「売買高低迷で反落」
週末のNY株式市場は反落。
大手銀行の決算でJPモルガンが低迷したことから金融株中心に売りが優勢の展開。
金曜の取引時間中はシリア攻撃への懸念が台頭していた。
米東部時間13日の金曜日の夜に英仏米はシリア攻撃を実施。
市場はこれを織り込んでいない。
3市場の売買高は57億株台に低下。
「不透明要素があまりに多く、投資家はロング(買い持ち)で週末に入ることを望んでいない」という声もあった。
もっともシリア攻撃は実施され不透明要素は通過。
ミサイル105発で化学施設3拠点を攻撃した。
ただトランプ大統領は「任務完了」とツイート。
マティス米国防長官は「昨年4月のシリア攻撃に比べて2倍の兵器を利用した。
アサド政権に化学兵器を再び使用させないための1度限りの攻撃だ」とコメントしている。
債券市場では5年債と30年債の利回り格差が縮小し、約10年ぶりの低水準となった。
米金利先高観から、短期債利回りが長期債を上回るペースで上昇していることが背景だ。
10年国債利回りは2.823%。
4月の米ミシガン大消費者信頼感指数(速報値)は97.8と前月から3.6ポイント低下。
2016年10月以来の大幅な下げとなった。
市場予想の100.5も下回り、1月以来の低水準だったがほとんど材料視されなかった印象。
ドル円は107円台。
「英仏米のシリア攻撃の解釈開始」
週末の日経平均は一応3ケタの上昇で3日ぶりの反発。
ただザラバ高値は21917円。
3月12日高値21971円が頭をまた抑えて伸び悩み。
4月SQ値21853円92銭を終値ベースで上回れず1敗。
値上がり銘柄数1368、値下がり638銘柄は妥当。
しかし新高値は19銘柄。
新安値44銘柄は奇異感だった。
週間では211円の上昇で週足は3週連続の陽線。
25日線(21485円)からは1.4%のプラスかい離。
200日線(21409円)からは1.7%のプラスかい離。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲12.137%。
買い方▲8.864%。
空売り比率は38.6%まで低下した。
日経VIも18.46と安定的。
日経平均採用銘柄のEPSは1701.46円でPERは12.80倍だ。
シカゴ225先物終値は大証日中比45円安の21765円。
ただ現地13日の金曜夜に行われたのが米英仏のシリア攻撃。
市場が初めて織り込むのは東京となる。
米国単独ではなかったことや1回だけの限定的攻撃という解釈が多いことから影響薄と見る向きは多い。
昨年4月にもトマホーク攻撃があったが市場インパクトは限定的だった。
朝方のオセアニアでのドル円も107円台での推移だ。
米先物市場での投機筋による主要通貨に対するドル売り持ち高は足元で約6年半ぶりの高水準。
「一段のドル売りがしにくく、円高も進みにくい」との観測もある。
3月26日(20347円)で底打ちした株価の右肩上がりトレンドは継続と見たいところ。
勝手雲の17日の白いねじれは17~18日の日米首脳会談に起因するのかも知れない。
気学では「人気に逆行して動く日」。
明日は「転換日、天底となる」となっている。
「朝方は売り先行」という安易な見通しが崩れることに期待したい。
ただ、NNNの世論調査での内閣支持率の30%割れは気にかかる。
政治あるいは役割は「安全の継続」と「富の再分配」だろう。
安全という意味では米国という傘を借りて風雨を凌いできたのが歴史。
富の再分配という意味では毀誉褒貶はあろうが、インフラ整備をはじめとして着々という感じだ。
不満の吐露と首狩りしか聞こえないが野党の役割も再分配の一部適正化にはつながってきたのかも知れない。
日経朝刊では「賃上げ2.41%、20年ぶりの高さ」の見出し。
3%には届かないが「給料が上がる」という状況は久々に到来している。
大学生の就職も氷河期などなかったかのような売り手市場だ。
文明の発展で、生活はますます便利になっていく状況。
天災地変を除けば安全は保たれている。
このうえ何を望むのかという質問の答えはどうなるのだろう。
おそらく長寿社会で生き延びることが可能な高齢化対応の充実。
あるいは少子化対策などになるのだろうか。
日経平均株価の過去最高値更新などというのも該当するのだろう。
欲望にはキリがない。
米財務省の半期為替報告書。
日本は引き続き「監視リスト」指定。
日本のほか中国、韓国、ドイツ、スイス、インドの5カ国が通貨政策の監視リストの対象。
ちなみにリストの判断基準は(1)対米貿易黒字、(2)経常黒字、(3)一方的な為替介入
3条件全てで一定の数値上回れば「為替操作国」に指定。
経済制裁の検討へ入ることになるという。
非常に身勝手なものにしか見えないが・・・。
NYダウは122ドル安の24360ドルと反落。
NASDAQは33ポイント安の7106ポイント。
S&P500は7ポイント安の2656ポイント。
ダウ輸送株指数は9ポイント高の10369ポイント。
3市場の売買高は57.8億株と減少。
CME円建ては大証比45円安の21765円。
ドル建ては大証比15ポイント安の21795ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比40円安の21770円。
ドル円は107.34円。
10年国債利回りは2.829%。
◇━━━ カタリスト ━━━◇
日本アクア(1429)・・・動兆。
日本アクアに注目する。
同社は硬質ウレタンフォームの住宅・建築物断熱材の施工販売が中核。
断熱材は木造戸建て向け、ビルなど建築物向けとも好調。
工務店、ビルダーへの透湿・防水シートなど関連資材販売に期待。
(兜町カタリスト櫻井)
