「マイナス金利は悪だった」
週末のNY株式は4日ぶりの反落。
悪役は前日業績見通しが失望を誘ったアップル。
6.6%の下落となり終値ベースで時価総額が1兆ドルを割り込んだ。
「アップルの決算が地合いを決めた。
終日吹いた逆風となったことは明らかだ」という見方だ。
ラフト・ハインツの冴えない決算も悪材料視された。
カドロー米国家経済会議(NEC)委員長はCNBCテレビに登場。
「トランプ政権が当局に対中貿易協定案の策定を指示した事実はない」とコメント。
米中貿易摩擦への楽観論を打ち消した。
週間上昇率はS&P500が2.4%、NASDAQが2.7%。
週間上昇率は5月以来の大きさ。
NYダウも2.4%で6月以降で最大となった。
雇用統計は非農業部門の雇用者数が25万人増で着地。
市場予想の19万人増を上回った。
失業率は労働参加率の上昇にもかかわらず49年ぶりの低水準となる3.7%を維持。
賃金の伸びは9年半ぶりの高水準となった。
10年国債利回りは3.21%台に上昇。
12月利上げ予想確率は前日の68.8%から72.1%に急上昇。
来年の利上げ2回という予測だ。
ドルは対円、対ユーロともに上昇。
「米中の貿易協議がそれほど早期に合意できないとの懸念でリスク選好度が低下し。
安全資産としてのドルの需要が高まった」との解釈だ。
ドル円は113円台前半。
トムソン・ロイターの調査。
S&P500採用銘柄の2018年第3四半期決算は前年同期比27.1%の増益見通し。
エネルギーセクターを除いた増益率は23.8%の見込みだという。
第3四半期決算を発表した376社のうち、利益がアナリスト予想を上回った企業の割合は77.9%。
長期平均の64%、過去4四半期平均の77%を上回った。
第3四半期の売上高は8.0%増加する見通し。
売上高がアナリスト予想を上回った企業の割合は60.6%。
長期平均は60%だが過去4四半期平均は73%だ。
第4四半期の1株利益について、悪化もしくは市場見通しを下回ると予測している企業は37社。・
改善もしくは市場見通しを上回ると予測した企業は20社。
S&P500採用銘柄の今後4四半期の予想PERは15.8倍。
一方で日本の企業業績。
最高益水準は続くが「期待値には遠ざかっている)と指摘される。
7四半期連続での2ケタ増は直近7~9月期は0.5%増。
4~9月期で5%増とブレーキ。
ちなみに中国企業の7~9月期の増益率は7%。
アメリカ一人勝ちの構図というのは、どちらかが間違っているハズ。
おそらくアメリカの数字が正しいのだと読みたいところだ。
週末の日経平均は大幅反発。
寄り付きは73円高。
「トランプ大統領が米中貿易合意のための草案作成を指示」との外電を材料に一気呵成に上昇。
ドル円の113円台も追い風。
一時前日比600円以上上昇する場面もあっての556円高。
3月27日の551円高を上回り、大発会の741円高に次ぐ今年2番目の上昇幅。
10月の下落の鬱憤を晴らす展開となった。
週間で1059円上昇し前週の下落分(1347円)の大半を埋めた。
週足は長い陽線。
10月2日高値24448円から10月26日の安値20971円までの押しの半値戻し水準(22709円)も視野に捉えた格好。
「21000円を割り込んだのは10月26日の1日のみ。
一週間後には22000円台を回復。
年末までに年初来高値を奪還するような展開も十分期待できる」と市場関係者のトーンも変わってきた。
値上がり銘柄数1495、値下がり561銘柄。
新高値11銘柄、新安値53銘柄は物足りなさが残る。
騰落レシオは77.85%。
NT倍率は13.41倍と今年最高。
25日線からは2.0&%、200日線からは0.8%のマイナスかい離と平時の水準。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲10.043%(前日▲8.278%)。
買い方▲12.302%(前日▲14.331%)。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方△2.30%。買い方▲22.31%と改善。
空売り比率は43.2%。規制なし銘柄の比率は7.4%と増加した。
日経平均採用銘柄のPERは12.72倍。
EPSは1748.87円と過去最高を静かに更新。
