「いちご白書では市場は繁栄しないだろう」
NY株式市場で主要3指数は大幅反発。
NYダウは1173ドル高と4%超の上昇。
上昇幅は過去2番目の大きさだった。
S&P500も4%超上昇。
S&P500は2月19日に最高値を付けた後は反落。
前週に調整局面入りしていた。
前週末28日の終値から6%近く値を戻した恰好。
ただ2月19日の終値ベース最高値は約7.6%下回っている。
反発の背景の一つは「スーパーチューズデー」でバイデン候補が躍進したこと。
「サンダース候補の急進的な政策スタンスを警戒していた市場参加者の間に安心感が拡大」という解釈だ。
もう一つの指摘は議会で78億ドル(約8400億円)規模のウイルス対策緊急予算措置がまとまったことだろう。
2月のISM非製造業総合指数は57.3と2019年2月以来の高水準で着地。
「新型ウイルス感染拡大でも米経済は基調として底堅い」との見方だ。
2月のADP全米雇用レポートで民間部門雇用者数は18万3000人増。
市場予想の17万人増を上回った。
ただベージュブックは「新型コロナウイルスが旅行や観光に悪影響を与えている兆候がある」と指摘。
「コロナウイルスと大統領選が潜在的なリスク」との見方だ。
急激な株高を背景に国債に対する質への逃避買いが後退。
10年国債利回りは1.055%。
2年国債利回りは0.690%。
ドル円は107円台後半。
恐怖と欲望指数は10→15。
前日は「利下げでコロナは止まらない。利下げはウィルスに効かない」と言われた。
その翌日は「大統領選はウィルス以上の材料」となった印象だ。
まさに市場は「気まぐれ天使」の存在だ。
日経平均は寄り付き185円安、終値17円安と反発。
日足は4日ぶりの陽線。
「上値は追えず」といった格好だった。
PBR1倍割れ回避、TOPIXは1500ポイント攻防戦。
東証1部の売買代金は2兆5244億円と7日ぶりの3兆円割れ(23日連続の2兆円超)。
値上がり802銘柄(前日189銘柄)。
値下がり1265銘柄(前日1038銘柄)。
新高値1銘柄(前日1銘柄)。
新安値360銘柄(前日84銘柄)。
騰落レシオは61.57(前日60.09)。
NTレシオは14.04倍。
2月20日の14.02倍を上抜いた。
1981年2月25日に14.10397倍を付けて以来、約39年ぶりの水準。
サイコロは4勝8敗で33.3%。
右肩下がりの25日線(22942円)からは8.03%のマイナスかい離。
右肩下がりになった75日線は23372円。
右肩下がりになった200日線(22181円)からは4.88%のマイナスかい離。
5日線(21323円)は近づいてきた。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲3.041% 。
買い方▲18.138%。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方△1.341%。
買い方▲28.450%。
空売り比率は46.3%で16日連続の40%超。
空売り規制なし銘柄の比率は6.6%。
Qiock調査の2月21日時点の信用評価損率は▲21.35%と3週連続悪化。
マイナス20%を超えたのは2016年2月12日の25.76%以来。
18年12月21日時点が▲18.78%、16年6月24日時点が▲18.69%だった。
2月21日時点の裁定売り残は392億円増の9120億円。
2週ぶり増加。
当限は708億円増の7034億円。
翌限以降は31億円減の2086億円。
同裁定買い残は1576億円減の4219億円。
2週連続の減少。
当限は1585億円減の3643億円。
翌限以降は9億円増の576億円。
日経HVは23.7、日経VIは33.20。
日経平均採用銘柄の予想PERは12.96倍。
EPSは1628円。
PBRは1.01倍。
BPSは20891円。
225先物採用銘柄の益回りは7.72%。
ドル建て日経平均は196.46(12月13日が219.64)。
東証1部単純平均株価は3円安の1956円。
(2019年末2327円、2018年末2077円、2017年末2946円)。
売買単価は1674円(前日1740円)。
東証1部の時価総額は572兆円。
