「伏線はAIIB?」

NY株式市場は続伸。
昨日東京引け後に「中国が500億ドルの追加対抗措置を発動」との報道がありNYダウ先物は急落。
一時500ドル以上の急落場面もあった。
大豆、自動車、化学製品、一部航空機、トウモロコシ製品など農産物を含む米製品106品目。
これに対し25%の追加関税。
瞬間慌てたという形だ。
ただ一夜明けてみれば「生還」という印象の大幅高。
米国家経済会議(NEC)のカドロー委員長。
「対中通商措置は貿易戦争ではなく交渉だ」というコメントが懸念を和らげた。
当然ながら関税措置がすぐには発動されないことも安心材料とされた。
「情緒から数字」といった形で第1四半期の決算に焦点が移行したからこその株高という解釈だ。
「株価を押し上げるのは企業決算。
貿易を巡る問題は余興に過ぎない。
待っているのは雇用統計などの実際の経済指標や企業業績。
現状はテクニカル要因だけで相場が動いている」という見方がある。
S&P500の200日線攻防戦がこれに該当しようか。
10年国債利回りは一時2.80%水準まで上昇(価格は低下)。
それでも株高なのだから金利と株価の曖昧な関係が浮き彫りになる。
ADP全米雇用レポートでは民間部門雇用者数が24.1万人増で市場予想の20.5万人増を上回った。
ISM非製造業総合指数は58.8で前月の59.5から低下。
市場予想の59.0も下回った。
焦点は週末の雇用統計だ。
非農業部門雇用者数は19.5万人増の予想だが「肩透かしに終わる可能性」も指摘されている。
ドル円は106円台後半で推移。
 
横目でNYをにらみながらという格好だった水曜の日経平均。
「上値の重さと下値の堅さの両方を意識した一日」という見方だ。
もっとも終値ベースでは今期初勝利となった。
東証1部の売買代金は2兆6471億円と前日から4001億円増加。
東証1部の値上がり銘柄数は1517(前日787)。
新高値は98銘柄(前日59)、新安値は50銘柄(前日85)だった。
25日線(21414円)からの乖離はマイナス0.4%。
200日線(21350円)からの乖離はマイナス0.1%。
あと少しで手が届くところでとどまっている。
3月30日現在のQuick調査の信用評価損率はマイナス8.78%と2週ぶりの改善。
同裁定買い残は前週比2163億円増の1兆5484億円。
3週ぶりに増加した。
裁定売り残は17億円増加し1兆962億円。
7週連続の増加で4週連続過去最高を更新した。
ウリカイの残高が逆転すれば底打ち感だったのだがというのは後講釈だ。
空売り比率は42.3%で12日連続40%超。
日経平均採用銘柄のEPSは1693円でPERは12.59倍。
シカゴ225先物は乱高下のあとに大証日中比210円高の21550円。
節目の21500円は上回った。
昨日21719円だった勝手雲の上限は今日21530円。
13日ぶりに青空に出ることに期待だ。
その先は21968円(3月13日高値)。
そして22562円(2月27日高値)が控えている。
2月2日のマド埋めは23122円だから相当先のことになる。
振り返って見れば「節分天井彼岸底」という古色蒼然とした格言が現実化した展開。
 
 
ふと米中貿易摩擦問題でふと浮かんだのが三国志。
調べていたら東洋経済オンラインに「三国志の英雄は実はダメ上司だった」という記事があった。
例えば蜀の劉備。
最も大きな過ちは義兄弟の関羽が呉の武将に殺されたために決行した呉への復讐戦。
無理な行軍を行ったため大敗。
自らも死んでしまう。
パワハラを放っておいて武将の張飛が部下たちによって殺されてしまったことで基調な戦力を失っていたのも
 
背景だという。
あるいは袁紹。
部下を「好き嫌い」で判断する性格。
自分の考えとは異なる意見を言う配下を無視。
お気に入りの参謀の甘言ばかりを採用した。
結果的に有能な部下が魏軍に寝返ってしまった。
呉の孫権。
息子たちの間で後継者争いが勃発。
優秀な配下を次々と処刑してしまう。
内紛で国が滅びる寸前まで追い込まれてしまった。
トランプ大統領がまず脳裏に浮かび、そして習近平主席。
さらには金正恩委員長までが浮かんできた。
古今東西、人の行動は変わらないようだ。
「米国の時代が終り、中国の時代への幕引き役としてはトランプ大統領ほど似合う大統領はいないかも」。
そんな興味深い声もあった。
 
