「元帥」

NY株式市場で主要指数はマチマチの動き。
トランプ政権は米中通商協議の再開に向けて中国側と接触。
これを受けてボーイングなどが上昇しNYダウとS&P500が小幅高。
NASDAQは小幅反落。
 大画面を搭載した「iPhone」の新機種を発表したアップルは下落。
現行機種と大きな違いがないとの見方からの売り物だ。
「短期的にアップル株に売りが出るという例年のiPhone発表当日の展開と同じ。
ただ、好調な年末商戦の販売が見込まれる中、状況は数週間、数カ月後には改善する」と同社CEOのコメント。
大手ハイテク・インターネット企業6社が26日に上院商業委員会で個人情報の保護について証言する予定。
これを受けてツイッター、アルファベットなどが下落。
背景は規制強化と見られ株価の重荷となった。
明るいのは百貨店のメーシーズ。
「年末商戦に8万人の臨時雇用を計画」と発表した。
ネット通販向け物流センターでは2万3500人を臨時雇用する見通しだ。
理由はネット通販事業強化。
第2四半期決算では2ケタ台の伸び率を記録している。
同社株は年初来44%の上昇だ。
PPIは前月比0.1%低下し、2017年2月以来初めてマイナスとなった。
市場予想は0.2%上昇だった。
エネルギーが値上がりする一方で、食品や幅広い貿易サービスが下落。
ただ市場への影響は限定的。
地区連銀経済報告(ベージュブック)。
「国際貿易問題を巡る懸念から一部国内企業が投資を縮小したり先送りした」となったが話題にもならず。
10年国債利回りは2.96%台に低下。
ドル円は111円台前半で推移。 

寄り付き38円高と安値142円安のはざまの終値60円安。
NY高と上海安の間で「荒れる水曜日」にしては平穏な終わり。
「底堅さの証拠と見ておくべきか。所詮はNYの半導体関連安を映した動き」という声も聞こえる。
日経平均下落寄与度は東エレ、TDK、信越化学、京セラ、太陽誘電、アドバンテスト。
6銘柄で寄与度合計80円安だった。
値上がり銘柄数548、値下がり銘柄数1496と全体の7割。
新高値38銘柄、新安値289銘柄。
おかげで騰落レシオは84.03まで低下した。
日経平均の下落率0.27%、TOPIXの下落率0.45%。
NT倍率は一時13.38と今年最大になった。
25日線(22488円)からは0.5%、200日線(22415円)からは0.8%のプラスかい離。
200日線は上向き復活。
25日線もまもなく上昇に変わる可能性が高い。
Quick調査の9月7日現在の信用評価損率はマイナス11.71%と3週ぶりの悪化。
9月7日時点の裁定買い残は1216億円減の1兆4432億円。
今週は更に減少するとすれば、あとは積み上げしかなかろう。
裁定売り残は283億円減の6483億円。
空売り比率は44.4%で40%超は33日連続。
日経平均採用銘柄のPERは12.99倍でまた13倍台割れ。
EPSは1740円だ。
シカゴ225先物終値は大証日中比25円高の22645円。
メジャーSQを翌日に控え、ロールももう終わっただろう。
業績を真摯に見つめることが求められるに違いない。
勝手雲の上限22698円を抜けば青天井だ。

人間というのは進歩しているようでその本質というのは変わらないのだろうか。
と思わされたのはスルガ銀行を巡る日経の特集。
利回りの偽装や年収の偽装。
偽装を認識しながら突っ走ったのはバブル時の銀行も一緒。
担保評価を上げて満額融資した構図となんら変わらない。
水曜の特集は「苛烈なパワハラ常態化、ノルマのため現場暴走」。
「数字未達ならビルから飛び降りろ」。
「できるまで帰ってくるな」。
「給料泥棒」。
「未達なら家族皆殺し」。
何十年か前の証券会社の風景ならいざしらず、今でもこんな光景があったということだ。
机の荷物をまとめて家にお繰り返したり、灰皿が店頭で飛んだりはしなかったのだろう。
昔はそれが現実だった。
「釣り堀に魚が10匹いないのに10匹取ってこいと言われる状況」。
そんな気になるのは理解できるが、今考えると本当に釣り堀に魚が10匹しかいないのだろうか。
釣り堀で考えず沼とか河とか海という思考法だとだいぶ変わるだろう。
しかしそれはキレイ事。
現実では釣り堀の世界でしかモノを考えられない状況だったというのが正しいのだろう。
営業担当役員が審査部の人事に介入したという記載もあった。
花咲舞や半沢直樹の世界ならドラマで済むが、これらを背景に潰れた都銀もあったのが歴史。
「〇〇マター」で審査などないも同然の世界だ。
そういえばある都銀には「元帥」と呼ばれて君臨した役員がいたことが脳裏を掠める。
銀行という本来優秀な人材集団が、一度イケイケドンドンに陥るととんでもないことがまかり通る。
銀行だけでなく、オリンパだって東芝だって似たようなものだったのだろう。
人は安易に流されやすく、権威と権力の正当化で愚行を実行するもの。
個々人は正しくても組織になると人は変身するものだ。
歴史と時間では解決できない問題であるような気がする。

NYダウは27ドル高の25998ドルと続伸。
NASDAQは18ポイント安の7954ポイントと3日ぶりの反落。
S&P500は1ポイント高の2888ポイントと3日続伸。
ダウ輸送株指数は22ポイント安の11512ポイント。
3市場の売買高は71億株と増加。
CME円建ては大証比25円高の22645円。
ドル建ては大証比30ポイント高の22650ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比60円高の22710円。
ドル円は111.25円。
10年国債利回りは2.96%と低下。

◇━━━ カタリスト━━━◇

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モバイルファクトリーに注目する。
同社はスマホ向けなどのソーシャルゲームや着メロの開発・配信が中核。
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(兜町カタリスト櫻井)

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