3連休明けのNY株式市場は小幅安。
「貿易を巡る懸念がくすぶった」との解釈だ。
ISM製造業景気指数は61.3と前月の58.1から上昇しての着地。
過去2番目の強さとなり2004年5月以来約14年ぶりの高水準となった。
市場では57.7への低下が予想されていたからポジティブサプライズだった。
しかし市場インパクトは限定的だった。
ナイキやフェイスブックの下落が響いたというところだろう。
ただアマゾンは上昇し過去最高値を更新。
アップルに次いで時価総額1兆ドルを達成した。
3市場の売買高は65.6億株と過去20日平均の61.1億株を越えてきた。
レーバーデーも終わり夏休みも終わり市場に人が戻ってきた証拠かも知れない。
高水準だったISM製造業景気指数を受けて10年国債利回りは一時2.902%と8月10日以来の水準まで上昇(価格は下落)。
9月FOMCでの利上げ確率は98%。
12月のFOMCでの利上げの確率は73%とISM指数発表前の71%から上昇した。
貿易摩擦問題の不透明感を反映して安全資産としてのドル需要は増加。
ドル円は111円台半ばでの推移。
日経平均は小幅に3日続落。
火曜の連騰は8週で止まった。
22600円と22700円の狭いレンジでの攻防戦。
「NY市場が休場で日本株もお休みといった日。
後場は台風上陸もあり閑散相場」という声が聞こえる。
TOPIX規模別指数では大型、中型がマイナス。
小型はプラス。
新興市場でもマザーズ指数とジャスダック平均はプラス。
「小型優位が明瞭」という見方もある。
上海株の6日ぶりの反発は全く材料視されなかった印象だ。
東証1部の値上がり銘柄数は838(前日410)。
値下がり銘柄数は1169(前日1630)。
新高値24銘柄(前日62銘柄)、新安値70銘柄(前日62銘柄)。
騰落レシオは86.30%と小幅に上昇した。
NT倍率は13.21倍。
25日線からは0.8%、200日線からは1.3%のプラスかい離。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲11.689%。買い方▲9.527%。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲7.08%。買い方▲16.03%。
信用買残は400億円減の2兆9328億円(ピークは3月23日の3兆6759億円)。
信用売残は87億円増の8466億円(ピークは昨年9月22日の1兆1077億円)。
信用倍率は3.46倍(ボトムは昨年9月15日の2.57倍。ピークは3月30日の4.84倍)。
空売り比率は45.5%と27日連続の40%超。
日経平均のPERは13.07倍。
EPSは1736.57円と順調に増加継続だ。
日経朝刊でも指摘されているが「東証1部の8月の1日あたりの売買高は平均12.9億株。
月間ベースで2004年11月以来14年ぶりの低水準」。
陰の極だったということになる。
日足陰線2本で鯨幕は閉幕。
シカゴ225先物終値は大証日中比60円安の22710円。
月次好調のユニクロと不祥事のTATERUとの攻防戦。
22732円を上回って推移できれば明日以降への期待感になろう。
ボリンジャーのプラス1σは22770円。
プラス2σは23031円だ。
気学では「転換注意日。後場の波動を注視せよ」だ。
日経朝刊の特集は「円安支え、業績拡大。4~9月期決算予想」。
日経集計で4~6月期決算予想は純利益は前年同期比11%増の14兆6000億円。
鉄鋼・化学は製品値上げが浸透。
建設機械では資源高を受けて鉱山機械が復調。
期初想定よりも円安で推移し輸出採算の悪化は避けられそう。
結論は製造業が全体を牽引する。
第1四半期通過時点での通期純利益見通しはマイナス2.1%だった。
それが上半期で11%増。
第1四半期の34.7%増がそのまま以降する可能性も否定はできない。
掲載されている場所が地味なので見落としそうな記事だが結構明るい。
いずれにしても過去最高水準であることは間違いない。
中間期決算の発表が待ち望まれる。
大和のレポートは「騰落レシオは上昇しやすい時期に」。
「25日騰落レシオをシミュレーションすると、先週末を境に上昇基調になりやすい・
経験的にはこうした場面では実際の値上がり銘柄数が増加しやすい。
そして結果的に日経平均も上昇しやすい。
トランプ大統領による不規則発言等は中間選挙の予備選の増減と概ね一致している。
その予備選は9月12日で終了する」。
NYダウは12ドル安の25952ドルと3日続落。
NASDAQは18ポイント安の8091ポイントと反落。
S&P500は4ポイント安の2896ポイントと反落。
ダウ輸送株指数は15ポイント高の11319ポイント。
3市場の売買高は65.6億株と増加。
CME円建ては大証比60円安の22710円。
ドル建ては大証比55ポイント安の22715ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比20円安の22840円。
ドル円は111.44円。
10年国債利回りは2.898%と上昇。
◇━━━ カタリスト━━━◇
ヤマシン(6240) ・・・動兆。
ヤマシンフィルタに注目する。
同社は建設機械の油圧フィルター世界シェア70%。
第1四半期の連結営業利益は前年同期比2%増と小幅な伸びにとどまった。
しかし通期見通しは変えていない。
この先数年の需要拡大を見越して中国と米国の工場は拡大。
濾過機能従来品比3倍のガラス繊維・ナノ素材併用型フィルターの応用範囲の拡大に期待感。
資源高を受けた鉱山機械需要の拡大は追い風。
(兜町カタリスト櫻井)