とはいえ面白いのはアメリカ。
文明の衝突で描かれていたことが結構気にかかる。
例えば「1980年代の日本。
日本人はかってのサウジアラビア人と同じように新たに手にした経済力を自慢;
自分達の文化の優越と西洋の衰退を嘲笑しながら話題にした」。
これは当然琴線に触れたことだろう。 
今この対象は中国。
中国の経済成長が続けば日米同盟の結び直しという選択肢の可能性がある。
米国が90年代以降採用した施策は「国際通信・ハイテク・軍事・金融などの支配強化」だった。
「西洋米国の助けがなしには、目標達成も、利益擁護もままならない」 。
日本は90年台にしっぽを巻いたが、尾を巻かず隠した牙を少し出したのが中国。
最近はおとなしいがアジア決済銀行設立(AIIB)は結構な真田丸だった。
そう考えると少し見えてくる気がする。
AIIBにアメリカが加盟したときに日本はどうするのだろう。
そもそも・・・。
日本とアメリカは同盟国ではあるが全く違う国。
外食などを見ても、日本は規制がんじがらめで保健所や調理師を必要としている。
いわば「売り手責任」だ。
一方でアメリカは?というと、しいて言えば「買い手責任・自己責任」。
このアメリカン・スタンダードを導入したときから日本はさらにおかしくなったような気もする。
 
そもそも・・・。
トランプ大統領が訴えているのは「貿易赤字が米国の経済成長を抑制している」。
中国や日本などに為替や通商協定による対策を求めている。
アメリカの貿易収支は1970年代に赤字化。
今でも毎月500億ドル程度が赤字だ。
2017年の貿易統計(通関ベース)によると、モノの貿易赤字は7962億ドル(約86兆円)。
自動車や飲料などの輸入の拡大が原因となっている。
赤字の約半分の3752億ドルは対中国、次いでメキシコ、日本は3位で688億ドル。
一方、国際収支ベースでみたサービス収支は2440億ドルの大幅黒字。
モノとサービスを合わせた貿易収支は5660億ドルの赤字だ。
異常発生したイナゴのように旺盛な個人消費が米国の特徴。
GDPの約7割が個人消費だ。
これを踏まえて為替を考えると、輸出にはドル安円高が望ましいのだろう。
しかし輸入ではドル高円安が当然求められる。
為替のドル安円高は日本に対する恫喝懐柔には役立つのだろうが、実際は気にしているのかどうか。
怪しいところでもある。
 
昨日のPCI(3918)のプレス。

当社グループは、当社の出資先であり、代理店販売を手掛ける『最強そして究極のサイバーセキュリティ製品
 
「AppGuard?」』のメーカーである株式会社 Blue Planet-works(以下、BPw社)と共同で、「ServerGuard for Windows」の開発を開始することを合意いたしましたのでお知らせします。
 
 
NYダウは230ドル高の24624ドルと続伸。
NASDAQは100ポイント高の7042ポイント。
S&P500は30ポイント高の2644ポイント。
ダウ輸送株指数6ポイント安の10388ポイント。
3市場の売買高は70.4億株。
CME円建ては大証比210円高の21550円。
ドル建ては大証比260ポイント高の21600ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比190円高の21530円。
ドル円は106.77円。
10年国債利回りは2.808%。
 
 
◇━━━ カタリスト ━━━◇
 
LSキャピタル(3482)・・・動兆。
 
ロードスターキャピタルに注目する。
同社は都内のオフィスを取得、付加価値高めて売却するのが主力事業。
不動産・金融・ITで「不動産テック」だ。
クラウドファンディングも順調に拡大。
松井証券との業務提携に期待感。
オリックス銀行とも顧客紹介契約。 
独自商品組成なども課題。

(兜町カタリスト櫻井)

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