「市場も専門家もしばしば間違うもの」

 中間選挙を通過したNY株式は大幅高。
NYダウは500ドル超、NASDAQは200ポイント近く、S&P500は50ポイント超の上昇となった。
テクノロジーやヘルスケアセクターを中心に幅広い銘柄が上昇。
「中間選挙の結果を受け、ねじれ議会が株式市場を支援するとの見方からの安心買い」との解釈だ。
「ねじれ議会となることで、トランプ政権は追加減税など新たな法案の通過が難しくなるとみられる。
しかし投資家はすでに成立している減税策や規制緩和が巻き戻されることはないとみている」。
与党が下院で負けても「安心感」というところにワシントンとNYの奇妙さが表現されているのだろう。
S&P500採用銘柄ではアマゾンが7%近い上昇で一番上昇した。
トランプ大統領がアマゾンへの規制強化に向けた取り組みで支持を得るのが困難になるというのが背景だ。
公的医療保険であるメディケイドの拡充方向から医療保険セクターも上昇。
債券市場では長短利回り差が縮小。
翌日のFOMCに向けてのピジション調整もあったとの見方だ。
ドル円は113円台半ばでの推移。
VIX(恐怖)指数は16.36に低下。
SKEW指数は119.93。
 
 
株安の特異日かつ荒れるSQ週の水曜日。
米中間選挙に翻弄された格好で値幅も大きく乱高下という印象だった。
売買代金は3兆1154億円に拡大。
値上がり939銘柄、値下がり674銘柄。
新高値16銘柄、新安値36銘柄とちぐはぐな展開。
騰落レシオは上昇せずに74.99%。
ファーストリテイリングが3%超の上昇。
決算や自己株取得が好感されたNTTが上昇というのが目立った一日。
米共和が猛追するも民主優位の流れを変えられず、下院は8年ぶりで民主党が多数派。
4年ぶりの上下両院「ねじれ」復活となった米中間選挙に右往左往。
前場は400以上の上昇、大引け前は22000円割れ。
「もともとねじれはコンセンサス。63円安なら許容範囲の下落」という見方だ。
「11月は下げの特異日だった。鯨幕継続での日足陰線」。
後講釈はいくらでも可能だ。
NT倍率は13.33倍。
25日線からは1.5%、200日線からは1.4%のマイナスかい離。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲9.719%。買い方▲12.217%。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲0.18%。
10月24日以来10日ぶりにマイナスに転じた。
買い方▲20.18%。
Qucjk調査の11月2日現在の信用評価損率は▲10.44%(前週は▲16.07%)と2週ぶりの改善。
空売り比率は45.4%と27日連続の40%超。
裁定買い残は184億円増の1兆799億円。
5週ぶりの増加。
裁定売り残は1152億円増の5017億円。
4週連続増加。
裁定買い残は当限は減少、翌限は増加と不可解な動き。
日経HVは28.2、日経VIは24.82に低下。
日経平均採用銘柄のPERは12.46倍。
10月23日以降12日連続の13倍台割れ。
EPSは1772円54銭と過去最高を更新。
1800円が視野に入ってきた。
225先物終値は大証日中比440円高の22560円、高値は22565円。
昨日ヒゲで届いた25日線(22429円)、200日線(22388円)を上回ってきた。
25日線と75日線(22635円)はデットクロスせずに終わるかどうかは課題だ。
21日ぶりに25日線を抜ければボリンジャーのプラス1σは23249円。
勝手雲の下限は21777円、上限22710円を抜ければ23日ぶりに青空飛行となる。
10月SQ値22313円は下。
気学では「吹き値売り方針の日。初め高くても後場安し」。
反騰との付き合いを考えるべき日かも知れない。
もっとも杞憂に終われば良いだけのことだ。
昨日の「良く動く日にして前後場足取りが変わる」はピッタリだった。
明日は「「一方に偏して動く日。足取りについて駆け引きせよ」。
勝手雲が黒くねじれる19日まで強気で望みたいところだ。
 
