「捲土重来」

NY株式市場で主要3指数は反発。
5月のFOMC議事要旨。
「インフレ上昇が必ずしも米利上げぺースの加速につながらない」とされたことを好感。
朝方は米中通商協議や北朝鮮との会談延期の可能性を嫌気して売り物優勢の展開。
FOMC議事要旨が相場に活を入れ印象だ。
「インフレ率が2%をやや上回っても必ずしも利上げの加速を意味しないと分かった。
市場では恐らくやや安心感が広がったのだろう」という見方だ。
マークイットが公表した5月の製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は56.6。
2014年9月以来の高水準。
4月の56.5から上昇した。
ISM製造業景気指数に換算した数値は56.2と4月の55.7から上昇。
6カ月連続で改善し14年9月以来の高水準だ。
10年国債利回りは3.0%を挟んだ水準。
トルコリラの急落は東京の一部で相場の悪材料視されたが中央銀行の緊急利上げで上昇に転じた。
ドル円は110円台前半での推移。
 
「買ってもダメなら売ってみな」の格言もあるが日経平均は前場急落。
後場は動かずの展開。
「2013年の5月23日に急落した連想もあったような」という声もあった。
5日線(22884円)を明確に割り込んだ。
25日線(22480円)、26週線(22390円)、
13週線(21940円)、75日線(21932円)。
下値サポートはまだ下の方だ。
「上げれば強気、下げれば弱気」というトレンドに沿ったコメントは横行する。
「ちょっと売ってみたら追随してくる向きが多かった。
でもその先を売り叩く向きはいなかった」というところだろうか。
5月SQ値22621円が分水嶺。
そして5月陽線基準値22508円は必守という見方だ。
結局水曜は5連敗、今年4勝14敗と水曜の敗色は濃い。
25日線からのかい離はプラス0.9%。
200日線からはプラス4.5%(前日はプラス5.8%)。
騰落レシオは119.06%。
5月18日現在のQuick調査の信用評価損率はマイナス8.15%と改善。
5月18日現在の裁定買い残は2070億円増の2兆6895億円(6週連続増)。
裁定売り残は107億円減の6511億円。
空売り比率は41.8%と2日連続40%超。
日経VIは16.18まで上昇した。
日経平均採用銘柄のEPSは1653円でPERは13.72倍。
シカゴ225先物終値は大証日中比100円安の22620円。
ドル円の110円台前半が効いての軟調だ。
今年13勝6敗の木曜。
3月20日以降3連敗はないというのがアノマリー。
ボリンジャーのプラス1σ水準22807円と25日線22480円のレンジでの推移なのだろう。
気学では「押し込みと跳ね返す日。突っ込み買いで駆け引きせよ」。
昨日逆行高していた証券市場の代表者JPX(8697)。
大きな陽線となって年初高値を更新。
15年8月高値2163円を抜けると風景は変わろう。
株高の伏線の象徴のような格好だ。
 
首相動向で気になるのは夜の銀座吉兆。
旭化成の会長と経団連名誉会長2名と会食。
18時28分から21時頃まで約2時間以上というのは結構長い時間だ。
経団連の次期会長の話だったのだろうか。
15時34分に自民党サイバーセキュリティ対策推進議員連盟の遠藤会長。
「提言書」の提出があった。
2020年東京五輪・パラリンピックに向けサイバーセキュリティ対策の司令塔となる組織を設置を要望。
安倍首相は「東京五輪を控える日本にとって、サイバー対策は喫緊の課題だ」と応じた。
相変わらずサイバーセキュリティは国家的課題ということは浮き彫りになる。
 
一方で海外のヘッジファンドなどの日本進出が相次いでいるという報道。
香港のヘッジファンド、英国のフィンテック企業などが拠点を設けたという。
背景は「埋もれている日本の有望企業を発掘する好機」。
あるいは「個人金融資産だけで1800兆円」。
「政策面の追い風」など。
海外主要都市の相談窓口や日本進出時の費用の一部負担など手厚い。
世界に先駆けて法整備と行った「仮想通貨先進国」でもある。
税率面や情報面で負けた香港やシンガポールに対する巻き返しでの捲土重来。
国際金融都市東京なんて言葉は廃語になっていたが当に復活するのかも知れない。
 
NYダウは52ドル高の24886ドル。
一時150ドル超下落した場面もあった。
NASDAQは47ポイント高の7425ポイント。
3指数揃って反発した。
S&P500は8ポイント高の2733ポイント。
ダウ輸送株指数は14ポイント安の10727ポイント。
3市場の売買高は64億株。
CME円建ては大証比100円安の22620円。
ドル建ては大証比100ポイント安の22620ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比100円安の22620円。
ドル円は110.07円。
10年国債利回りは2.993%。
 
 
◇━━━ カタリスト━━━◇
 
トレードワークス(3997)・・・動兆。
 
トレードワークスに注目する。
同社は金融関連会社のシステム開発・保守・運用などが中核。
証券、FX、CX業界が顧客。
システムを最高の技術で提供するITソリューションプロバイダだ。
インサイダー取引等不正取引の監視も行っている。
仮想通貨のシステム等も将来的視野に入ろうか。
進化するハッカー対策求める企業が増加しセキュリティ関連が拡大基調。
業績は好調で5月7日にストップ高。
その後の調整のリバウンド期待。
 
 

(兜町カタリスト櫻井)

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