「ハクビシンから1ヶ月で日経平均1770円上昇」
週末のNY株式市場でNYダウは4日続伸で連日の最高値更新。
貿易摩擦を巡る懸念が和らぎ、ボーイングなどが上昇をけん引した。
NASDAQは反落。
S&P500はザラバ過去最高値を更新した後に反落。
3市場の売買高は107億株と過去20日平均の65億株を上回って増加。
背景はオプションや先物の決済日「クアドルブル・ウィッチング」だったこと。
加えてS&P500指数の大規模なセクター分類変更を24日に控えていたこととされる。
従来の「情報技術」セクターは「通信サービス」セクターに衣替え。
フェイスブックやディズニーなどの大型株は新セクターに含まれることになるという。
アップルなど「FAANG」銘柄は総じて下落。
週間ベースではNYダウは2.3%高、2週続伸。
NASDAQは0.3%安で2週ぶりに反落。
S&P500は0.8%高で2週続伸。
英国のEU離脱交渉の勢いが失速したとの見方から長期債利回りは低下。
10年国債利回りは一時3.068%に低下した。
来週のFOMCを控えて9月利上げ確率は93.8%。
12月の利上げ予想確率は約80%、来年3月以降の追加利上げ確率は50%。
英国が条件などで合意しないままEUを離脱するとの懸念から英ポンドが下落。
ドル円は112円台後半。
週明けのNY株式市場でNYダウは5日ぶりの反落。
24日から中国からの輸入品2000億ドルに追加関税。
中国も報復関税を発動したことから貿易摩擦の長期化を懸念したとの解釈だが既定路線だろう。
25~26日のFOMCを前に利益確定の売りが優勢だったとの声もある。
もっとも原油先物の大幅高からエクソンモービルなどエネルギーセクターは上昇。
アップルが上昇しNASDAQは反発。
24日からS&P500指数(11業種)の業種分類が再編。
従来の「電気通信サービス」は「コミュニケーションサービス」に変更。
アルァベット(グーグル)やフェイスブック、ネットフリックス、ディズニーが加わった。
「指数再編に伴う持ち高調整の売買が活発だった」という声が聞こえる。
24000円にあと30円弱と迫った週末の日経平均。
6日間での上昇幅は1265円(5.6%)で1月の年初来高値(24124円)まであと250円程度。
射程圏に捉えたという格好だ。
6日続伸の上昇幅としては2016年7月(1616円)以来、約2年2カ月ぶりの大きさとなった。
「原動力は海外のヘッジファンドなどによる買い戻し。買う理由は日本株の割安感。
個別株からの視線では地合いが明らかに変化している」という声が聞こえる。
NYなどと比較した割安感と短期上昇に対する警戒感の同居ということになろうか。
東証1部の売買代金は3兆9626億円と膨らんだ。
FTSE定期見直しのリバランスという要因はあったが現物株への買い需要の高さはうかがえる。
東証1部の値上がり銘柄数は1591(前日1090)、値下がり銘柄数は456(前日932)。
新高値101銘柄と3ケタに乗せてきた。新安値3銘柄。
東証1部の値上がり銘柄数は6日連続で1000を超えた。
「今回の上昇は買われる銘柄の数が多いことが特徴」という見方だ。
日経平均は週間では約775円の上昇。週足では2週連続で陽線。
3日新甫の9月月足陽線基準は22707円。
2015年5月までの5カ月連続陽線以来の4カ月連続月足陽線は固いだろう。
「昨年も動きが出始めたのは9月の後半から。
同様のラリーが実現するのであれば27000円あたりまでの上昇は十分期待できる」。
潮を見る声が出てきた。
わずか1週間前のメジャーSQ値23057円に対して800円以上の上昇で6連勝だ。
一方で短期上昇に対する警戒感で利益確定の可能性も指摘される。
21日は東証1部の38%にあたる810銘柄で25日線からの上方かい離率が5%を超えた。
これは昨年5月月以来の高水準。
騰落レシオも126.97%と上がってきた。
もっとも騰落レシオは上では効かないことが多く150%超までは大丈夫だろう。
TOPIXは1800ポイント台に乗せたがNTレシオは13.37倍。
日銀が吸収した効果が大きいという指摘もある。
買うだけで売らないのだから当然と言えば当然。
日経平均採用銘柄の新高値が多いのはその傍証だ。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲12.789%。買い方▲7.895%と差は連日の拡大。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲10.45%(前日▲8.51%)。
買い方▲16.13%(前日▲18.26%)とコチラは差がようやく縮小してきた。
9月14日現在のQuick調査の信用評価損率は▲10.91%と2週ぶりの改善。
9月14日現在の裁定買い残は前週比3189億円増の1兆7621億円。
まだ東証1部時価総額比0.26%に過ぎない。(0.5%が警戒ライン)。
同裁定売り残は3345億円減少の3137億円。
9月メジャーSQに向けて裁定買い方は積極攻勢。裁定売り方は白旗を上げた構図だ。
