「いいなあ」

昨日と今日と何が違うのだろうというのが素朴な疑問。
ロールが終わったということはもちろんある。
しかし外部材料に大きな変化はない。

アップルの新製品発売?
かといってアップルの株価は続落だ。
中国の微笑み外交?ロシアとの無条件平和条約?
これは株価材料にはならないだろう。

強いて言えば米中間選挙の補選が12日で終わったということだろうか。
補選が終わればトランプ氏はおとなしくなるという観測はあった。
ウォールストリート・ジャーナルの関係筋の話としての報道。
「ムニューシン財務長官が中国側に2国間協議の再開を呼び掛けた」。
あるいは「トランプ政権は米中通商協議の再開に向けて中国側と接触した。
関係者2人が12日明らかにした。
新たな協議の時期や場所は不明」。
これも少し効いたのだろう。 

それよりは、やはりヒジュラ暦の新年といったほうが似合うような気がする。
PERの13倍割れ、騰落レシオの84%台。
これもコツン水準ではない。

内閣府が発表した7月機械受注は、船舶・電力を除く民需で前月比11.0%増。
「市場予想平均の5.5%増を上回ったことが好感された」。
これで200円超の上昇というのも不可解だ。
何を通過したのかは不明瞭なままそれでも日経平均は5度目の挑戦。
「ポスト真実の世界」というのが妙に浮かんでくる。

ちなみにこに「ポスト真実」。
オックスフォード辞典が2016年の「時代を最もよく表す言葉」として選んだ言葉。
客観的事実より、感情的な訴えかけの方が世論形成に大きく影響する状況を意味するという。

数字というものは単なる羅列に過ぎない。
ところが過去からの継続性を加味すると俄然様相は違ってくるから不思議だ。
おそらく株で勝つ方法の一つはこの数字の記憶から推論ができるかどうかだろう。
騰落比率が70%台になった。
裁定買い残が1兆円を切った。
空売り比率がバッケンレコードだ。
日経平均採用銘柄のEPSが1800円を超えた。
200日線からのかい離が40%を超えてきた。
SKEW指数が160%になった。
個々の数字は単なる数字。

しかし継続性をもたせると記録という異常値が浮かび上がることになる。
この異常値に対する触覚こそ育てなければならないものだ。
どうするかといえば毎日眺めることだろう。
朝の10分ほどで構わない。
経済紙の相場欄を眺めて数字の継続性を確認するだけでいい。
あるいは罫線を眺めてかい離を確認するだけでいい。
昔はこれが手作業だった。
ファンドマネージャーだってすべて手書きで行っていたから膨大な時間がかかった。

しかし今はコンピュータのおかげで瞬時に数字やグラフが現れる。
幸せな時間が訪れたものだ。
ただ残念ながら「私だけが知っている」は減少した。
誰でも簡便に数字を捉えられるのだから、手間がなくなった代わりに数字は最大公約数となった。
ただ、誰もの眼の前と通り過ぎている数字でも、読解力には差がある。
この読解力=推論こそ自分の宝物。
人生100年時代を迎えるというのならたとえ古希でもまだまだ肌感覚を養うのは間に合うに違いない。
そう考えると毎日が楽しく苦しくなってくる筈だ。
「一旦火がついたものは何度も来るという相場」と岡本さん。
火が付いた銘柄を覚えておくというのも重要な作業になろうか。

これから月末まで「60歳から楽しく始める株」の本執筆に忙殺且つ悩殺。
ルーティーン以外は何もしたくないというかできない日々が続く。
「来週18~26までお休みいただきます。
ひとにビシバシ書かせておいて呑気に遊んでるな!、という怒りに駆られるかもしれませんことを。
先に謝っておきます(笑)」。
「帰ったら原稿こんなに届いてる」状況を楽しみにしておりますので
どうぞよろしくお願いいたします。。。」。
いいなあ編集者って・・・。

(櫻井)。

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