているのに、体は目標らしきものが手前にあると錯覚するのかも知れない。
株式市場も頭では理解していても、体は妙に錯覚することが多いもの。
この理解と錯覚が価格のアンバランスの原因の一つなのだろう。
オーガスタに45回も行ったアイゼンハワー元アメリカ大統領。
オーガスタの17番ホールのフェアウェイに立った巨木に何度もぶつけたという。
「あの松の木を切ってしまえ」と言ったとか言わなかったとか・・・。
結局、数年前に雪嵐でこの松の木は傷つき伐採されてしまった。
「株は松の木に向かっていくものではなく、永遠のカップを目指す」。
そんな格言はないが・・・。
そういえば、先日「ゴルフがトランプ」とある番組で言ってからゴルフのスコアが回復してきた。
「ゴルフがスランプ」のもじりだったが結構効くおまじないだったのだろうか。
ここ数回バーディが必ず訪れるようになった。
「株はトランプ」と唱えてみるのもいいかも知れない。
スケジュールを見てみると・・・
3日(木):憲法記念日で休場、米貿易収支、ISM非製造業景況感、製造業受注、ADB年次総会
4日(金):みどりの日で休場、米雇用統計
週末:こどもの日
7日(月):米消費者信用残高
8日(火):家計調査、中国貿易収支
9日(水):景気動向指数、日中韓3カ国首脳会談、米生産者物価、マレーシア総選挙
10日(木):国際収支、景気ウォッチャー調査、都心オフィス空室率、中国李克強首相北海道訪問、米消費者物価、財政収支、英国金融政策、中国生産者・消費者物価
11日(金):マネーストック、オプションSQ、米輸出入物価、ミシガン大学消費者信頼感
過去10年の大型連休明け後の日経平均
日経平均 騰落幅(率)
17年5月8日 1万9895円70銭 450円 (2.31%)
16年5月6日 1万6106円72銭 ▲40円66銭(▲0.25%)
15年5月7日 1万9291円99銭 ▲239円64銭(▲1.22%)
14年5月7日 1万4033円45銭 ▲424円6銭(▲2.93%)
13年5月7日 1万4180円24銭 486円20銭 (3.55%)
12年5月7日 9119円14銭 ▲261円11銭(▲2.78%)
11年5月6日 9859円20銭 ▲145円 (▲1.44%)
10年5月6日 1万 695円69銭 ▲361円71銭(▲3.27%)
09年5月7日 9385円70銭 408円33銭 (4.54%)
08年5月7日 1万4102円48銭 53円22銭 (0.37%)
(櫻井)。
