「押し目」

「押し目」
 
NY株式市場は大幅安。
NYダウは6日ぶりに反落。
S&PとNASDAWQは6月25日以来の大幅な下落となった。
背景は「堅調な経済指標を受けてインフレ加速への懸念が拡大。
国債利回りが急伸し株売りにつながった」との解釈だ。
金融セクターは上昇したがアップルやアマゾンなど「FANG」銘柄は大幅安。
両社のコンピューターシステムに中国の情報機関が悪意あるチップを組み込んだという報道も影響した格好だ。
もっとも両社は報道を否定している。
堅調な経済指標を求めるのが市場だが、別のファクターが水を差したという格好。
週間の新規失業保険申請件数が減少し49年ぶりの低水準。
製造業新規受注も前月比2.3%増と11カ月ぶりの大幅な伸びで着地。
10年国債利回りは一時2.232%まで7年ぶりの水準まで上昇(価格は下落)。
2016年11月の米大統領選挙の日以来の大きさとなった。
今夜の雇用統計で時間当たりの平均賃金に注目が集まっている。
「時間当たり平均賃金が予想外の結果になった場合は国債の売りが一部反転する可能性がある」という見方もある。
金利上昇の裏側でドルは対ユーロ、対円で下落。
ドル円は113円台後板で推移。
 
NYダウは史上最高値を更新したが日経平均は3ケタの下落となった木曜。
「円安加速を好感できず続落。
東証1部の値上がり銘柄は大引けにかけて逆に増加。
いびつな動きだった」という見方だ。
「水は高きから低きに流れ、弱いところを衝いて堤を決壊させる。
中国・上海市場が休暇中なのが不幸中の幸い」という声もある。
日経VIは18.49と8月中旬以来の水準まで上昇した。
NT倍率は13.31倍。
25日線からは3.0%、200日線からは6.6%のプラスかい離。
騰落レシオは111.68%。
サイコロも9勝3敗の75%まで低下。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲10.995%。買い方▲8.089%。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲8.32%(前日▲6.92%)。
買い方▲15.45%(前日▲14.72%)。
空売り比率は42.7%で4日連続40%超。
日経平均採用銘柄のPERは13.78倍でEPSは1739円。
225先物大証夜間取引終値は日中比170円安の23750円。
日足は陰線3本。
せめて4日ぶりの日足陽線に期待したい。
今夜は米雇用統計、そして明日から3連休。
「3連休が多すぎる日本の秋」の面目躍如だ。
気学では「強象日、押し目買い」となっている。
「押し目」という意識が市場に登場することが望まれよう。
3連休明けの火曜は「相場のポイントを作る重要日」。
 
「65歳以上雇用に法改正」という日経1面の見出し。
トヨタとソフトバンクの提携の横にあるので見逃してしまいそうな記事だ。
65歳はどうでもよいが、実は今日開催予定の「未来投資会議」の中身。
来年夏までに今後3年間の工程表を含む実行計画をまとめるという。
ポイントはやはり「第4次産業革命」。
AIとITが主役だ。
ポイントは日本経済の強化という点を見逃してはいけない。
労働生産性は持続的成長のために必要。
そしてAIもロボットも労働生産性の向上に必要なのである。
フィンテック分野のスマホでの送金が労働生産性かどうかは微妙だが・・・。
この成長戦略の中身はいずれ相場の材料になってくる。
休み明けの首相官邸のホームページに注目だ。
 
因みに・・・。
麻生太郎財務相は昨日IMFのラガルド専務理事と財務省で会談。
来年10月に予定されている消費税増税などについて話した。
ラガルド氏は「10%への引き上げは重要だが、消費や経済を冷え込ませないように」と求めたという。
麻生財務相も「経済への影響は配慮しており影響は少ない」と応じたという話だ。
ここをキチンとしないと来年の秋には株価下落が待っているような気がする。
 
 
スケジュールを見てみると・・・
 
5日(金):家計調査、景気動向指数、米雇用統計、貿易収支、消費者信用残高
週末:ブラジル選挙
8日(月):体育の日で休場、IMF・世銀年次総会(インドネシア)、カナダ休場
9日(火):国際収支、景気ウォッチャー調査、韓国休場
10日(水):機械受注、米生産者物価、北朝鮮労働党創建記念日、台湾休場
11日(木):企業物価指数、都心オフィス空室率、豊洲市場開場、米消費者物価、財政収支、G20財務相・中央銀行総裁会議(インドネシア)
12日(金):マネーストック、第3次産業活動指数、米輸出入物価、ミシガン大学消費者信頼感、中国貿易収支
 
 
NYダウは200ドル安の26627ドルと6日ぶりの反落。
一時300ドル以上下落した場面もあった。
NASDAQは145ポイント安の7979ポイントと反落。
S&P500は23ポイント安の2901ポイントと反落。
ダウ輸送株指数は46ポイント安の11296ポイント。
SOX指数は1.84%下落。
CME円建ては大証比165円安の23755円。
ドル建ては大証比130ポイント安の23790ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比170円安の23750円。
ドル円は113.90円。
10年国債利回りは3.187%。
 
◇━━━ カタリスト━━━◇
 
コムチュア(3844)・・・動兆
 
コムチュアに注目する。
同社は独立系SIでグループウェア大手。
RPA(業務自動化)が拡大基調。
クラウド・AI開発も本格化。
企業のウィンドウズ10移行支援も拡大基調。
フォーブス アジア「Best Under A Billion」に選出。
評価対象は売上高が500万ドルから10億ドルで堅実な収益性を維持し上場後1年以上経過している企業。
今回の評価対象は2万4000社。
同社の「過去5年間のRPEの高さ」と「過去12ヶ月間且つ3年間の売上高と利益の伸び率」が評価されて選出。
 

(兜町カタリスト櫻井)

 

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