相場で重要なことの一つは定点観測。
意外と面倒くさいことだが、これなくしては、相場観はなかなか育成されない。
一見豪放磊落に見えるギャンブラーのような投資家だってこれは行っているに違いない。
かつての「仕手筋」だったきっとそうだったと思う。
小さなうねりから大きな動きの予兆を肌で感じることができる唯一の方法だろう。
日足の動き、時間帯、移動平均線、雲やボリンジャーなんかは機械的な観測。
そしてPERやPBR。
信用残や裁定残の動向。
日々の評価損率だって見ておくことだ。
見ることで肌が感じてくる。
「アレ?」という違和感こそが重要なのだ。
定点観測で追わない限り「アレ?」は来ない。
大げさな修辞で相場を表現したり、逆に「今日は何もない」と通過しては行けない。
大きな活字の見出しだけでなく、小さな活字の数字の羅列の中にこそ真実と未来はある。
多少の労苦を厭わずに、追いかけ続けること。
スポーツのプロだって日々道具に触れていないと第一線からは退かなければならないだろう。
ちょっとしたルーティンワークこそが大きな変化を見つける土台であることは間違いない。
そこに相場に対する敬虔さと謙虚さが加わればさらに良いのだろう。
昔の相場師というのは大半が敬虔で謙虚だったような気がする。
「かねて申し上げていたように」はまだ良いとして・・。
「私の言ったとおりに」とか「聞いてくれればよかったのに」。
そんな傍若無人な言葉は使っていなかった。
というか、沈黙寡黙こそ相場人の真骨頂でもあった。
「騒ぐ鳥は餌を見つけられない」なんて格言はないが、騒がず踊らす淡々と数字を追う姿勢。
これは難しいが必要なこと。
陰極まれば陽。
このリズムこそ体感しておきたいところだ。
地方の投資家さんからのメール。
「ストックボイス10周年記念のオンデマンド拝見しました。
櫻井さんは、市場関係者は結果しか言わないとコメント。
未来予想を立てることが大切であると言っていました。
天気予報も昨日や今日の結果より、週間天気予報。
夏休みの旅行があるならその時の予報が知りたいはず」
わずかな時間に散りばめたメッセージをキチンと咀嚼してくれた投資家さんがいてくれて良かった。
以下当面のアノマリー。
↓
ETFの決算での好受給は七夕あたりに天井打つ傾向。
7月はドル高になりやすい。
サマーラリーは幻想。
七夕天井天神底(7月25日頃)も最近は違ってきた。
4月上昇→8月下落、4月下落→8月上昇(4月と8月は逆相関)。
7月上昇→12月上昇、7月下落→10月下落(7月と12月は正相関)。
小暑の頃にTOPIXは高値をつけやすい。
イスラム暦10月上旬(6月下旬)は日米株とも共通して下落しやすい。
米国株はイスラム暦8月上旬(5月上旬)は上昇しやすい。
断食月であるラマダーン(イスラム暦9月)は日米株とも無関係。
(櫻井)。