PER13倍で22700円台。14倍で22400円台だ。
シカゴ225先物終値は大証日中比200ポイント安の22000円。
高値は22340円、安値は21690円。
52週線の22505円、26週線の22648円、13週線の22758円がきれいに上に並んでいる。
24か月線21241円はサポートなった。12ヶ月線22545円と13ヶ月線22660円はデッドクロスせずに済んだ。
日足では200線22415円が当面のターゲット。
25日線22689円が75日線22713円を下抜けてデッドクロスしたのは気にかかるところ。
勝手雲の下限が22561円、上限は23220円だ。
ボリンジャのマイナス1σ21706円はサポート。
25日線(22689円)へのチャレンジ期待だ。
気学では「押し目にある時は買い方針、逆の時は見送れ」。
火曜は「人気に逆行し前後場仕成を変える日」。
米中間選挙の水曜は「良く動く日にして前後場足取りが変わる」。
水曜は「株安の特異日」でもある。
木曜は「吹き値売り方針の日。初め高くても後場安し」。
FOMC通過後のSQ当日金曜は「一方に偏して動く日。足取りについて駆け引きせよ」。
外部環境と足元決算通過での数字の反映の交錯する週だ。
過去を振り返ってくれたフィッシャー前FRB副議長。
昨年10月まで3年半にわたりFRB副議長を務めていた。
「マイナス金利導入の可能性は、政策当局者すべての懸念だった。
実際の懸念事項は『われわれが金利を引き上げれば、引き下げが必要になるのか、
そして引き下げが必要になった場合、マイナスの水準になるのか』ということだった。
これが利上げ回避につながり、金利は数年にわたって0~0.25%に維持された。
一般的にマイナス金利への大きな懸念があった。
われわれはそうした状況に陥らず幸運だった」。
マイナス金利に陥った日本は結果的に実験台として不運だった。
バブル崩壊にしろ、その後の展開にしろ常に世界で最初のリトマス試験紙になる東京市場。
「炭鉱のカナリア」の面目躍如だった。
それにしても、だからこそ日本がゼロ金利から脱却した日=トランプ大統領当選翌日からの株高があった。
そう考えたいものだ。
やはり「ゼロ金利は悪」だった。
今日より明日の方がものが安い日が幸せである訳はない。
渋谷ハロウイン騒動で改めて再認識された「夜遊び経済」。
かっこよく言えば「ナイトタイムエコノミー」だ。
インバウンドの外国人が夕食後に楽しめる場所の開拓は国策。
しかし賑わいと安全安心は別物。
もっと静かに、でも楽しくエンターテイメントを楽しみたい人は多い。
しかしあの渋谷の騒乱の夜を見て、行く気になるかどうかは微妙なところ。
バックパッカーのような若年層ではなく、シニア向けのエンターテイメントの場所は間違いなく望まれよう。
来年から登場するのは5000円分のバウチャー。
新宿・渋谷で定額メニューで飲食できる仕組みだという。
飲食だけでなく、ダンスやコンサートも入ってくると結構面白そうなのだが・・・。
来年のダボス会議は1月22~25日。
統一テーマは「第4次産業革命時代に形成するグローバル構造」。
IoT、AI、ビッグデータに加えサイバーテロなどが課題になる。
16年の「第4次産業革命をマスターする」以来のテーマだ。
NYダウは109ドル安の25270ドルと4日ぶりの反落。
NASDAQは77ポイント安の7356ポイント。
S&P500は17ポイント安の2732ポイント。
ダウ輸送株指数は2ポイント安の10366ポイント。
SOX指数は1.56%の下落。
3市場の売買高は89億株。
CME円建ては大証比230円安の22000円。
ドル建ては大証比200ポイント安の22030ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比250円安の21980円。
ドル円は113.18円。
10年国債利回りは3.219%。
◇━━━ カタリスト━━━◇
アドソル日進(3837)・・・動兆
アドソル日進に注目する。
同社は大企業向け大規模システムの開発が中核。
電力・ガス関連、次世代自動車向け拡大。
セキュリティ分野も拡大。
業績は好調。
ソフト開発のヒューマンテクノシステムホールディングと資本・業務提携。
(兜町カタリスト櫻井)
