[8946]ASIAN STAR
[05月28日更新]
ASIAN STAR(エイシアンスター)<8946>(東証スタンダード)は国内と中国で不動産関連事業を展開し、成長戦略として不動産サービス分野の規模拡大、付加価値創造事業分野のアジア展開、企業価値向上に資する戦略的M&Aおよび資本提携、ファンド組成による提携企業との共同投資を推進している。24年12月期第1四半期、不動産販売事業において新規の戸建開発を慎重に吟味しているため大幅減収で赤字だった。ただし通期の大幅増収増益予想を据え置いている。不動産管理事業では管理受託件数の増加、不動産販売事業では都内のマンション買取再販を強化する方針だ。積極的な事業展開により通期ベースでは収益改善基調だろう。株価は反発力の鈍い形だが徐々に下値を切り上げている。調整一巡して出直りを期待したい。
■国内と中国で不動産事業を展開
国内と中国で不動産関連事業を展開し、中国の上海徳威企業および徳威国際(上海徳威企業の100%子会社)の2社と資本提携している。
23年12月期のセグメント別売上高構成比は、不動産販売事業が34%、不動産管理事業が28%、不動産賃貸事業が18%、不動産仲介事業が21%、投資事業が0%だった。セグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)構成比は、不動産販売事業が24%、不動産管理事業が33%、不動産賃貸事業が17%、不動産仲介事業が26%、投資事業が0%だった。
国内では従来の主力だった投資用マンション開発・販売を縮小し、過去に販売した投資用マンション「グリフィンシリーズ」を中心とする安定収益源の管理・賃貸・仲介、および横浜エリアでの戸建住宅販売にシフトしている。投資事業を行う子会社のASIAN STAR INVESTMENTSは、民泊施設運営代行のオールステイへの投資を実行している。中国ではベルグラビアグループを買収して、サービスアパート運営管理事業、およびワンルームマンション賃貸事業を展開している。
20年12月には子会社の柏雅香港が、資本提携先の中国・徳威企業の子会社である徳威不動産グループ3社(徳威不動産、U−HOME、特庫伊投資)を子会社化した。中国事業全般の事業管理および資金管理を柏雅香港に集約して中国事業の事業規模拡大を推進する。
なお21年12月には、連結子会社(孫会社)で中国においてワンルームマンション賃貸を行っている陽光智寓(香港)の全株式、および上海陽光智寓の全持分を譲渡して連結から除外した。中国における賃貸管理事業については引き続き子会社の柏雅酒店管理(上海)有限公司、上海優宏資産管理有限公司、上海特庫伊投資管理有限公司が行う。
財務戦略では、資本市場を活用した資金調達の検討、財務レバレッジを利用した不動産投資の実施、配当戦略では利益水準に応じた安定的配当の実施、トータル・シェアホルダー・リターン(TSR)等の指標の検討を実施する。23年7月には第三者割当増資を実行した。
■付加価値創造事業分野のアジア展開も推進
中期成長戦略として、事業戦略では不動産サービス分野の規模拡大、付加価値創造事業分野のアジア展開、投資戦略では企業価値向上に資する戦略的M&Aおよび資本提携、ファンド組成による提携企業との共同投資を推進している。
付加価値創造事業分野のアジア展開では、新たな事業ドメインとして医療・健康など「日本において高い付加価値を誇る事業分野のアジア展開のサポート」を推進する方針だ。
20年12月には中国・海南太禾控股集団と戦略提携した。海南省・紅旗国際健康産業タウンプロジェクトを推進する。そして21年2月には、中国・海南太禾控股集団の子会社である中国・海南太禾健康産業と合弁会社設立に向けた契約を締結した。中国・海南太禾控股集団との戦略提携の一環として、紅旗国際健康産業タウンへの日本企業の誘致、日本製先端医療機器・医薬品・サプリメントなどの中国への導入・販売支援等を事業目的とする。
21年9月には、健康コンサルティング会社の中国・広東泛華藍十字健康管理公司と、医療健康サービス分野における戦略提携で覚書を締結した。広東泛華藍十字健康管理公司の親会社である中国・泛華金融ホールディングスグループの顧客に対して、訪日健康診断・先進医療治療・医療ツーリズム等のコーディネートサービスを計画している。日本の高水準の医療健康サービスを提供する。
23年12月には中国国有企業の1社である上海展覧中心(集団)有限公司と、高級サービスアパートメントPJ等においての業務提携意向協定を締結した。
■24年12月期1Q赤字だが通期大幅増益予想
24年12月期の連結業績予想は売上高が23年12月期比73.0%増の36億78百万円、営業利益が76.2%増の94百万円、経常利益が86.5%増の88百万円、親会社株主帰属当期純利益が151.5%増の75百万円としている。
