「打って返し」
IT企業の変遷を見ていて改めて変化への対応ということを考えさせられた。
バブルの頃はメインフレーム時代。
それがバブル崩壊以降はクライアント・サーバーに時代。
ITバブルが崩壊すると今度はWebコンピューティング。
さらにリーマンショック以降はクラウド・コンピューティング。
今はデジタル・トランスフォーメーション。
ダーウィンの法則のように逆行に順応するような格好で成長してきている。
逆に考えると、何らかの景気下降局面を迎えると、新たな展開をしてきたのが歴史だ。
あるいは・・・。
インターネット以前はパソコンを操れる者は神様みたいだった。
ITバブルが崩壊したらインターネットを操れるものがヒーローだった。
HPを作成できることがものすごいことのように思われていた。
あれをネットバブルと呼んだのは正しかったのかも知れない。
直近はスマホ。
モバイルという言葉で代表されるが、パソコンではなくスマホが主流。
しかしこれも間もなくAI・ロボットに主役の座を譲ろうとしている。
起きているのはどの時代でも技術の大衆化。
あるいは普遍化、一般化。
ヒーローがただの人になる時がくるという訳だ。
新たな主役はその存在の大きさを加速する。
どのツールにおいてもだ。
今はAIが操れる人は神様みたいなもの。
それによってあらゆる産業が再定義化された先の主役を市場は待っている。
しかも・・・。
興味深いことに技術と主役の変化は景気の悪化とともに起きている。
これは邪魔者を淘汰するという歴史の流れなのかも知れない。
ぶら下がった陳腐な技術は不景気で淘汰され、その先にそれ以上に拡大した明るい未来がある。
これは過去40年近い歴史の中で証明されてきた。
だったら、テキトーな景気成長ではなく、淘汰のための景気後退も必要かも知れない。
そう考え得ると、マーケットから不安は消えてこようか。
相場はある意味で「打って返し」の世界でもある。
「元祖AI、本舗AI」というAI特化型の企業HEROZ(4382)の林社長のコメント。
「AI革命を起こし、未来を作っていく」だった。
現時点でAIは人に追いつこうとしている。
しかし、AIはいずれ人を超え、当たり前のものになる。
その時、人は思考をAIに委ね肉体をロボットに代替する
そして日本サードパーティ(2488)の森社長。
「AI=デジタル新入社員が立ち上がれば、人の労務は削減されます。
デジタル新入社員を育成する側の仕事や、特別なお客様への対応に従事したりできより品質の高いサポートが実現します。
また、働き方が変わり、一日8時間の労働時間から短縮する働き方に変えることが可能になります。
AIの技術により、効率的な働き方が進み、1日8時間会社で仕事をするスタイルが激変します。
より効率的に働いた方が対価報酬を得ることになるのです。
まさに働き方改革。
現在は第4次産業革命と言われています。
IT技術の革新により、世の中が大きく変わりつつあることを実感されている方は多いでしょう」。
車が空を飛び、ロボットは労働を代替する。
ややこしい推理はAIが担ってくれるし、データの活用も万全だ。
それは未来社会。
つまり「楽に楽しく」の実現のための企業努力や研究開発が行われているということ。
明るい未来のために、資本面で応援している株式市場は案外悪くないという思考法になる。
FXやコモデティではこんな未来は描けないだろう。
木曜は今年3連敗。
昨年12月28日の750円高以来プラスがない曜日。
「株は安いぞ、木曜日」というのが今年のフレーズだろうか。
(櫻井)
