「フシを払ってきた」

「フシを払ってきた」
 
4月1日のNY株式相場は3日続伸。
NYダウは前週末比329ドル高の26258ドル。
昨年10月上旬以来、ほぼ半年ぶりの高値となった。
上昇寄与上位はJP、GS、キャタピラー、ボーイング。
下落寄与上位は医療保険・医療サービスのユナイテッドヘルス。
NYダウとS&P500は終値ベースの年初来高値で取引を終了。
中国の政府と民間の3月の購買担当者景気指数(PMI)がそれぞれ好不況の分かれ目となる50を上回ったことを好感。
「中国経済が底入れし、今後は世界経済をけん引する」との期待感が台頭。
中国が米国からの自動車や自動車部品への関税引き上げを見送る可能性が一部で報じられ米中貿易協議進展への希望が拡大。
これを背景にキャタピラーなど中国売上高比率が高い銘柄が買われた。
3月のISM製造業景況感指数は前月比0.9ポイント上昇の55.3と市場予想(54.3)を上回って着地。
景気への楽観論から長期金利が上昇。
金融株セクターの上昇要因となった。
「長期債利回りの上昇で3ヵ月政府短期債と10年債の逆イールドが解消されたことも追い風にリスクオンとなった」という声が聞こえる。
10年国債利回りは2.50%。一方で3カ月物の米財務省証券(TB)は2.39%。
原油相場の上昇を手掛かりにシェブロンなど石油セクターも堅調。
NASDAQは99ポイント高の7828ポイント。
主力ハイテク株の上昇が寄与。
ただ前週末上場の配車サービス大手のリフトは公開価格を下回った。
2月の小売売上高は予想に反して前月比では下落したが、前年比では小幅に増加。
債券市場は3日続落(利回りは上昇)。
10年国債利回りは2.50%。
1950年以降の月別の騰落率をみると4月はダウ平均にとって「最高の月」。
2006年以降では12年続けて上昇。
平均上昇率は2.3%。
「米大統領選の前年」でみても1950年以降、4月は17回中14回上昇。
平均4%高と堅調。
「NY株式相場は12月の上昇が大きいが、大型株は相場全体が中だるみしがちな4月に力を発揮する傾向が強い」との見方だ。
4月半ばに発表が始まる主要500社の19年第1四半期決算は3.9%の減益予想。
しかし市場はむしろ楽観論。
「事前の期待が低いだけに予想ほど悪くなければ、比較的値動きが安定している大型株が買われダウ平均を押し上げる」。
これが自身に溢れて明るいNYと暗い東京との差だろう。
ダウ輸送株指数は235ポイント(2.26%)高の10643。
VIX(恐怖)指数は13.40に低下。
 
新年度入りの月初の日経平均は寄り付き295円高、終値303円高。
ザラバは500円近く上昇した場面もあったが後場失速だった。
とはいえ「大幅上昇。終値で21500円台回復。初日から好スタート」という見方で悪くはない。
日足はギリギリ陽線。
終値ベースで4日ぶりに3月権利配当落ち分を埋めた(基準値21428円)。
新元号「令和(レイワ)」にちなんでか、ヨコレイ(横浜冷凍)、クラレ(倉敷レイヨン)など「レイ」の付く銘柄の一部が大幅高。
レイも大和冷機も同様。
万葉集にちなんで書店株も上昇した。
印刷セクターも目についた展開。
中国PMIの回復を好感して上海株が上抜け。
ドル円は111円台。
「改元効果というよりは月替わり効果」という声も聞こえる。
ただ新興市場が軟調だったのは気にかかるところ。
東証1部の売買代金は2兆4846億円。
値上がり1837銘柄、値下がり259銘柄。
新高値228銘柄は新年度効果。新安値18銘柄。
騰落レシオは101.63。
NT倍率は13.31倍。
25日線からは0.4%のプラスかい離。
200日線からは1.9%のマイナスかい離。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲10.106%。
買い方▲10.570%とほぼ並んだ。
今日の逆転に期待だ。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲8.806%。
買い方▲16.439%。
日経HVは19.6、日経VIは17.20。
空売り比率は41.3%で18日連続の40%超。
日経平均採用銘柄のPERは12.52倍でEPSは1717円。
PBRは1.13倍。
シカゴ225先物終値は大証日中比365円高の21625円。
高値21675円、安値21330円。
日経平均は結構「フシ」を取っ払ってきた。
3月メジャーSQ値(21348円)。
26週線(21368円)
25日線(21425円)
3月22日窓開け水準(21542円)。
24ヶ月線(21545円)
その上はボリンジャーのプラス1σ21646円、プラス2σ21856円。
3月22日の21733円。そして3月4日の21860円が欲しいところ。
週足のプラス2σは22038円。
12ヶ月線22013円。
目先は「2・5・8の法則」の「8」を超えるかどうかが課題。
大台では「2」と「5」のレンジへ移行する局面でもある。
気学では「変化注意日。波動につくべし」。
水曜は「強象日にして高値を見る日。買い方針良し」。
木曜は「前日が高い時にはこの日反落する」。
金曜は「変化注意日にして不時安を見ることあり」。
 
 
◇━━━ カタリスト━━━◇
 
ナノキャリア(4571)・・・動兆
 
ナノキャリアに注目する。
同社はがん領域に特化した創薬ベンチャー。
「ミセル化ナノ粒子」で副作用少ない新薬目指している。
化粧品は男性用ヘアケア、女性用スキンケアとも順調。
同社がVBL社(イスラエル)から国内開発販売権を導入した遺伝子治療薬「VB?111」。
免疫系を活性化し、免疫細胞の腫瘍への浸潤を誘導。
免疫系が腫瘍を攻撃するようになることを示唆する成績を発表。
今年度は新たな展開に入ると見る。
 

(兜町カタリスト櫻井)

 

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