「コメディ」

「コメディ」
 
先を追うのが得意なのが投資家さん、後講釈が得意なのが市場関係者の構図。
一方で、「私が申し上げたとおりに」と予測が当たった個別銘柄の自慢話に終始する市場関係者。
逆に個別銘柄には無頓着で、壮大な世界動向に終始する市場関係者。
どちらが良いのかは別にして、この個別銘柄に対するアレルギーの業界的解消こそ必要なのだろう。
「私は個別は絶対に語りません」という市場関係者もいるが、個別が悪で指数が善である訳がない。
個別の集大成が指数である以上は、個別を見る必然性はある。
それが規制や内部管理などの問題で個別銘柄は腫れ物のように触れられない。
大量推奨という悪弊は復活する必要はないが、正統な個別株評価は必要な筈。
このギャップが拭えなければ大きな意味での市場の活性化は到来しないに違いない。
 
基本は「値動きの軽さ」。
1部でも2部でもあるいは新興でもホットスポットでの要求はまさにコレ。
ボラティリティを欲しがる一部の投資家が寸暇を惜しんで、そしてスピードを競う格好。
そんなときは、「焦ってみたって同じこと」とジックリ構え得ることも必要だろう。
「相場は明日もある」し「相場は逃げない」。
「いつでもどこでも好きなときに好きなように株式市場と対峙する」のが真骨頂。
人に流され、人後を行くこともないが、早すぎてもスピードは意味を成さないもの。
自分のリズムと自分のスピードで進めばいいだけの話だろう。
愚かしいHFTなどに惑わされる必要などない筈。
 
加えれば・・・。
東証の取引時間延長の問題もこれに類しているのかも知れない。
ネット証券経由でアンケートをとれば。「取引時間延長賛成」が大多数。
ではその大多数が時間外取引で時間が増加した分だけ取引をしてくれるのだろうか。
「大引け後の決算や発表への反応をを翌朝まで待ったり持ち越したりするのは良くない」。
だったらプラスは取引時間内に限定すればどうなのだろうか。
市場が短期さや取り派に迎合して本来のジックリ投資派重要視的姿でなくなるような気がする。
長期成長高配当銘柄を目指しているのがNISA。
短期値幅取りとの整合性はどうなるのだろうか。
NISAと真夜中の株式取引。
どこか齟齬があるような気がしてならない。
 
 
スケジュール的近視眼に犯された相場観では惑乱させられることが多い。
昨日の解釈と今日の解釈が全く違うこともままある。
「『或いは』『もしも』だなんてあなたは嫌ったけど
時を遡る切符があれば欲しくなる時がある
あそこの別れ道で選びなおせるならって」。
さだまさし氏の「主人公」の一節だが・・・。
残念ながら約25年は失われてしまった。
しかし、この先は失われていない筈。
 
先日ネットで見つけたコメント。
アナリストに関するものだが、正鵠を射ている。
「三流である可能性が高いアナリストが使う言葉」。

☆「押し目買いの好機」
 
買い推奨していた銘柄が暴落したときに使われる言葉。
株価の下落を予想できなかったことを見事に棚に上げ、平然と「今が好機」と推奨。
他人のお金でなければ決して出来ない。
 
☆「悪材料出尽くし」
 
なぜ悪材料が出たのかと言う根本的な問題は無視。
今回ほど悪いことはもうないので「来期は増益→買い」という推奨。
更に業績が悪化しても彼らには関係ない。
その頃には他の銘柄で同じようなことをいえば良いだけ。
 
☆「ペアトレードを推奨」
 
わずかな業績の差に着目して、セクター内でのロング&ショートを推奨。
完全にナルシスト・アナリストの行為。
 
☆「決算後に見極めたい」
 
結論を保留し後出しジャンケンを決め込んだときの文言。
株価が当たらない以前に、業績予想まで投げ出すという仕事放棄の状態。
場当たり的なネタがなくなった時に出てくる言葉。
 
☆「業績予想を引上げるが、目標株価は引き下げる」
 
コメディの世界。
「私は正しいが、市場環境が悪かった」という居直り。
中長期的に業績が良くなるのであれば強気の買いコールをするべき。
本当に市場環境のせいだけで株価が下落したなら更に強気の買いコールだろう。
ロジックが破綻している。
 
 

(櫻井)。

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