「上げの特異日」
週末のNY株式市場は主要3指数が続伸。
米中両国は北京で行った通商協議で「進展が見られた。米政府は建設的だったとの見方。
「貿易摩擦の終わりがかなり近付いているとの見通し。
今四半期は非常に良い上昇率で締めくくった」とコメント。
週間ベースではNYダウは1.7%高、NASDAQは1.1%高、S&P500は1.2%高。
それぞれ2週ぶりの反発。
月間ベースではNYダウは0.0%%高、2カ月ぶり反発。
NASDAQは2.6%高、3カ月続伸(累計16.5%%上昇)。
S&P500は1.8%高、3カ月続伸(同13.1%上昇)。
1~3月期はNYダウが11.2%高と2013年以来の大幅上昇。
NASDAQは16.5%%高と2012年以来の大幅高。
S&P500は13.1%高。2009年第3四半期以来の大幅な上昇率となった。
NASDAQに新規上場した配車サービス大手リフトは公開価格比20%を超える初値。
終値は8.7%高だった。
個人消費の伸びは市場予想を下回り、所得も緩慢な伸び。
しかし米長短金利の逆転(逆イールド)は解消。
「期末を迎え株式に一定の買いが入る中、国債への買いは後退した」との見方だ。
年内の利下げ確率は67%。
10年国債利回りは2.4%台。
英議会はEU離脱協定案の主要部分を巡る採決を行い、賛成286票、反対344票の反対多数で否決。
結果を受け、欧州委員会は4月12日に合意なき離脱に突入する公算が大きくなったと見方。
米国債価格はやや下げ渋り。
ドル円は110円台後半。
原油先物の第1四半期の上昇率は約30%。
2009年第2四半期(約40%上昇)以来の大きさとなった。
週末の日経平均は寄り付き195円高、大引け172円高。
反発ながら日足は陰線。
月間上昇を達成できなかった(179円安)上に26週線(21358円)も下回った。
「週間で421円下げたことが響いた」との見方だ。
「3月は全体としては上昇一服。
その中で月間の動きが良かった銘柄は4月に入ってもその勢いが続く可能性が高い」という楽観論もある。
日経平均の週足は3週ぶりに陰線。
週間ベースでは日経平均株価は1.95%安、TOPIXは1.58%安。
ともに3週ぶりの下落。
東証マザーズ指数は1.69%高、3週連続上昇(累計6.2%上昇)。
日経ジャスダック平均は0.44%安、3週ぶり下落。
東証2部指数は1.67%安、3週ぶり下落。
月間ベースでは、日経平均株価は0.84%安。
TOPIXは1.00%安。
ともに3ヶ月ぶり下落。
東証マザーズ指数は4.10%高、3ヶ月連続上昇(累計17.7%上昇)。
日経ジャスダック平均は0.70%安、3ヶ月ぶり下落。
東証2部指数は0.81%安、3ヶ月ぶり下落。
2018年度の日経平均株価は21205円81銭と2017年度末比248円49銭(1.2%)安。
年度ベースでの下落は3年ぶり。
2018年度の日経平均の年間値幅は5114円。
2年連続で5000円を超えた。
値上がり1199銘柄、値下がり857銘柄。
新高値22銘柄、新安値48銘柄。
4月1日からは昨年来高安値銘柄が年初来高安値銘柄に変わる。
騰落レシオは93.55。
NT倍率は13.32倍。
25日線(21425円)からは1.0%、200日線(21239円)からは3.3%のマイナスかい離。
75日線(20978円)は依然サポート。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲9.558%。
買い方▲11.371%。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲9.013%。
買い方▲15.659%。
空売り比率は42.9%で18日連続40%超。
空売り規制なし銘柄比率は6.2%に低下。
日経HVは19.23、日経VIは17.22。
日経平均採用銘柄のPERは12.32倍でEPSは1721円。
PBRは1.12倍。
シカゴ225先物終値は大証日中比70円高の21260円。
高値21295円、安値21140円。
大証夜間取引終値は日中比110円高の21300円。
4月年度初めの週はいきなり日銀短観からのスタート。
金曜日の米雇用統計までイベントは多い。
新元号の発表で奉祝ムードというのがあるかも知れない。
「相場は悪い材料を早め早めに織り込んでいた。反発力も大きくでよう」という見方もある。
