NY株式市場は続伸。
NYダウは終値で初めて2万2000ドルを突破。
7日続伸し6日連続で史上最高値を更新した。
アイフォーン販売が好調で前日の決算発表が好感されアップルが上昇のけん引役。
4.73%高で過去最高値を更新。
業績もさることながら同社が海外に保有する現金は2568億ドル。
トヨタの時価総額を遥かに凌駕。
オラクルやウォールマートの時価総額も上回っていることも再認識されたのだろう。
何でも欲しがる市場からは「既に年初来で23%上がっているハイテク株。
さらに上昇するには自社株買いを減らして生産性向上のための技術投資を増やすことが必須」という声も聞こえる。
もっとも満足感は満ちている。
「トランプ大統領が政策課題を成し遂げてもそうでなくてもGDPへの効果もしくは悪影響は乏しい。
今後行う可能性がある税制改革は、既に改善しつつある米経済への添え物にすぎない」との楽観論も聞こえる。
債券市場では長短金利差が縮小。
ユーロ/ドルは一時1.1909ドルと2015年1月以来の高値をつけた。
ドル/円は小幅高の110.59円と小動き。
7月ADP雇用レポートで民間雇用者数は17.8万人増(予想18.5万人増)で着地。
水曜の日経平均は続伸。
TOPIXは年初来高値を更新しNT倍率は12.29倍まで低下した。
背景は朝方NYで発表されたアップルの4~6月期決算が予想以上に好調だったこと。
アップル関連株が一斉高となった。
市場からは「NY市場に先んじてアップル効果を満喫。
日経平均は3日ぶりで2万円台回復」という声が聞こえた。
騰落率1%未満は42日連続。
新高値100超は継続。
内閣改造は既に発表された格好でサプライズなし。
225先物大証終値は日中比20円安の20050円。
NYダウの7日続伸22000ドル越えを採用するか。
あるいはNASDAQの0.29ポイント安の反落を採用するかは微妙なところ。
空売り比率の39.1%への低下は悪くない。
日経平均採用銘柄のPERは14.34倍でEPSは1400円(前日1391円)まで増加。
全体の40.3%が通過した4~6月決算での今期純利益が12.8%増加も効いて来ようか。
25日線(20053円)をようやく上抜けたのも心強いアシスト感だ。
一目均衡の雲の上限(19990円)も上抜けている。
ボリンジャのプラス1σ20130円を抜けるかどうかが小さな課題。
8月3日株安の日のアノマリーと今年の続伸は4日までのリズムの綱引きだろ
日経マーケット面では「資本効率高い銘柄に資金」の見出し。
ROE(自己資本利益率)などを基準に構成されているJPX日経400指数が上昇。
約1年10ヶ月ぶりの高値水準となり、2014年の算出以来の高値にあと700ポイントに迫った。
年初からの上昇率は6.8%で日経平均の5.1%を上回って推移。
興味深いのは「自社株買いの減少」。
東証1部上場企業の1~6月の自社株買いの総額は前年同期比半減。
むしろ設備投資意欲の高まりが感じられるところだ。
NYで「自社株買いよりも未来の成長のための設備投資」と言われる前に東京の方が進んでいるのかも知れない。
その意味では未来の企業業績に自信を持つべきだろう。
総合面では「日本企業の稼ぐ力に別指標ROA」の記事。
欧米かぶれチックなROE(自己資本利益率)よりもROA(総資産利益率)重視の姿勢。
背景は政府の「未来投資戦略2017」。
ROICも含め、アレコレとモノサシを替えるところに市場の面白さが同居している印象。
2市場の信用残。
買い残は前週比428億円増の2兆6639億円。
売り残は69億円減の9437億円。
金額ベースでの信用倍率は2.8倍。
これはまだ許容範囲だろう。
ただ株数ベースで見ると買い残3兆1496万株。
売り残8196万株。
信用倍率3.84倍。
これは少し重い水準だ。
もっとも金額ベースの直近最大値は2015年8月の3兆5871億円。
まだアローワンスはあろうか。
一方で裁定残。
7月28日時点の裁定買い残は2週ぶりに減少。
前週比361億円減の1兆5854億円。
4月28日時点以来3カ月ぶりの低水準となった。
裁定売り残高は2週ぶりに増加。
売り残は前週比712億円増の2229億円。
買い残の直近のピークは2015年11月に3兆4511億円。
その前が2015年5月の3兆6997億円。
信用も裁定もあと1兆の余裕となっている。
NYダウは52ドル高の22016ドルと7日続伸。
6日連続で史上最高値を更新した。
NASDAQは0.29ポイント安の6362ポイントと反落。
S&P500は1ポイント高の2477ポイント。
ダウ輸送株指数は29ポイント高の9174ポイント。
3市場の売買高は65億株。
CME円建ては大証比10円安の20060円。
ドル建ては大証比5ポイント高の20075ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比20円安の20050円。
ドル円は110.71円。
10年国債利回りは2.262%。
非公式外資系5社動向は売り550万株、買い750万株。
金額ベースは10億円の売り越し(3日ぶり)。
売りは自動車・食品・紙パ・陸運・銀行セクターなど。
買いは薬品・商社・建設・石油・その他製品セクターなど。
売買交錯は機械・電機・化学・サービスセクターなど。
◇━━━ カタリスト ━━━◇
WSCOPE(6619)・・・動兆
WSCOPEに注目する。
同社はリチウムイオン電池セパレーターが中核。
生産は韓国、販売先は米、中国というのが特色。
中国EV向けは回復基調。
水処理用イオン交換膜にも期待感。
業績は好調。
(兜町カタリスト櫻井)