第1四半期は売上高が前年同期比30.0%減の3億27百万円、営業利益が92百万円の損失(前年同期は49百万円の損失)、経常利益が90百万円の損失(同48百万円の損失)、親会社株主帰属四半期純利益が92百万円の損失(同51百万円の損失)だった。不動産販売事業において新規の戸建開発を慎重に吟味しているため大幅減収で赤字だった。
不動産販売事業は売上高が0百万円(同1億47百万円)で営業利益が8百万円の損失(同4百万円の損失)だった。不動産相場の高止まりにより在庫の回転率が長期化する傾向があるため、新規の戸建開発を慎重に吟味している。不動産管理事業は売上高が14.4%増の1億64百万円で営業利益が70.1%減の7百万円だった。建物管理の業容拡大で増収だが、リフォーム業務の収益性が低下した。不動産賃貸事業は売上高が8.7%減の91百万円で営業利益が80.5%減の3百万円だった。前期に投資物件の一部を売却したため賃料収益が減少し、固定費負担の増加も影響した。不動産仲介事業は売上高が6.3%減の74百万円で営業利益が12百万円の損失(同6百万円の損失)だった。賃貸仲介は堅調だったが、売買仲介が伸び悩んだ。
通期連結業績予想は据え置いている。重点施策として、不動産管理事業では安定的な収益獲得と新規管理受託件数増加、不動産販売事業では横浜エリアを中心とした販路拡大と販売戸数増加、都内のマンション買取再販の強化、不動産仲介事業では投資用および居住用物件の積極的な斡旋による取扱件数の増加、タワーマンションなど大型物件の斡旋強化、不動産賃貸事業では稼働率維持と管理契約内容見直しによる収益増加、投資事業では中国および日本企業との協業による本邦不動産投資案件の吟味などを推進する。第1四半期は大幅減収で赤字だったが、積極的な事業展開により通期ベースでは収益改善基調だろう。
■株主優待制度は毎年6月末・12月末の株主対象
株主優待制度は毎年6月末および12月末の50単元(5000株)以上保有株主を対象として実施している。ASIAN STARプレミアム優待倶楽部において、保有株式数に応じた優待ポイントで食品や電化製品などの商品に交換できる。
■株価は調整一巡
株価は反発力の鈍い形だが徐々に下値を切り上げている。調整一巡して出直りを期待したい。5月27日の終値は94円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS3円17銭で算出)は約30倍、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS91円13銭で算出)は約1.0倍、そして時価総額は約22億円である。(
情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[04月23日更新]
ASIAN STAR(エイシアンスター)<8946>(東証スタンダード)は国内と中国で不動産関連事業を展開し、成長戦略として不動産サービス分野の規模拡大、付加価値創造事業分野のアジア展開、企業価値向上に資する戦略的M&Aおよび資本提携、ファンド組成による提携企業との共同投資を推進している。24年12月期は大幅増収増益予想としている。不動産管理事業では管理受託件数の増加、不動産販売事業では都内のマンション買取再販を強化する方針だ。積極的な事業展開で収益改善基調を期待したい。株価は動意づいて急伸する場面があったが、買いが続かず安値圏に回帰した。調整一巡して出直りを期待したい。
■国内と中国で不動産事業を展開
国内と中国で不動産関連事業を展開し、中国の上海徳威企業および徳威国際(上海徳威企業の100%子会社)の2社と資本提携している。
23年12月期のセグメント別売上高構成比は、不動産販売事業が34%、不動産管理事業が28%、不動産賃貸事業が18%、不動産仲介事業が21%、投資事業が0%だった。セグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)構成比は、不動産販売事業が24%、不動産管理事業が33%、不動産賃貸事業が17%、不動産仲介事業が26%、投資事業が0%だった。
国内では従来の主力だった投資用マンション開発・販売を縮小し、過去に販売した投資用マンション「グリフィンシリーズ」を中心とする安定収益源の管理・賃貸・仲介、および横浜エリアでの戸建住宅販売にシフトしている。投資事業を行う子会社のASIAN STAR INVESTMENTSは、民泊施設運営代行のオールステイへの投資を実行している。中国ではベルグラビアグループを買収して、サービスアパート運営管理事業、およびワンルームマンション賃貸事業を展開している。
20年12月には子会社の柏雅香港が、資本提携先の中国・徳威企業の子会社である徳威不動産グループ3社(徳威不動産、U−HOME、特庫伊投資)を子会社化した。中国事業全般の事業管理および資金管理を柏雅香港に集約して中国事業の事業規模拡大を推進する。
なお21年12月には、連結子会社(孫会社)で中国においてワンルームマンション賃貸を行っている陽光智寓(香港)の全株式、および上海陽光智寓の全持分を譲渡して連結から除外した。中国における賃貸管理事業については引き続き子会社の柏雅酒店管理(上海)有限公司、上海優宏資産管理有限公司、上海特庫伊投資管理有限公司が行う。