昨日後場寄り前、実況に向かう前に何故か赤石を撫でるのを忘れた。
後場寄り数分前に気がついたが、後の祭り。
イヤーな予感が漂いながら実況シていたら、引け前にマイ転。
幸い「撫でで5連勝」の記録は消えなかったが、素通りしてしまったのは不思議だった。
「株価がそんなことで決まる訳ないだろう。大人げない」という声もある。
しかし市場関係者というのは、ささやかなアノマリーにすら頼りたいもの。
ここが理解できないと投資心理もたぶん理解できないのだろう。
市場は機械が席巻しているように見えるが底流は人の心理と欲望の集合体なのだ。
「選挙結果を巡る思惑や懸念だけで投資方針を変更するのは避けるべきだ。
投資家としては、当初の方針を堅持し、
長期的な投資計画に従った上で実際に新議会がどう動くのかを見定める方が大事だ」。
昨日言ったのは「他国の選挙の結果を海の向こうで解釈することの虚しさ。
自国市場での評価こそ本物」ということだった。
それにしてもトランプ氏は大統領になって919円も下がった日経平均。
今回は共和党善戦で上げ、ねじれで60円下げた日経平均。
2年という時間軸が相場観を変えたのだろう。
しかし、市場はしばしば間違うという歴史的格言は間違わなかった。
 
火曜の日経朝刊での国内投資家見通しは「日経平均11月末22410円」だった。
1ヶ月前よりも約1800円切り下がった。
切り下がったのは4ヶ月ぶりだという。
それにしても機関投資家ら市場関係者225人を対象にし140人が回答したアンケート結果。
2019年1月末が22888円。
6ヶ月後の4月末は23164円。
因みに1ヶ月前のアンケートで10月末予想は24245円。
要するに市場関係者の相場観というのはトレンド追随型の典型ということ。
「専門家はしばしば理路整然と間違う」という歴史的格言も間違わなかった。
 
全体の59.6%が通過した4~9月期決算。
4~9月期売上高は8.3%増、経常利益は14.2%増、純利益は12.5%増。
3月通期売上高は3.6%増、経常利益は8.2%増、純利益は1.5%増。
結局増収増益に変わりはない。
 
9月に書いていた原稿が日の目を見ることになった。
櫻井英明 (著)「60代から楽しくはじめる『株』1年生」。
12月7日明日香出版から発売予定とアマゾンに。
著者も知らないうちに登場していた。
因みに初校のげらが届いたのは昨夕。
数日は悩ましい日が続く。
本って不思議なもので、書いているときは「こんなものでいいのか?」。
出来上がってみると「結構いいじゃない」。
そして辛さが身に染みて「もう、絶対に本は書かない」という気持ちになる。
中学高校の頃に「自分の書いたものが1冊でもいいから活字にならないかな」と考えていたこともあった。
そんなことなど忘却の彼方となっている。
因みに内容は・・・。
「はじめて株をやるが、いろいろ覚えるのはもう面倒。
パソコンやスマホは使いこなすレベルにない。
そんな60代に向けて必要な情報に絞りつつ、ライフスタイルに合わせた株のはじめ方、儲け方を伝授します」。

 
NYダウは545ドル高の26180ドルと3日続伸。
NASDAQは194ポイント高の7570ポイントと続伸。
S&P500は58ポイント高の2813ポイントと3日続伸。
主要3指数揃ってほぼ高値引けとなった。
ダウ輸送株指数は240ポイント高の10714ポイント。
SOX指数は1.19%の上昇。
3市場の売買高は80億株。
CME円建ては大証比230円安の22000円。
ドル建ては大証比200ポイント安の22030ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比350円高の22470円。
ドル円は113.51円。
10年国債利回りは3.237%。
 
 
◇━━━ カタリスト━━━◇
 
RPA(6572)・・・動兆
 
RPAに注目する。
同社は事務作業などを代替するRPA提供や医療系求人のアドネットワーク事業が中核。
事務代行ソフトが幅広い業種で拡大。
アドネットワークは得意の医療系に加え材やEC分野でも事業開始。
今2月期業績は上方修正。 
2000年の創業以来、一貫してゼロからイチを創る「新規事業創造」集団だ。
「人とデジタルレイバーが協調して働く新しい時代」のRPA分野におけるリーディングカンパニーだ。
 

(兜町カタリスト櫻井)

 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次