週足のボリンジャーのプラス1σが21469円で上値を抑えた格好。
プラス2σは22038円だ。
24か月線(21545円)の復活が欲しい。
気学では「突っ込んでも戻す日。悪目あれば買い方針良し」。
火曜は「変化注意日。波動につくべし」。
水曜は「強象日にして高値を見る日。買い方針良し」。
木曜は「前日が高い時にはこの日反落する」。
金曜は「変化注意日にして不時安を見ることあり」。
株式市場大観で4月は「買い一貫。上旬は押し目買い、中旬に一押しあり。買い増して進め」。
アノマリー的にもこの相場観だろう。
因みに4月1日は上げの特異日。
中国の国家統計局発表の3月PMIは1.3ポイント上昇し50.5ポイント。
2018年10月以来5ヶ月ぶりに50ポイントを超えた。
33兆円の減税やインフラ投資の債権発行枠の6割増んど景気対策が奏功したのか。
あるいは前月が春節だったという特殊要因があるのかは微妙。
財新の中国製造業PMIは本日発表予定。
2月分は49.9と1月の48.3から改善していた。
興味深いのはコマツの建設機械の稼働時間統計。
昨年11月から今年1月まで前年同月比マイナスだったのが春節があった2月はプラ転。
3月も大幅増ならば景気動向は悪くない。
夜発表予定の米ISM製造業景況感は2月に54.2。
市場予想を下回っていた。
今回の予想は54.3。
これが55ポイントを下回るか上回るかが課題だ。
国内的には新元号がこれらに優先する課題ではあるが・・・。
成功者の言というのは参考になるようで、疑わしくも聞こえるもの。
新年度ということもあり日経朝刊でスタートしたのは「一歩踏見出すあなたに」。
初回に登場したのはファーストリテの柳井会長。
「好奇心を持った上で、1つのことを追求する」。
「あらゆる知識を実戦で応用し、どんな職業でもその道のプロになることが大切」。
これはスッと頭にはいる。
「イチロー選手は最高の準備と状態で試合に望んでいた。
仕事も同じ。
計画と準備を怠らず一日一日を大切にして欲しい」。
これって本当に実践可能なのかどうかは微妙だ。
というか多くの人に取っては無理だろう。
宿酔の日も発熱の時も、これを最高の状態と言えるのだろうか。
それでもそう語るというのは凄い。
結果論から未来像を語るのは可能だが、現在から未来を語るのは結構難しいもの。
維新の志士だって成功したから美化された。
もし失敗していたら単なるテロリストだったかも知れない。
結果的に成功した経営者は偉人。
結果的に失敗した経営者は夢追い人。
紙一重であるような気がする。
株の世界だって成功者は「億り人」。
失敗者は「敗者」。
所詮違いは努力ではなく「落ち込まずに運を掴む」という気がしないでもないが・・・。
しかし・・・。
同じプロ野球でも井端選手の言葉は逆に重い。
「成功するかどうかなんて、結局、前評判ではなく、入ってからの努力と必死さの積み重ねしかない。
どうすれば生き残れるのかを必死で考え、しゃにむに準備をした選手しか成功していない」。
そして・・・。
「成功する選手は正直分からない。
それぞれにあるんだろう。
でも失敗する選手は共通している。
自分が何をすればいいのか分かっていない。
その日グラウンドに来て『きょう何しよう』と考えているようでは1歩目が違うよ」。
やはり運よりも努力なのだろうか。
日銀短観大企業製造業DIはプラス12と前回より7ポイント悪化で着地。
市場予想はプラス14だったから下回っての着地。
先行きはプラス8。
非製造業DIはプラス21と前回より3ポイント悪化。
大企業設備投資額はプラス6.2(前回は11.0)。
これよりは新元号の方が待たれている格好だ。
NYダウは211ドル高の25928ドルと続伸。
NASDAQは60ポイント高の7729ポイント。
S&P500は18ポイント高の2834ポイント。
ダウ輸送株指数は88ポイント高の10407ポイント。
SOX指数は1.58%の下落。
VIX指数は13.71。
3市場の売買高は74.1億株。
225先物CME円建ては大証日中比70円高の21260円。
ドル建ては大証比95ポイント高の21285ポイント。
大証夜間取引終値は日中比110円高の21300円。
ドル円は110.77円。
10年国債利回りは2.406%。
◇━━━ カタリスト━━━◇
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(兜町カタリスト櫻井)
