「余っているのに」

株主総会集中日の株高なんてアノマリーは昔日の面影。
そんなことで株価が動いていた頃が懐かしくもある。

企業はまだ懐にお金を貯めている状態。
2017年度の資金余剰は27兆6672億円。
前年度から10兆円あまり増加した。
「収益力は高まっているが設備投資家や賃上げには向かわず内部に溜めこむ傾向」。
まったく変化はしていない。
前年度の海外設備投資はわずか3.4兆円。
2010年度以来の低水準だ。
この結果。企業が保有する現預金は17年度末で261兆円と過去最高を更新。
法人企業統計でも3月末で426兆円。
お金は「お足」でもあるのだが、今は「お金は石」みたいなものだ。

一方で確定拠出年金の2017年度の平均運用利回りは3.25%。
プラスの運用成績は2016年度に次いで2年連続。
しかし日経平均の上昇率は13%。
割負け感は拭えない。
10%以上の運用成績を出した加入者は5%。
ただ全体の4割は「0~1%」の運用成績。
元本保証型のみの運用が多いことの裏返しとなる。
「クーポンレート1.5%の国債26兆円が償還」。
地銀など金融機関の運用も安全第一だったからこそ悪化していく現実。
目を背けては行けないだろう。

(櫻井)。

 

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