「メルトアップ?」

「メルトアップ?」

「金利が下がって株が上がる」。
学問的には正しいだろうし、これが通説。
しかし下がるにしてもマイナスまで行ってもこの学説が通じるのかどうかは疑問。
NYではADP雇用レポートの結果が市場予想を下回り、それがFRBの利下げにつながるとの期待感。
景気悪化よりも金利低下の方が市場からは歓迎される相場というのは市場関係者の論理でしかないだろう。
それを喜ぶ世界にはやはり疑問を感じるのがフツーの肌感覚だ。
マーケットは一つのことしか見ることのできない場所。
多数の論理が少数意見をかき消すが、少数意見に真実は多い。
それがマーケットの宿命だから、従わざるを得ない面もある。
しかし「変なこと」はいずれ是正されるのが地球の掟。
日産のゴーン元会長の件だって「変」と感じていた人はいた筈。
「変という疑問」を素直に表現していたら、こんなに時間が経過してから露呈することはなかったろう。
そういえば・・・。
「高齢者の事故はどうしてプリウスの映像が多いんだろう」というのも素朴な疑問だ。

芥川龍之介の「侏儒の言葉」みたいな熟練の市場関係者岡本さんの言葉。

言えることは「理屈、理論で相場が分かる」なら、もうすでに「相場と言う制度自体は終わっている」ということです。
「終わっている」と言うのは、生き物なら死んでいる。
物事なら、そのもの、ズバリ、もう終わっていると言うことです。
短期の相場が集合して中期の相場ができ、中期の相場が集合して長期の相場ができます。
どんな時代も同じ繰り返しです。
相場は上げ、下げ、もみ合い、この3つをするのがお仕事です。
どれ1つとして欠けることはありません。
人生も同じですよね。上げ、下げ、もみ合い。
シンプル イズ ベスト と言いますが、まずは考えずに現実を感じることから始めたらいかが!?

興味深いブルームバーグ報道。
「米国株の個別銘柄を空売りしていた投資家らへの打撃は3日から4日に雪だるま式に膨らみ、
空売り筋は2日間としては5カ月ぶりの大打撃を被った。
メルトアップ(急上昇)への条件がどんどん整っていた。
株式ロングショート戦略のヘッジファンドは3日に1.7%の損失。
年初来最悪に並んだ。
クレディ・スイスがまとめたデータによると、ヘッジファンドはここ数カ月に空売りを増加。
6月入りした際には株式へのエクスポージャーが2年ぶり低水準に近かった。
慎重姿勢は5月の相場下落時にファンドを守った。
しかし空売り対象銘柄の値上がりで、損切りの買い戻しを迫られる可能性がある」。
メルトアップってなかなか良い響きだ。

(櫻井)

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