シカゴ225先物終値は日中比260円高の21390円。
高値21435円、安値20785円。
気学では「気味が悪くても突っ込み売りは見送り。悪目買い狙え」。
金曜は「高下荒く前後場波動を異にする」。
ボリンジャーのマイナス3σ(収まる確率99.7%)が20259円。
マイナス2σ(収まる確率95。4%)が21159円。
マイナス3σ超の乱世を終えてマイナス2σ以内は平時のレベル。
RSIが13.37。
RCIが2.47。
今年4勝4敗の木曜日。
日経平均の2019年3月末値は21205円は超えよう。
同3月中平均の21414.88円がまずターゲット。
今年の曜日別勝敗(3月4日まで)
↓
月曜2勝5敗
火曜3勝5敗
水曜6勝3敗
木曜4勝4敗
金曜4勝4敗
IMFのゲオルギエワ専務理事コメント。
「2020年の世界経済成長率が昨年の2.9%を上回ることはない。
最新の見通しは数週間以内に発表する。
新型ウイルスへの協調対応が重要。
IMFとして貧困国を対象に低金利融資を含む500億ドルの緊急融資枠を設けると。
中国では感染拡大が鈍化しているが20年の成長率はIMFの最新の予測である5.6%を下回るだろう。
ただ中国の生産再開は現時点で約60%。
今後数週間で90%に達すると見込む」。
日経朝刊で指摘されたサンダース候補の政策。
改めて確認してみると・・・。
まずコメント。
「この選挙戦は欲張りなウォール街や大企業、製薬会社を打破するものだ」と過激。
年3兆ドル(320兆円)の増税というのが基本路線だ。
民間保険を廃止して政府が医療保険を全面的に運営する国民皆保険の導入。
このコストは1.8兆ドル。
再生エネルギーに投資して2000万人を新規雇用する「グリーン・ニューディール」。
このコストは1.6兆ドル。
これで3.4兆ドルになる。
咥えて4500万人が抱える教育ローン(約1.6兆ドル)の帳消し。
低所得者向け住宅支援に2500億ドル。
総費用は年4兆ドルを超える政策だ。
そして株式売買への0.5%の課税。
法人税率を21%→35%。
富裕層への資産課税4000億ドル。
医療保険や学生ローンの問題がアメリカの深い闇。
これは「ルポ貧困大国アメリカ」(岩波新書)でも指摘されていたこと。
これらをすべて盛り込んだサンダース政策は結構過激。
マーケットが危惧するのもむべなるかなという政策だ。
「いちご白書」世代の最後の学園紛争という気がしないでもないが・・・。
あるストラテジスト氏との会話の中でも登場したのはPBR0.81倍の話。
今市場はPBR1倍割れを必死に防いでいるしそれが一つの目途だ。
それは2016年1月の中国発の株安。
あるいは18年12月のブラッククリスマスがPBR0.99倍で下げ止まったという経験則。
しかし09年3月のリーマンショック後の安値の時は0.81倍まで低下していたのも歴史。
0.81倍を日経平均株価に当てはめると20891円×0.81=16921円。
いま世界を席巻しているのが「ウィルス性の風邪」なのか、あるいはそれに端を発したリセッションなのか。
現状認識の違いが0.99と0.81の違いになろうか。
朝の解説を聞いていたら、「PBR1倍は岩盤。40年不況の時も1.1倍で止まった」。
記録としてはそうだろうが、当時はおそらく純資産は簿価。
今は時価。
この違いは考慮されているのだろうか。
NYダウは1173ドル高の27090ドルと大幅反発。
27000ドル台回復。
NASDAQは334ポイント高の9018ポイントと反発し9000ポイント台回復。
S&P500は126ポイント高の3130ポイントと反発。
3000ポイント台回復。
ダウ輸送株指数は275ポイント安の9200ポイントと反落。
SOX指数は4.94%上昇。
VIX指数は31.77。
3市場の売買高は約110.4億株と減少(直近20日平均100億株)。
225先物CME円建ては大証日中比260円高の21390円。
ドル建ては大証比日中比265円高の21395円。
ドル円は107.52円。
10年国債利回りは1.055%。
2年国債利回りは0.690%。
◇━━━ カタリスト━━━◇
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(兜町カタリスト櫻井)
