「効率」

「効率」

昨年末に登場していた「十二支の相場」。
「戌年を含む申年~亥年は、それぞれ戦後では一度ずつしか日経平均が年間で下落した事がない。
十二支別の平均パフォーマンスを累積すると、2020年(次の子年)まで上昇するイメージ)。
一方その先では、丑年(2021年)は酷い年が多い。
翌年となる寅年(次は2022年)の日経平均は過去一度しか上昇したことがない。
年足で見ると・・・。
戊(つちのえ、西暦末尾が8の年)は年足が陽線だと年初が安値、陰線だと年初が高値になることが多い。
寄り切り線、寄り付き坊主と言われる足。
前年の底入れから上昇中の年が多い。

この中の「寄り付き坊主」というのは妙に気にかかる。
大発会742円高。
その後高値はとったものの、現在時点で年足陰線。
あと2ヶ月あるが・・・。

11月アノマリーを見てみると・・・。
「転機になりやすい」。
12月のサンタクロースラリーに向けての前哨戦。
「ハロウィンに市場に戻って来い」の格言もある。
45日ルール(投信解約事前通告)の11月15日近辺は注意。
冬時間になるので、取引が1時間遅くなり、東京の朝の準備が忙しくなる。
ブラックフライデー(感謝祭翌日の金曜・今年は23日)。
翌月曜のサイバーマンデー(今年は26日)の売上は注目。

そろそろ2019年投資アノマリーと「平成三十一年、称元の年の相場予見」を作らなくてはならない時期。
NHK大河ドラマは第58作。
「いだてん ~東京オリムピック噺(ばなし)~」は宮藤官九郎脚本、主演は中村勘九郎、阿部サダヲ。
朝の連ドラは第100回で「なつぞら」。主演は広瀬すず。
その他のイベントでは・・・。
1月6日部分日食
1月21日皆既月食(日本からは見えない)
2月24日天皇陛下在位30周年記念式典。
3月16日埼玉県に「ムーミンバレーパーク」が開業。
3月29日英国がEU離脱予定
4月19日~帝劇で「レ・ミゼラブル」が再演。
GWは10連休。
5月5日~イスラムのラマダン(~6月3日)
6月28~29日G20首脳会議が大阪で開催。
7月3日皆既日食(日本からは見えない)
7月7日サッカー女子ワールドカップ決勝(フランス)
7月17日部分月食
7月参議院選挙
9月1日ヒジュラ暦の新年
9月13日中秋の名月
9月20日ラグビーワールドカップが日本で開催
10月消費増税
10月新天皇即位の礼
10月26日- オーストラリア、エアーズロックへの登頂を全面禁止
11月2日ラグビーワールドカップ決勝戦
11月11日~12日水星の太陽面通過(日本では見えず。次回2032年11月13日は日本から一部見える)
11月新国立競技場竣工
12月26日部分日食、インドなどでは金環食
小惑星リュウグウに着陸している小惑星探査機「はやぶさ2」の滞在終了、帰還は2020年

その他では・・・。
ヤマ発は欧州で四輪車事業開始
次世代高速通信規格「5G」の商用化
コンビニ納税スタート

「米中間選挙頃から翌年前半にかけての米国株は特に堅調相場が期待できる時期。
中間選挙の年の10月末から翌年4月末までの半年間のNYダウは1942年以降の全てのケースで上昇。
平均上昇率も約15%と大きい」というのもアノマリー。

以下、3年前に書いたこと。

「効率的市場仮説」という考え方がある。
簡単に言えば、「現時点での株式市場には利用可能なすべての新たな情報が直ちに織り込まれており、
超過リターン(投資家が取るリスクに見合うリターンを超すリターン)を得ることはできず、株価の予測は不可能である」
(野村証券用語解説集)という学説。
2013年のノーベル経済学賞はユージン・ファーマ氏、ロバート・シラー氏、ラース・ピーター・ハンセン氏に与えられた。
ただ、効率的市場仮説で有名なファーマ氏に対し、シラー氏は反効率的市場仮説派。
まったく反対のことを言っている2人の学者がノーベル賞を取れる唯一の分野とも揶揄された。

この説のミソは、「特定の手法によって儲かるような機会が放置されることはなく、価格変動の予測が困難である以上、
たとえ専門的な知識や技術を持つファンドマネージャーが銘柄を独自選別するアクティブ運用型のファンドであっても、
市場平均に勝つのは難しい」(野村証券用語解説集)。

だからこそ効率的市場仮説はインデックス投信やETF拡大のバックボーンになったと言える。
あるいはインデックス投資隆盛のお墨付きでもあったことになる。
ひねくれて考えると、「市場はあらゆる情報を織り込んでいる」のであれば、株価が右往左往することはなかろう。
もしも市場が本当に効率的であるならば、株価チャートは真上か真下を向いた直線でなければならないだろう。
あるいは…。
同じ銘柄・同じ指数に対して、売りも買いも存在するということは、市場は効率的でないことの証拠なのではなかろうか。
そういう罫線にお目にかからない以上、市場は完全に効率的ではないと言える。
不完全な効率的市場と言い換えた方がよいかもしれない。
ひねくれ説の2つ目も見つけた。
それは・・・。
効率的市場仮説が正しければ、すべての株価は適正で、割高、割安といったものが存在しない。
ならばいくら分析をしても無意味となる。
しかし、効率的市場仮説を市場参加者みんなが信じたらどうなるだろう。
市場参加者全員が株価の予測は意味がないと信じた結果、
全員が財務諸表の分析や新しいニュースの影響等を考えるのは時間の無駄だと考える。
そんな分析が必要だったら、とっくに市場がやっているはずだというのがその理由。
その結果、市場は新しい情報を織り込まなくなり、効率的ではなくなってしまう?

効率的市場仮説は、みんなが効率的市場仮説を信じないときにより正しくなる。
みんなが信じると、正しくなくなってしまうというパラドックス。
ノーベル経済学賞受賞の学説では儲からないという格言だけが正しそうな気がしてくる。

(櫻井)。

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