空売り比率は35.2%で低下し6日連続の40%割れ。
25日線(22769円)からは4.83%、200日線(22421円)から6.37%のプラスかい離。
25日線は第一次限界水準だから第2次限界水準(24590円~25045円を試せるかどうかが課題。
200日線は10%プラスかい離(24663円)で上昇加速を目指すかが課題。
もう一つの課題は200日線をようやく抜けたTOPIXの逆襲。
勝手雲は10月2日に白くねじれている。
シカゴ225先物終値は大証日中比95円安の23700円。
現物換算で23860円だ。
日経平均のボリンジャーのプラス2σの23676円、プラス3σ24129円。
9月権利配当付き最終日。
水曜は権利配当落ち分約160円を埋めるかどうかが課題になる。
9月最終週は中間期末。
ETF運用等で配当落ち分を先物で買い建てる配当金の再投資の時期だ。
アベノミクス以降の秋の株高の背景でもある。
スケジュール的には9月SQ以降の先物再投資。
11月末まではこのヘッジが生じているので株高という理屈。
10月下期入りで利食いから入るかどうかが課題でもある。
日経平均型で1000億円強、TOPIX型で3000億円、JPX400で400億円。
市場ではこの配当の再投資分の買いが期待されている。
合計では約4700億円、うまくいけば7000億円程度の可能性という指摘もある。
気学では「変化注意日。後場の足取りに注意肝要」。
水曜は「前場安いと後場高の日。突っ込み買い良し」。
木曜は「高下荒く初高後安の日。但し下放れは小底入れ」。
金曜は「押し目買いの日」と目まぐるしい。
庭をハクビシンが横切ったのは8月21日で日経平均は22199円。
それから約1ヶ月後の日経平均の高値は23971円。
1772円の上昇だ。
やはりおそるべしハクビシン。
リズムというのは釣りも株も一緒のようなもの。
釣り糸を垂れると「チョンチョン、ツンツン」と餌の様子を探るアタリ。
ここで引き揚げては魚は逃げてしまう。
「魚の気持ちになって考えなさい」とベテランの船頭さん。
「餌は食べたいけれど警戒感は一杯。
少し調べてみていけるとなったら真剣に食べるよ」。
株だって一緒だろう。
警戒感はあるから上がってすぐはちょっと待て。
でもほかの投資家さんが群がってくると「やっぱり美味しいんだ。食べよ」。
これが天井なんていうのも良くあること。
逆に売り場探しでも「まだ上がるかな」なんて期待と警戒の交錯。
みんなが利食うサマを見て「やっぱり売っておこう」。
そこからの上昇スピードの速さは絶品だ。
サカナの気持ちになって相場を考えてみることが大切なこと。
相場に釣られない極意かも知れない。
3月決算企業の中間配当総額は4兆8906億円と9年連続過去最高の見通し。
中間配の実施は通期の業績見通しへの経営者の自信のあらわれという指摘だ。
中間配は約3カ月後に入金される。
日本株の保有比率からみて約8000億円が家計に入るという。
つまらない株主優待などよりよほど良い。
因みに日経平均年間予想配当金(日経平均÷予想配当 利回り)は450円。
2012年の同時期(約200円)に比べて2倍以上に達した。
ノーベル賞発表が1週間後に迫ってきた。
自然科学3賞は10月1日に生理学医学賞。
10月2日美に物理学賞、10月3日に化学賞が発表予定。
以下は日刊工業新聞の「2年ぶりとなる日本人受賞者」の予想。
【生理学医学賞】
体内の異物に抵抗する免疫ブレーキ役のタンパク質「PD-1」発見した京大本庶佑特別教授が有力候補。
小野薬品(4528)の抗がん剤「オプチーボ」の開発につながる。
免疫の暴走抑える特別なT細胞「制御性T細胞」発見した阪大免疫学フロンティア研究センター坂口志文教授も候補。
コレストロール下げる薬の開発につながった「スタチン」発見した東農大遠藤章特別栄誉教授も有力。
遺伝情報(ゲノム)などのビッグデータから生体システムの機能解読する
データベース「KEGG」開発した京大金久実特任教授も有力候補。
【物理学賞】天文学、量子力学、物性物理学など幅広い分野が受賞対象。日本では材料やデバイスの開発に強み。
液晶ディスプレーに使われる酸化物半導体「IGZO」や鉄系高温超電導体、
電気を通すセメントなど開発した東工大細野秀雄教授が有力候補。
電気と磁気の性質を備えた「マルチフェロイック物質」発見した東大十倉好紀卓越教授があげられる。
磁石の性質を持つ半導体「自制半導体」を開発、
高性能で低消費電力の集積回路の実現目指す東北大の大野英男総長も外せない。
【化学賞】有機化学に加えて生化学や無機化学、分析化学など、他の2賞にクエ安倍晋三首相広い分野から選ばれる。
今年は有機化学や材料分野が有望。
リチウム電池の原型確立し、物理学賞の候補に挙がる旭化成吉野彰名誉フェロー。
ネオジム磁石開発した佐川眞人顧問が候補。ともに自動車の電動化に不可欠な技術。
次世代太陽電池として注目されるペロブスカイト太陽電池発明した宮坂力桐蔭横浜大特任教授や、
炭素材料のカーボンナノチューブ(CNT)発見した飯島澄男名城大終身教授(NEC特別主席研究員)も有力候補。
(兜町カタリスト櫻井)
