「オーバーシュートの修正」
週明けのNYダウは一時130ドル安まで下げる場面があったものの終値は小反発。
週末に下げが目立った航空機のボーイングやスポーツ用品のナイキなどが上昇。
「週末の大幅安の反動で押し目買い」との解釈だ。
トランプ米大統領を巡るロシア疑惑で捜査報告書では大統領の罪を認定せずの展開。
「政治リスクが後退し米中交渉やインフラ投資などが進みやすくなる」という思惑も見えた格好。
一方でアップルやアルファベットは下落しNASDAQは続落。
基本的には逆イールド論争が継続し上値は重い展開。
S&P500の動きで語れば「プラスの場面もあったが失速」という見方となる。
ダウ輸送株指数も続落。
長期金利の指標となる表面利率2.625%の10年国債利回りは前日比0.04%低下の(価格は上昇)2.40%。
一時は2.37%とほぼ1年3カ月ぶりの低水準を付けた場面もあった。
独Ifo企業景況感指数が市場予想を上回って上昇。
ユーロ圏の景気減速を巡る警戒感がやや薄れドイツ10年債利回りがマイナス幅を縮小。
「米国債にも売りが波及した」との見方だ。
「私は逆イールドを景気後退入りのシグナルとはみていない」とイエレン前FRB議長。
だから「低格付け債市場がパニックに陥っていない」という指摘もある。
「米株大幅安の主犯として消去法的に出てくるのがアルゴリズム取引による機械的な売り」とう見方がもっともらしげな印象だ。
VIX(恐怖)指数は0.91%低下の16.33。
SKEW(ブラックスワン)指数は0.04%上昇し117.60。
問題ない水準だ。
ただ「最近は相場の急変に際して遅行指数となっている。
年初来の低水準にあることは逆説的に先々の急変を示唆している可能性がある」という警戒感も指摘されるからややこしい。
ドル円は110円を挟んでの動き。
週明けの日経平均は寄り付き360円安、大引け650円安。
窓を開けての大幅安の背景は長短金利の12年ぶりの逆転を受けた週末の欧米株安。
下落幅は一時700円を超え今年最大。
昨年12月25日のクリスマス暴落の1010円安以来の大幅下げとなった。
月曜は今年2敗目。いずれも大幅安だ。
そして2月15日以来の21000円割れ。
NYダウの下落幅が460ドル(1.8%)で日経平均は650円(3.01%)安というのは理不尽」。
そんな自虐的な声も聞こえる。
月曜朝の指摘。
「上昇下落の材料を毎日探さなければならないから解釈はしばしば間違うものでもある」。
この見方もあながち間違いではなかろう。
ようやく上回った26週線は下抜け。
3月4日高値21860円を超えられずに大幅下落。
月曜の安値(20911円)は3月11日安値20938円を下回った形は良くない。
13週線(20844円)や、日足の一目均衡の雲上限(20823円)で売り一巡となるかどうかが課題だ。
値上がり104銘柄(一時50銘柄の時間帯もあった)。
値下がり2104銘柄。
新高値3銘柄、新安値77銘柄と大幅安の割には3ケタに届かなかった。
騰落レシオは101.40。
NT倍率は13.30倍。
25日線からは2.2%のマイナスかい離。
200線からは4.5%のマイナスかい離。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲8.230%。
買い方▲12.393%。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲4.035%。
買い方▲18.530%。
空売り比率は45.0%で14日連続の40%超。
空売り規制なし銘柄比率は9.8%。
日経HVは17.0、日経VIは19.40。
日経平均採用銘柄のPERは12.26倍。
EPSは1711円。
PBRは1.14倍。
シカゴ225先物終値は大証日中比195円高の20935円。
高値21050円、安値20680円。
大証夜間取引終値は日中比230円高の20970円。
現物換算で21000円台回復だ。
結局週末のNYダウの下落率と月曜の日経平均の下落率の差(1.2%)分(=約250円)を埋めた格好。
オーバーシュートの修正と考えれば良いだけのことだ。
週足の一目均衡の雲の下限が22171円。上限が22535円。
日足の勝手雲は金曜に黒くねじれたが薄い。
戻りの期待は勝手雲の上限21356円円を上抜けることだ。
週足の勝手雲は上限21968円、下限20392円。
25日線が21443円でまだ右肩上がり。
75日線は21034円。
日足の雲の上限20823円がサポートしてくれれば29日には白くねじれる。
ボリンジャーのマイナス1σが21244円、マイナス2σが21046円。
マイナス3σが20847円。
「マイナス3σで20821円。
NY株式大幅安と109円台の円高トレンドとはいえ、ココまでは下がらないだろう」。
これが月曜寄り前の観測だった。
気学では「高下荒く初め高いと後安の、戻り売り良し」。
水曜は「関門注意日にして後場仕成りの急変を見る」。
木曜は「変化を起こす重要日。前日来の足取りに注意せよ」。
金曜は「一方に偏して動く。波動について駆け引きせよ」。
10年国債利回りは昨日一時マイナス0.095%まで低下。
2016年8月以来の低水準となった。
日銀が保有国債を一部売却するというショック療法もアリかも知れない。
この債券と株式の綱引きで迎える3月期末権利配当付き最終日。
(兜町カタリスト櫻井)
