「奇貨居くべし」

NY株式市場でNYダウは続伸。
S&P500とNASDAQは続落となったマチマチ。
前日に引き続きマイクロンテクノロジーやファイスブック、ツイッターなどハイテクセクターが足を引っ張った。
トランプ大統領は2000億ドル相当の中国からの輸入品に25%の関税を上乗せする方針を示しており、中国側は報復する構え。
カナダのフリーランド外相はNAFTA再交渉について「これまでのところ建設的だ」とコメント。
このあたりの不透明さが株価漂流の原因だ。
ISM非製造業総合指数58.5と、前月から2.8ポイント上昇。
市場予想の56.8を上回った。
週間新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比1万件減の20.3万件と1969年12月以来、約49年ぶりの低水準。
4週移動平均は2750件減の20.95万件と1969年12月以来の低水準。
ADP全米雇用レポートで民間部門雇用者数の伸びは16.3万人増。
市場予想は19万人増だった。
週末発表予定の雇用統計は非農業部門雇用者数が19.1万人増の見通し。
7月の15.7万増から伸びが加速するとの見方だ。
失業率は0.1%ポイント低下の3.8%と5月に付けた18年ぶりの低水準へ再び改善する見込み。
10年国債利回りは2.8%台に低下(価格は上昇)。
ドル円は110円台半ばでの推移。
背景は「トランプ大統領が対日貿易問題を検討する可能性を明らかにした」との報道。
台風や地震に見舞われた国へのコメントとは思えないというのが心情となろうか。
米紙ウォールストリート・ジャーナルのフリードマン氏のコラムでの指摘。

トランプ大統領は主要貿易相手国に対する赤字削減に引き続き重点を置いている。
日本が次の標的になり得る。
大統領は依然として、米国の対日貿易の条件に不満を持っているようだ。
トランプ氏は日本の指導部と良好な関係にあることを説明した。
その後「もちろん、向こうがどれだけの金を払わなければならないかを私から伝えた途端、その関係は終わる」と述べた。
 
地震、台風、上海で22500円割れ。
「安値は早い時間につけたがその割には反発力が弱く地合いは悪い」という見方だ。
新高値は10銘柄。新安値は151銘柄と増加。
騰落レシオは83.31まで低下した。
サポートとなった200日線(22412円)が鍵。
ここを割り込むと16週線(22296円)や52週線(22218円)が控えている。
0.07%のマイナスかい離となった25日線(22513円)への復活が望まれよう。
もっとも日足陰線3本のあとの陽線は悪くはない。
東証1部の売買代金は2兆2328億円と2兆円台をキープしていることも悪くはない。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲10.264%(前日▲10.863%)。
買い方▲11.257%(前日▲10.192%)と逆転。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲5.91%(前日▲6.96%)。
買い方▲18.98%。
空売り比率は44.5%で29日連続40%越え。
日経VIは16.90まで上昇。
日経平均採用銘柄のPERは12.89倍。
8月13日の12.87倍以来の水準。
当時1698円だった225歳用銘柄のEPSは1744.60円と増加継続。
東証1部の株式益回りは6.92%。
日経平均採用銘柄の益回りは7.76%だ。
配当利回りは1.97%。
0.1%水準の10年国債とどちらが魅力的は一目瞭然だろうが見えないフリ。
シカゴ225先物終値は大証日中比75円安の22405円。
安値は22360円だった。
ドル円の110円台も懸念される。
年を通じて売り越し傾向の外国人投資は先週5週間ぶりの買い越し(483億円)。
200日線攻防戦の週末だが、来週火曜はイスラムのヒジュラ暦の新年。
ここ数年のターニングポイントとなった時期を迎えることになる。
ターンオーバーは劇的に訪れることが多いもの。
そして東京市場の場合は海の向こうからやってくることが多いのも事実だ。
 
安政年間は日本で多くの大地震が発生した。
安政江戸地震発生の前年である安政元年11月4日(1854年12月23日)。
安政東海地震が発生。
その約32時間後に安政南海地震が発生。
安政江戸地震と合わせて「安政三大地震」と呼ばれる。
直後に富士山が噴火したという話もある。
また、安政南海地震の2日後には豊予海峡地震も起きている。
この他にも安政年間には安政元年6月15日(1854年7月9日)に伊賀上野地震。
安政2年2月1日(1855年3月18日)に飛騨地震。
安政5年2月26日(1858年4月9日)に飛越地震が発生。
加えて1822年から始まったコレラの流行がピークとなったのは1860年前後。
ペリーが黒船で来航したのは1853年。
この真っ只中だった。
そしてハリスが来日したのが安政3年(1856年)。
地震とコレラの国へやって来たということになる。
だから日本は欧米列強の植民地にならなかったという説もあるが、意外と的外れではないかも知れない。
そこで、思い浮かぶのは「海外勢、日本株売り続く」の見出し。
2018年8月までの売り越し額は累計で3兆8868億円。
過去10年で最高のペースだ。
8月月間では4825億円の売り越し。
「3.8兆円は1987年以来31年ぶりの売り越し額」と指摘されている。
先物は1兆2555億円の買い越しだが現物売は極端だ。
これを「日本企業の成長の限界を嗅ぎ取った」と見るこ声は多い。
しかし主要企業の今年度の業績予測で経常増益率は上方修正された。
大手証券の今期予想経常利益増益率は概ね11%。
来期は9%レベルだ。
海外投資家にとっても「台風や地震など自然災害に見舞われる国は避けたい」。
海に沈みかけた空港やマチュピチュのような山肌の姿は写真で見ると恐ろしい。
海外投資家のそういうマインドは幕末と変わってはいないだろう。
だがそれを跳ね返して明治の富国強兵を経て日本は大きな国になったのも歴史の事実。
保有株比率3割、売買比率7割の投資家の撤退モードは逆に「奇貨居くべし」と考えたいものだ。
「事故は買い、事件は売り」という」格言もある。
 
NYダウは20ドル高の25995ドルと続伸。
NASDAQは72ポイント安の7922ポイントと3日続落。
S&P500は10ポイント安の2878ポイントと3日続落。
ダウ輸送株指数は19ポイント安の11367ポイント。
3市場の売買高は66.5億株と減少。
CME円建ては大証比75円安の22405円。
ドル建ては大証比70ポイント安の22410ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比80円安の22400円。
ドル円は110.74円。
10年国債利回りは2.878%と下落。
 
 
 
◇━━━ カタリスト━━━◇
 
丸和運輸機関(9090) ・・・動兆。
 
丸和運輸機関に注目する。
同社は小売業に特化した3PLで低温物流が中核。
「桃太郎便」ブランドで宅配も扱っている。 
ヤマトなどが縮小したアマゾン取引をラストワンマイルとして取り込み成長。
外部委託比率は7割。
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配達は在宅率高い夜間便拡充し配達効率向上
14年の上場から株価は10倍になったテンバガーの一角。

(兜町カタリスト櫻井)

 

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