「サンタは町にやって来ない」
前場の日経平均株価は101円安の26613円と続落。
相変わらずのコロナへの警戒感から景気敏感株を中心に幅広い銘柄に売り優勢の展開。
下落幅は一時260円に迫り25日線(26469円)を割り込んだ場面もあった。
ただ前場のTOPIXは0.88%安。
日銀ETF買いへの期待感などを支えに下値は堅い状態だ。
東証1部の売買代金は8939億円。
38日ぶりの2兆円割れの可能性は高い。
いよいよ「師走」
最近のサンタは町にやってこないことが多い。
日経朝刊コラム「一目均衡」は「終焉迎える債券黄金時代」。
債券は株式下落のヘッジ手段として活用されてきた。
しかしアメリカがゼロ金利政策を取らない以上、ここからはこの図式は成立しないだろう。
株式60%、債券40%のポートフォリオは効率的ではなくなるということ。
そうすると、あの傘を差したようなポートフォリオ理論も色褪せてくる。
結論は「投資先としての債券は存在感を失う」。
そして「債券の代替市場探しが来年のテーマ」。
このところ、日経の論調は「円安株高の終焉、金利安株高の終焉、そして債券市場の主役からの陥落」。
正邪はべつにして、従来の常識的投資理論の変化を示唆するものが多い。
これは悪いことではないだろう。
例えば債券市場が魅力的でなくなれば、相対的に株式市場の魅力は増加する。
まさにグレートローテーションで5年遅れの「債券よさようなら、株式よコンニチワ」の世界の可能性がでてくる。
債券畑のグローバル長期分散理論が消滅するからこそ「ESG」とか「SDGS」とかの理論の登場。
所詮、比較の問題ということ。
そう考えると、頭に入りやすい。
もっとも・・・。
今年の国内債券発行は15兆円と過去最高の見通し。
昨年の14.51兆円を上回る背景は日銀の社債買い入れ方針の延長。
企業の手元資金は潤沢になったころは明確。
ただ「キャッシュ確保」が目的なので、バブルの頃のような「財テク」は登場しないだろう。
あの頃は時価発行増資で入った資金で株式運用していたのが歴史だった。
大和のレポートの指摘。
「東京株式市場は欧州株安を受けて全面安で始まった。
欧州でのコロナウイルスの変異種拡大等を嫌気しているものと見られる。
ただ、英米の新規感染者数を11月と比較すると英国では現在やや上回ってきたレベル。
すでに11月よりも急増してしまっている米国の時間帯ではインパクトは限定的だった。
むしろS&P500にテスラが採用されたために資金捻出目的の売りが残っていた影響が大きいとみている」。
興味深い見通しは「長期的には2003年、2009年の二点底のネックラインにプルバック完了からの反騰だ。
下落幅の倍返しで29468円、同率だと47273円と最高値の38915円が見えてくる」。
80年近い人生のうちで主役になることは滅多にない。
誕生・・・間違いなく主役だが、自分では覚えていない。
入学式・卒業式・・・他の人も一緒。
誕生日・・・せいぜい20歳までだろう。
結婚式・・・これは記憶のある主人公を演じられる滅多にない機会。
お葬式・・・間違いなく主人公だが、見ることはできない。
そう考えると、株式劇場は常に自分が主役を何度でも演じられる場所だ。
《兜町ポエム》
「株式劇場」
勝つと思えばどこまでやるさ
それが投資家の魂じゃないか
買いが廃れば相場は闇だ
なまじ止めるなウリカイを
損切り株に未練はないが
なぜか涙が流れてならぬ
投資心は投資家でなけりゃ
解るものかと憤る
時世時節は変ろとままよ
ソニーもトヨタも相場じゃないか
みんな会いたやストップ高に
欲と銭ゲバのこの世界
(兜町カタリスト櫻井)
