「リズム」
伝説の投資家、ジョン・テンプルトン卿は1969年ニューヨークから英領バハマに移住。
その理由。
「神が私に与えた投資の分野での才能を生かすことこそ自分の使命である。
だから、情報と雑事を離れる必要がある」。
これって意外と必要なのかも知れない。
その方が、雑音に惑わされず、逆に心眼を持って相場に没頭できるのかも知れない。
あるいは・・・。
相場のリズム。
毎日毎日株価が上昇する訳はないのだから、それこそ休みも必要。
そのためにはリズム=株価の変動感覚を会得することになる。
これは結構大切なこと。
ある市場関係者の言。
「正常な動きが判っていないと、異常な動きも判らない。
異常な動きが判らないと、順張りも逆張りもできない」。
この動きの混同こそ、相場の未来への邪魔者なのかも知れない。
ある先輩氏は言った。
「株価には限界というものが必ずある。
PERで48倍。PBRで4倍、ROEで28%」。
天井を見逃さないためには覚えておきたいもの。
休んでいては、稼げないとも思うのだが・・・。
覚えておきたいのは本間宗久翁の言。
「不利運(損失勘定)のとき、
売り平均買い平均(ナンピンつまり単価をならすこと)せざるものなり。
思い入れ違いの節はさっそく仕舞い、四五十日休むべし。
(中略)何程利運を得ても、この休むことを忘るるときは、
商い仕舞いのときはきわめて損出ずると心得べし」。
あるいは「年中、商い手の内にあるときは利運遠し。
折々仕舞いて休み見合わせ申すべきこと第一なり」。
「三猿金泉秘録」では・・・。
「売り買いを、せけばせくほど損をする。とんと休んで手をかえてみよ」。
「相庭高下伝」では・・・。
「気の落ちつかぬときの商いは、十度が十度ながら損なりと察すべし」。
日々熱心に売買を繰り返す一群の投資家層にとっては、無用の長物かも知れない。
しかし、深夜目覚めればNY動向が気になり、昼には板の動向が気になるのは職業病。
1967年にツィッギーが来日してのミニスカブーム。
1965年→70年までの5年間の実質GDPは年平均10.9%。
一方1973年のオイルショックでGDPがマイナスになったのが74年。
ジーパンが流行し、ロングスカートがブームになったというのが歴史。
古典的なアノマリーではある。
とはいえ相場は世相の反映そのものでもある。
(櫻井)。
