「情緒より数字」

 
「情緒より数字」
 
ややボラは高かったものの主要3指数は大幅反発。
S&P500が前日に割り込んだ200日移動平均を上回ったことを好材料視したとの解釈だ。
貿易摩擦でもハイテク懸念でもなく紙芝居を最大の材料視。
ここにNY株式の解釈の欺瞞性がありそうだ。
もっともS&P500の終値は200日移動平均の2590.76。
2月9日安値の2532.69付近の水準。
明確な上放れは必要だろう。
市場からは「これから始まる第1・四半期決算発表が起爆剤」との声が聞こえる。
S&P500採用企業の2018年第1四半期決算は18.4%の増益見通しだ。
「大統領のアマゾン批判にもかかわらず、ホワイトハウスは同社に対する措置を何ら講じていないもよう」。
この解釈でアマゾンは反発。
年内の追加資金調達が必要ないことや量産タイプの新型セダン「モデル3」の生産好調の発表が好感されテスラは大幅高。
結局「情緒より数字」が主役になってきた印象だ。
10年国債利回りは2.78%まで上昇(価格は下落)。
週末の雇用統計に関心が集まっているが非農業部門雇用者数は18万人増程度の見通し。
ドル円は4日振に反発し106円台半ばで推移。
 
 
火曜の日経平均はNY株の急落を受けた割には下げ渋り。
前日比332円安の安値21056円から200円以上戻して終値は21292円と日足陽線。
終値は5日線(21265円)を上回っており25日線(21457円)が視野に入る。
「苦労して福」となった印象だ。
前場のTOPIXが0.52%の下落だったから日銀はETFを買っていた。
「行き過ぎもまた相場」のような展開だったといえよう。
25日線からの乖離はマイナス0.8%。
200日線からの乖離はマイナス0.2%。
騰落レシオは87.20%まで低下した。
サイコロは5勝7敗で41.7%。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲12.715%。
買い方▲9.030%。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲14.83%。
買い方▲10.84%。
空売り比率は45.4%で11日連続の40%越え。
3月30日時点の信用買残は1189億円減の3兆5569億円。
信用売残は2053億円減の7348億円と1年半ぶりの低水準。
「権利取りのクロス取引の解消」の影響との解釈だ。
「積み上がってきた信用売残を解消する動きもあった」と表現されている。
要は先週は踏み上げの影響もあって日経平均は836円上昇したということだ。
日経平均採用銘柄のEPSは1692円でPERは12.58倍。
シカゴ225先物終値は日中比170円高の21490円。
期末権利落ち前(3月27日21317円)を上回り3月メジャーSQ値21575円も復活感。
月曜に跳ね返された勝手雲の下限21569円を奪還すればその先は勝手雲の上限の21719円だ。
「株、短期で2万円割れも」なんて見出しが踊れば、そのコメントへの逆張りもまた可なりと考えたい局面。
ユーチューブ本社の銃撃事件の影響は限定的だろう。
 
裁定買い残と売り残が逆転したのは2016年9月。
買い残3385億円、売り残4822億円。
水準は低いものの間違いなく逆転。
裁定取引に先高感がないか金利がないからこうなった。
しかし16年11月の1日だけのトランプ暴落を経て株価は上昇した。
現在1兆円あまりの裁定売り残は、1兆円あまりの裁定解消があったのと同じこと。
この巻き返しにはむしろ期待できようか。
昨日の下げ渋りの最大の材料は個人的には3月のマネタリーベースの増加と考える。
寄り前に発表されたときから大きくは下げないと体で感じていた。
金額にして11兆8247億円増の487兆44億円。
3月の平均残高は前年同月比9.1%増の475兆9328億円。
「増加は3ヶ月ぶり、伸び率は7ヶ月連続で減少」。
1月と2月はこれが増えなかったからの株安と決め撃ちすれば警戒感は薄らごうか。
因みに2006年に100兆円割れまで減少したことはリーマンショックの影響大の遠因でもあったと考えている。
 
 
「相場は百代(はくたい)の過客にして行き交う株価もまた旅人なり。
片雲の風に誘われ漂白。
日々旅にして旅を栖(すみか)とす」。
 
 
鉄鋼製品にアルミに対してワインにナッツに柑橘類。
それにまた対抗して化学薬品やLED(発光ダイオード)、オートバイ、歯科用品など1300品目。
この流れの先を読むには「三国志」や「水滸伝」が必要になるのかも知れない。
一方では「赤い盾」だろうか。
 
NYダウは389ドル高の24033ドルと反発。
NASDAQは71ポイント高の6941ポイント。
S&P500は32ポイント高の2614ポイント。
ダウ輸送株指数203ポイント高の10394ポイント。
3市場の売買高は71.4億株で前日の77.1億株よりも減少。
月曜の雪の影響はほとんどなかったことになる。
CME円建ては大証比170円高の21490円。
ドル建ては大証比205ポイント高の21515ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比170円高の21490円。
ドル円は106.63円。
10年国債利回りは2.784%。
 
 
◇━━━ カタリスト ━━━◇
 
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(兜町カタリスト櫻井)

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