「その先の未来」
前場の日経平均株価は1003円32銭安の18412円12銭と急続落、
取引時間中では2017年4月19日以来、およそ2年11カ月ぶりの安値水準。
取引時間中に下落幅が1000円超となったのは今年4回目。
寄り付きは351円安だったから日中値幅は約800円。
下落に拍車がかかったのはトランプ大統領の演説以降。
「欧州からの入国停止は、事態がより悪化し先行きが見通せないという印象を市場に与えた」という見方になった。
「金価格まで下落。
ここにきての株売り急ぎは取引所閉鎖といった最悪シナリオまで織り込み始めたのではないか」という極論まで聞かれ始めた。
ドル円の103円台前半も嫌気。
東証1部の売買代金は1兆7347億円。
値上がり26銘柄、値下がり2133銘柄。
東証1部の時価総額は一気に157億円減少し500兆円を割り込んだ。
金利を下げてもウィルスは消えない。
金融緩和でもウィルスは消えない。
必要なのはウィルス退治。
それがすり替わているから余計に見えにくくなっている。
こんな時にFOMCも日銀金融政策決定会合もECB理事会などほぼ役に立たない。
そういう意味ではリーマンショックよりも東日本大震災後の相場とその当時の投資心理を思い起こすべきかも知れない。
決して金融危機なのではない。
極論すれば・・・。
底流にあるのは安全安心の危機と言い換えられるのかも知れない。
昨日ある投資家さんの言葉。
「昨年末の来年の見通しや予想の中の想定されるリスクにウィルス蔓延はありませんでしたね」。
確かに誰も予想だにしなかった新型コロナウィルス。
株式市場は医学や感染症の専門家集団ではないので、理解不能と見通し不能の世界。
そこで辻褄を合わせようと金融政策や景気対策などへの期待感を持ち出してくるから余計にわかりにくくなる。
あれこれ言っても、起こったのは株価の下落。
日経平均は今年4回目のザラバ中に1000円超の下落幅。
東証1部の時価総額は一気に157兆円減少し500兆円を割り込んだ。
市場では「指標的には限界値」。
しかし実態は「行き過ぎもまた相場」。
ある投資家さんは独自のV字回復のチャートを描いてくれた。
「数か月後、なんであんな安い時に買わなかったの。
なんであんな安い時に売った」とのコメント。
その先の未来を見つめる人が少ない中で貴重な言葉だ。
(櫻井)
