「キツイ」
週末のNY株式市場で主要株価指数は大幅に3日続落。
「経済成長鈍化への懸念が株式市場への投資回避につながり、情報技術や通信サービスなど割高なセクターが売られた。
ナバロ通商製造政策局長のコメント。
「中国が抜本的に経済政策を刷新することに合意しなければ、米中が先に合意した90日間の対話継続期間内に通商問題で合意に至ることは難しい」。
これが嫌気された。
トランプ大統領は「メキシコ国境の壁建設費用50億ドルを盛り込んだつなぎ予算案が上院で承認される可能性は低い。
連邦政府機関が閉鎖に追い込まれる公算が大きい」とのコメント。
トランプ大統領はクリスマスをフロリダ州で過ごす予定を取りやめたという。
「米政府閉鎖の後は株高」というアノマリーもあるが、あてにはならない。
NYは先物決済のウィッチングの日だった影響も多少あろうか。
NASDAQは8月20日の高値から約22%下落。
2017年8月以来の安値水準となった。
S&P500は2017年7月以来の安値水準。
9月20日の終値ベースの高値から17.5%の下落。
NYダウは2017年10月以来の安値水準。
10月3日の終値ベースの高値から16.3%下落。
トランプ大統領がパウエルFRB議長解任の可能性を非公式に議論していたという報道も悪材料視されよう。
第3四半期の実質GDP確報値は年率換算で前期比3.4%増と改定値の3.5%増から下方修正。
11月の個人消費支出(季節調整済み)は前月比0.4%増と、予想の0.3%増を上回った。
10年国債利回りは2.788%水準。
米政府機関閉鎖の懸念が高まるなか、安全資産としてのドルは上昇。
ドル円は11円台前半とほぼ横ばい。
トランプ大統領の気持ちになってみると・・・。
「中間選挙は下院を共和党に取り返されたもの、これは想定の範囲。
次は2020年の大統領戦がターゲット。
となれば来年後半に株価下落あっては困る。
むしろ2020年夏に向けての株高を演出できるならば今下落しておく方が得策」。
荒唐無稽な推論ではあるが、気持ちとしてはそうだろう。
週明けのNY株式市場はクリスマス・イブの半日立ち合いだったが大幅続落。
NYダウは653ドル安(2.91%安)の21792ドルと安値引け。
2017年9月7日以来ほぼ1年3カ月ぶりの安値水準まで沈んだ。
NYダウのクリスマス・イブの下落率としては1918年(1.13%安)を上回り過去最大に達した。
「政府機関の一部閉鎖やトランプ米政権の閣僚の発言などを受けて、政治の不透明感が強まり株式を売る動きが広がった」との解釈。
休暇を取る市場関係者が多く、特に取引終了にかけて下落幅を拡大した。
トランプ大統領が「米経済が抱える唯一の問題はFRBだ」とツイートしたことも悪材料。
シティ・グループが大幅に14日続落。
一時、2年1カ月ぶりの安値圏に下げた。
連続下落日数としては1977年1月以降で最長記録。
これまでの最長記録は10日続落(197年9月)だった。
NYダウの下落寄与度トップはボーイングで下落寄与度は約70ドル。
ナスダック総合株価指数は140ポイント(2.2%)安の6192ポイント。
17年7月中旬以来の安値水準。
VIX(恐怖)指数は36.07と大幅に上昇。
原油はバレル42ドル台に下落。
10年国債利回りは2.74%台。
ドル円は110円台半ばでの推移。
日経平均は寄り付き82円安。
前引け前の安値が20006円。
大引けにかけては160円程度戻して終値は226円安の20166円。
「6ばかり続いてオーメンか」とい揶揄する声もあった。
TOPIXは1500ポイントを割り込み17年4月以来の安値水準。
東証1部新安値銘柄数は1335。
リーマンショック時の08年10月7日の1202銘柄を上回って過去最高。
(もっとも当時の上場銘柄数は1700銘柄台、現在は2130銘柄)。
騰落レシオは今年最低の68.06。
日経平均のPBRが1.05倍まで低下。
「テクニカル指標は底打ちサインだがNYが落ち着かない。
2日連続して新安値銘柄が1000を超すなどということは通常考えられない。
