「その先を見据えて」

NY株式市場は引け際に上昇幅を拡大した。
背景はトランプ大統領とEUのユンケル欧州委員長との会談。
トランプ大統領は共同記者会見で「自動車を除く工業製品に対し、関税をゼロ、非関税障壁をゼロ、
補助金をゼロとすることに共に取り組んでいくことで合意した。
貿易障壁を取り除くと同時に、サービスや化学製品、医薬品、医療品に加え、
大豆の貿易を拡大することでも連携していく」とコメント。
これを受けてS&P500は取引終了前の30分で0.5%超の上昇となった。
フェイスブックとマイクロソフトは取引時間中に最高値を更新。
ただフェイスブックは第2四半期決算で月間アクティブユーザー数が予想に届かなかったことを悪材料視。
引け後の取引で9%下落している。
NASDAQ先物も上昇幅を縮小。
国債価格はやや上昇。
午前中は日本国債と歩調を合わせるように米国債も上昇。
しかし「日銀が来週金融緩和策の変更に踏み切るという見通しに疑問が拡大した」との声が聞こえる。
ドルは対ユーロで下落。
ドル円は110円台後半での推移。
 
水曜の日経平均は続伸で水曜日は今年9勝目。
6日ぶりに日足は陽線となった。
火曜が113円高、水曜が103円高。
23日の300円安に対して合計で一応3分の2戻しを達成。
5日移動平均線(22596円)も回復。
上海総合指数は4日ぶりの反落となったが見えないフリで中国関連は堅調展開だった。
「火曜に終値で22500円台を回復。
そして一度も22500円を割り込まなかった。
決算が好調だった信越化やアドバンテスト、日本電産などの決算を受けた株価反応に注目」という見方だ。
「しばらくは下げづらく上げやすい地合い。
投資家が自信を取り戻すきっかけになるかも」という妙な楽観論も聞かれ始めた。
もっとも東証1部の売買代金は2兆円割れ。
「夏枯れと決算期待の交錯」という印象だ。
「6月11日の1兆9134億円以来の低水準。
6月11日は6月に2回目の23000円台乗せとなった12日の前日だった」という少数意見もある。
新高値銘柄数41(前日28)、新安値銘柄数10(前日12)。
ささやかに新高値が増えてきた。
騰落レシオは98.49%まで上昇。
25日線(22295円)からは1.4%、200日線(22283円)からは1.5%のプラスかい離。
25日線が昨日上向いたのは良い図柄。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲11.782%。買い方▲9.603%。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲26.18%。買い方▲17.95%。
Quick調査の7月20日現在の信用評価損益率はマイナス11.73%と2週連続の改善。
空売り比率は40.4%と7日連続の40%超。
裁定買い残は672億円増の1兆6459億円。増加は5週ぶり。
同売り残は136億円減の8448億円。減少は6週ぶり。
シカゴ225先物終値は大証日中比10円高の22610円。
ドル円の110円台がやや足かせとなってきた。
NY引け後のフェイスブックの下落を受け止めざるを得ないかどうかが課題の木曜日。
気学の「相場の分かれる日。足取りに追従して駆け引きせよ」の解釈は難しい。
 
来週の日銀金融政策決定会合はどうも波乱なしの気配。
ETF購入についてのは変化は配分の見直し
個別株の価格形成への過度な影響抑えるためTOPIX連動型ETFなどを増やすという。
日経平均株価連動ETF購入額は減らす方向だが年6兆円の購入額自体をすぐに見直そうという意見は少ない。
もともと日本の株式市場を日経225で代表させていることに無理があるのだから当然だろう。
ようやく自然な形にTOPIXが市場の代表となってくれそうば気配だ。
もし実現すれば市場の指数動向はより体感温度に近づくことになる。
もっとも日銀ETF購入6兆円のうち日経平均型は1.5兆円程度。
既に4兆円弱がTOPIX連動型購入。
大きな変化は少なそうだが「ESG」みたいなテーマに偏らないだけ良いようだ。
因みにあるレポート。
「NT倍率はここから0.15 ポイント程度の更なる低下があってもおかしくない。
日経平均で260円程度割負ける可能性がある」。
 
永田町は国会が終了し夏休み。
課題は9月の自民党総裁選になってきた。
岸田政調会長は既の安倍支持を表明。
本来ならば安倍3選を見越して相場の材料にもなりそうだが、ほとんど材料視されず。
加えて野田総務大臣は週刊文春で集中砲火。
無登録の仮想通貨業者を同席させ、金融庁に説明要求をしていた問題が登場した。
金融庁は情報漏えいで職員を処分方針だ。
同時にJC証券の金融業者登録も消したのは野党の問題。
こうなってくると石破氏との一騎打ち路線ということになるのだろう。
6年前の再現というドラマならもうお茶の間は飽きているという感じだが・・・。
小泉進次郎氏、青木幹雄氏、古賀誠氏の動き如何というところなのだろう。
市場はその先の秋以降を見据えて動いているようにも思える。
 
NYダウは172ドル高の25414ドルと続伸。
NASDAQは91ポイント高の7932ポイントと反発。
S&P500は25ポイント高の2846ポイントと3日続伸。
ダウ輸送株指数は244ポイント高の10893イント。
3市場の売買高は66.1億株。
CME円建ては大証比10円高の22610円。
ドル建ては大証25ポイント高の22625ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比変わらずの22600円。
ドル円は110.90円。
10年国債利回りは2.956%。
 
 
◇━━━ カタリスト━━━◇
 
日本空調サービス(4658)・・・動兆。
 
日本空調サービスに注目する。
同社は空調設備等メンテナンスが中核。
病院など新規案件やメンテナンス・リニューアル工事が拡大。
空港、医療施設、製薬工場など特殊施設のメンテナンス関連に期待。 
 
 
 (兜町カタリスト櫻井)

 

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