「天赦日」

「天赦日」
 
NY株式市場は小幅高で続伸。
好感されたのは米国家経済会議(NEC)のカドロー委員長のコメント。
「12月1日に予定される米中首脳会談は中国との通商問題の解決に向けた機会になる」。
これを受けて「あらゆるセクターが値動きの荒い展開となった。主に関税の問題が市場に影を落としている」という見方だ。
いずれにしても通過しなければ結論の出ない問題を材料にするのは可変性が高いことだ。
10年国債利回りは3.05%水準。
為替市場ではFRBのクラリダ副議長の講演を材料視。
「引き続き緩やかな利上げを継続する必要がある」とのコメントは「これが一部の予想ほどハト派でない」との解釈からドル買いの展開となった。
「市場では28日のパウエルFRB議長の講演や29日のFOMC議事要旨に注目が集まる」との見方。
だが米中問題ほどのインパクトではなかろう。
ドル円は113円台後半での推移。
 
NY株高を受け日経平均は寄り付き115円高。
前引けにかけて上げ幅を縮小したがアジア市場の落ち着きを背景に後場は一段高。
一時2週間ぶりに22000円台を回復した場面もあった。
月曜に今月初の続伸となり火曜で3日続伸。
10月に戻り高値(24448円)をつけた9月28日~10月2日の3日続伸以来だ。
この2か月続伸はあっても3日続伸はなかった。
「天底で現れた3日続伸。
月曜までの日足は陽線が3本並んで赤三兵。
逆に10月2日以降、高値圏での陰線3本は三羽烏という天井シグナルだった。
上海株が4日続落しているのはちょっと不気味」という声が聞こえる。
「10月26日に20971円まで下落後11月にも下を試したが、安値は21243円まで。
10月安値は下回ることなく22000円台復活」という見方だ。
値上がり1509銘柄、値下がり526銘柄。
新高値25銘柄、新安値31銘柄。
騰落レシオは9.19%。
NT倍率は13.35倍。
25日線(21814円)からは0.6%のプラスかい離。
風景は変わり25日線がようやくサポートになってきた。
200日線(22290円)からは1.5%のマイナスかい離。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲9.465%。
買い方▲12.915%。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方△5.26%。買い方▲20.46%。
空売り比率は45.1%で40日連続の40%超。
11月22日現在の信用買い残は302億円減少の2兆9971億円。
信用売り残は100億円増の7531億円。
日経HVは19.4。日経VIは20.63。
日経平均採用銘柄のPERは12.33倍でEPSは1780円。
13週線(22566円)と26週線(22541円)のデッドクロスまであと25円。
これが避けれれば年末相場の可能性は高くなる。
昨日の勝手雲の上限は22011円、下限は21822円。
見事にこの範囲での推移だった。
今日の上限は21969円、下限は21822円。
10月9日以来の雲上抜けになる可能性は高い。
12月5日までは白くなっている。
シカゴ225先物終値は大証日中比95円高の22095円。
高値22200円、安値21820円。
ボリンジャーのプラス1σは22161円。
プラス2σは22499円とまだ上だ。
気学では「転機を司る注意日にして大騒ぎを見ることあり」。
11月権利配当落ちの水曜は「株高の日」。
暦の上では「天赦日(てんしゃにち)」。
「最上の吉日とされている」との声も聞こえる。
 
千葉の市場関係者さんが示唆してくれた「天赦日」。
「この日は、百神が天に昇り、天が万物の罪を赦(ゆる)す日。
最上の大吉日である。
そのため、天赦日にのみ『万(よろづ)よし』」。
調べてみたら今年は2月1日(日経平均387円高)、2月15日(同310円高)、
4月16日(同56円高)、9月13日(同216円高)。
そして今日だがすべてプラスだった。
ほ~という感じ。
因みに来年は1月27日(日)、2月10日(日)、
4月11日(木)、6月26日(水)、9月8日(日)、
11月7日(木)、23日(土)。
相場があるのは4月11日と6月26日と11月7日。
忘れないことが重要だ。
一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)というのもある。
「籾が稲穂のように万倍にも増える日。
何を始めるにも良いとされる日。
ただ借金などは苦労のタネが万倍になるので凶だという」。
他の暦と重なると効果が倍増するとも言われる。
因みに来年の6月26日は天赦日と一粒万倍日が重なっている。
 
興味深かったのは昨日の日経「春秋」。
「限られた空間に無限の可能性を持った『幕の内弁当』こそ日本文化の象徴。
この美学がかつて世界に誇れる自動車やカメラを生んだ」。
旅をすることが多かったので、矢立など小さな生活必需品を生んだという説もある。
そして「消費増税への政府の対応も、そういう伝統を踏まえたのかも知れぬ。
一つの政策で様々な味がする仕掛けを考えているそうだ」。
問いかけは「これっておいしいの?」
相当洒脱な文だった。
また「主役は未来投資会議」という解説も興味深かった。
財務省主導の「経済財政諮問会議」から主導権は経産省主導の「未来投資会議」へ。
キャッシュレスもバイオもフィンテックも経産省が手動しているのは事実。
財務相でも厚労省でもない。
 
「?」がついたのは今朝の日経の「日本取引所CEO処分へ」の記事。
JPXのトップが上場インフラファンドを取引して内規に違反したという。
ETFが良くてインフラファンドが駄目という仕組みも複雑だ。
しかし取引所のトップとしては襟をただし在任中にはいかなるものにも手を出さないのが常識。
長い間証券界にいたらそれくらいのことは理解できるし、事前に違法や危険を予知できるだろう。
もっとも、そういうコンプラ概念の薄い証券界出身者が散見されるのも事実ではある。
保有比率10位とか大株主10傑に乗るというのは言語同断。
証券マスコミ出身者に至ってはコンプラやリーガルなどほとんどないような気がする。
そもそも金商法を知らないのだから仕方がないのかも知れない。
大株主として名前が出ている銘柄を堂々と勧める評論家なんていうのも「?」だった。
もっとも、大昔に比べればこれでもまともになったのかも知れない。
一言で言えば「ありえな~い」だ。
 
NYダウは108ドル高の24748ドルと続伸。
NASDAQは0.85ポイント高の7082ポイント。
S&P500は8ポイント高の2682ポイント。
ダウ輸送株指数は29ポイント高の10505ポイント。
SOX指数は0.20%上昇。
3市場の売買高は67.9億株と低調。
CME円建ては大証比95円高の22095円。
ドル建ては大証比95ポイント安の22095ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比70円高の22070円。
ドル円は113.77円。
10年国債利回りは3.059%。
 
 
◇━━━ カタリスト━━━◇
 
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