気づかないところで何か起こっているのか」という見方だ。
12月第1週に週足は長い陰線。
第2週は週間下落ながら週足陽線。
前週は週間1208円の下落となり再び長い陰線。
「売られ方は暴力的な感がある。
短期的なリバウンドは期待できるが、トレンド転換には要時間」という解釈だ。
値上がり1886銘柄、値下がり1886銘柄。
新高値はゼロ。
NT倍率は13.49倍。
25日線からは6.6%、200日線からは9.5%のマイナスかい離。
松井証券信用評価損益率速報で売り方 ▲1.718%。(16年2月12日△1.843%)。
買い方▲21.600%。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方△5.455%。(18年10月29日△10.13%)。
買い方▲30.336%と過去最低更新。(18年10月29日▲30.29%)。
日経HVは22.9。日経VIは26.24。
日経平均採用銘柄のPERは11.25倍。EPSは1792円。
外国人の5週連続売り越しはキツイ。
週末のシカゴ225先物終値は大証日中比255円安の19795円。
高値20390円。安値19720円。
週明けのシカゴ225先物終値は大証日中比545円安の19250円。
高値19900円、安値19225円。
日足陰線は4本連続。
26週移動平均(22370円)と52週移動平均(22359円)はかろうじてデッドクロスを免れた。
24か月移動平均(21289円)は大分上に遠のいた。
ボリンジャーのマイナス3σが19960円。
マイナス3σは一応限界だろう。
マイナス3σにタッチの後にリバウンドというのが今年の経験則だ。
一応、マイナス2σが20504円。
気学では「下げ来りて尚安きは小底日となる」。
水曜は「押し目買いの日。不二高を見ることあり」。
木曜は「安値にある時は小底入れを見る」。
金曜は「前場安いと後場引き返す日」。
ただ今夜のNYは残念ながらクリスマスで休場。
NY株式の週間ベース動向。
NYダウは6.9%安、3週続落(累計12.1%下落)。
週間下落率としてはリーマンショック時を超えた。
月間の下落率も12%で12月としては大恐慌後の1931年以来の大きさになりそう。
「GAFA」と呼ばれる米国4大IT企業(グーグル=アルファベット、アップル、フェイスブック、アマゾン)。
時価総額が直近2カ月で約6000億ドル(約67兆円)減少した。
NASDAQは8.4%安、3週続落(同13.6%下落)。
S&P500は7.1%安、3週続落(同12.4%下落)。
東京株式の週間ベース。
日経平均株価は5.7%安、3週続落(累計9.8%下落)。
TOPIXは6.5%安、3週続落(同10.8%下落)。
東証マザーズ指数は13.9%安、3週続落(同19.8%下落)。
日経ジャスダック平均は8.2%安、3週続落(同10.9%下落)。
東証2部指数は9.1%安、6週続落(同15.9%下落)。
NYはクリスマスラリー(年内5営業日と年明け2営業日)のアノマリーはある。
日経平均は12月の最終売買日(今年は28日)を含む週は週間で陽線になる確率も高いアノマリーがある。
週末のNYダウは414ドル安の22445ドルと3日続落。
NASDAQは195ポイント安の6333ポイント。
S&P500は50ポイント安の25416ポイント。
ダウ輸送株指数は155ポイント安の8874ポイント。
SOX指数は1.47%下落。
CME円建ては大証比255円安の19795円。
ドル建ては大証比215ポイント安の19835ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比260円安の19790円。
ドル円は111.21円。
10年国債利回りは2.788%。
週明けのNYダウは653ドル安の21792ドル。
NASDAQは140ポイント安の6192ポイント。
S&P50は65ポイント安の2351ポイント。
(兜町カタリスト櫻井)
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