「さあ、こっちにおいで」

NY株式市場は上昇。
米国のイラン核合意からの離脱表明を受け1日遅れで原油価格が大幅上昇。
エネルギーセクターが牽引役となった。
「悪いニュースで買うという典型的な流れ。
投資家は過度に神経質になっていた」というのが後講釈だ。
その象徴は金利。
原油高→金利上昇を背景に10年国債利回りは3%台に乗せた。
もっともVIX(恐怖)指数は13.42と1月26日以来の低水準となった。
個別ではアルファベット(グーグル)が上昇し、ウォールマートが下落。
3市場の売買高が70億株台に乗せたのは明るい兆しだろうか。
4月の卸売物価指数(PPI)は前月比0.1%上昇。
市場予想の0.2%を下回り小幅な伸びだった。
「モノとサービスがともに失速」との解釈だ。
次は今夜の消費者物価指数(CPI)待ちというところ。
ドル円は109円台後半で推移。
北朝鮮、中国など地政学リスクの大幅な低下傾向を背景に市場は落ち着いてきた印象だ。
 
 
明らかにトヨタが主役だったが全体に波及できなかったところが水曜日の弱さだったのだろうか。
もっとも東海カーボンや昭和電工が買われ横河電、曙ブレキが売られる展開は決算がメインという格好だ。
日経平均は99.81円安の22408円と5日線(22473円)を下回っており上値は重かった。
25日線(21989円)からは1.9%のプラスかい離。
1日40円下がっている75日線(22048円)を1日20円ずつ上がっている25日線が上抜くのは早ければ今日だ。
一応昨年10月4日以来のゴールデンクロスということになる。
2月20日のデッドクロスから約2ヶ月半の時間がかかった。
騰落レシオは116.66%と低下。
サイコロは6勝6敗で50%。
日経VIは14.95。
空売り比率が39.6%と3日連続40%割れとなったのは好材料だ。
日経平均採用銘柄のEPSは1722円でPERは13.01倍。
「もう12倍台は見たくない」というのが相場の本音だろう。
PBRの1.24倍も低すぎるという声もある。
シカゴ225先物終値は大証日中比65円高の22485円。
ドル円は109円台後半で邪魔はしていない。
26週線(109.30円)は上回った形だ。
今年11勝6敗の木曜の12勝目に期待だ。
日経朝刊「愉楽にて」だって豆孝さんが頑張っている。
「さあ、こっちにおいでだ」。
 
全体の33.7%が通過した3月期決算。
前期売上高は9.1%増、経常利益は19.7%増、純利益は29.9%増。
今期売上高は2.2%増、経常利益は2.5%増、純利益は5.2%減。
また純利益は減になった。
とはいえ、昨日のヒーローはトヨタ。
午後1時25分の決算発表が一大イベントだった。
従来予想を上振れ着地で今期見通しもアナリストコンセンサスを上回るというサプライズ付き。
自社株買い5500万株のおまけまでつていた。
発表10分前からピクついていた株価は発表と同時に大陽線でプラテン。
一部始終を1分足の画像で実況したのは良かったと思う。
そもそも実況というのは今起きていることを忠実にピックアップすること。
決して過去の振り返りではないということを再確認させてくれた。
常にその日のメインイベントをフォーカスすることの重要性とでも言えようか。
「何もない日」など1日もない。
「何もない日」があるとすればそれば怠慢とも言えよう。
「トヨタは大いなる材料株」として買われた、という表現も見られる。
証券マスコミ出身だと違和感がないのかも知れないが、市場出身者にはやや違和感。
もっともトヨタの材料株というのがシックリしないのは古い思考なのかも知れない。
解釈する人間の氏素性というのは結構影響があるものでもある。
とはいえ、日本最大の時価総額の企業の決算。
そのタイミングで世界経済や為替動向、需給動向にプライオリティはなかろう。
「夜間取引や海外ADR取引にいいところを持っていかれてしまうだけだった。
場中の取引に大いなる刺激を与えるという効果があった。
場中の発表がもっと増えるようなら商いも活気づくかもしれない」という声も聞こえる。
「金曜引け後に決算発表だと土日がゆっくり出来ない」というある上場企業トップの声が甦ってくる。
 
日経商品面では「ゴルフ会員券11%上昇」の見出し。
関東主要150コースは前年同月比11.3%高の182.7万円。
特に高額名門コースの法人需要が高いという。
500万~1000万円の会員権の注文は42.9%増加したという。
これは結構象徴的なことになるのかも知れない。
加えれば値上がりはステンレス鋼板、ガソリン、アルミ、そしてとうもろこし。
タマゴの値段が上がってくれば株も再騰の時期を迎えるような気がする。
 
 
NYダウは182ドル高の24542ドルと5日続伸。
NASDAQは73ポイント高の7339ポイントと4日続伸。
S&P500は25ポイント高の2697ポイントと反発。
ダウ輸送株指数は62ポイント高の10507ポイント。
3市場の売買高は71億株と増加。
CME円建ては大証比65円高の22485円。
ドル建ては大証比80ポイント高の22500ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比70円高の22490円。
ドル円は109.74円。
10年国債利回りは3.006%。
 
◇━━━ カタリスト━━━◇
 
ヨネックス(7906)・・・動兆。
 
ヨネックスに注目する。
同社はバドミントン、テニス、ゴルフ用品が中核。
欧米のテニス部門が拡大基調。
中国市場の回復は好材料。
世界最高レベルのカーボン加工技術での風力発電用ブレードもある。
女子ゴルフヨネックスオープンは6月第1週開催予定。
(679円)。
 

(兜町カタリスト櫻井)

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