財務戦略では、資本市場を活用した資金調達の検討、財務レバレッジを利用した不動産投資の実施、配当戦略では利益水準に応じた安定的配当の実施、トータル・シェアホルダー・リターン(TSR)等の指標の検討を実施する。23年7月には第三者割当増資を実行した。
■付加価値創造事業分野のアジア展開も推進
中期成長戦略として、事業戦略では不動産サービス分野の規模拡大、付加価値創造事業分野のアジア展開、投資戦略では企業価値向上に資する戦略的M&Aおよび資本提携、ファンド組成による提携企業との共同投資を推進している。
付加価値創造事業分野のアジア展開では、新たな事業ドメインとして医療・健康など「日本において高い付加価値を誇る事業分野のアジア展開のサポート」を推進する方針だ。
20年12月には中国・海南太禾控股集団と戦略提携した。海南省・紅旗国際健康産業タウンプロジェクトを推進する。そして21年2月には、中国・海南太禾控股集団の子会社である中国・海南太禾健康産業と合弁会社設立に向けた契約を締結した。中国・海南太禾控股集団との戦略提携の一環として、紅旗国際健康産業タウンへの日本企業の誘致、日本製先端医療機器・医薬品・サプリメントなどの中国への導入・販売支援等を事業目的とする。
21年9月には、健康コンサルティング会社の中国・広東泛華藍十字健康管理公司と、医療健康サービス分野における戦略提携で覚書を締結した。広東泛華藍十字健康管理公司の親会社である中国・泛華金融ホールディングスグループの顧客に対して、訪日健康診断・先進医療治療・医療ツーリズム等のコーディネートサービスを計画している。日本の高水準の医療健康サービスを提供する。
23年12月には中国国有企業の1社である上海展覧中心(集団)有限公司と、高級サービスアパートメントPJ等においての業務提携意向協定を締結した。
■24年12月期大幅増収増益予想
24年12月期の連結業績予想は売上高が23年12月期比73.0%増の36億78百万円、営業利益が76.2%増の94百万円、経常利益が86.5%増の88百万円、親会社株主帰属当期純利益が151.5%増の75百万円としている。
重点施策として、不動産管理事業では安定的な収益獲得と新規管理受託件数増加、不動産販売事業では横浜エリアを中心とした販路拡大と販売戸数増加、都内のマンション買取再販の強化、不動産仲介事業では投資用および居住用物件の積極的な斡旋による取扱件数の増加、タワーマンションなど大型物件の斡旋強化、不動産賃貸事業では稼働率維持と管理契約内容見直しによる収益増加、投資事業では中国および日本企業との協業による本邦不動産投資案件の吟味などを推進する方針だ。積極的な事業展開で収益改善基調を期待したい。
■株主優待制度は毎年6月末・12月末の株主対象
株主優待制度は毎年6月末および12月末の50単元(5000株)以上保有株主を対象として実施している。ASIAN STARプレミアム優待倶楽部において、保有株式数に応じた優待ポイントで食品や電化製品などの商品に交換できる。
■株価は調整一巡
株価は動意づいて急伸する場面があったが、買いが続かず安値圏に回帰した。調整一巡して出直りを期待したい。4月22日の終値は94円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS3円17銭で算出)は約30倍、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS91円13銭で算出)は約1.0倍、そして時価総額は約22億円である。
ミロク情報サービスは調整一巡、25年3月期も収益拡大基調
ミロク情報サービス<9928>(東証プライム)は財務・会計ソフトをベースとして、クラウド・サブスク型ビジネスモデルへの転換、ERPソリューションとデジタルマーケティングを融合した統合型DXプラットフォームの構築、グループ連携強化によるグループ会社の独自成長促進、戦略実現を加速する人材力・経営基盤強化などを推進している。24年3月期は先行投資を吸収して増益・増配予想としている。期末に向けてストック収益が積み上がることを勘案すれば通期会社予想に上振れ余地があり、さらに積極的な事業展開で25年3月期も収益拡大基調だろう。株価は2月の高値圏から反落して水準を切り下げたが、調整一巡して出直りを期待したい。
■財務・会計ソフトの開発・販売およびサービス
会計事務所(税理士・公認会計士事務所)と、その顧問先企業である中堅・中小企業向けに、財務・会計ソフトなどの業務用アプリケーションソフト開発・販売、汎用サーバ・パソコン・サプライ用品販売、運用支援・保守サービス、経営情報・コンサルティングサービスなどを展開している。
会計事務所が抱えている課題を解決することで中堅・中小企業の支援に繋がるトータルソリューションを強みとして、全国約8400の会計事務所ユーザー、および約10万社の中堅・中小企業ユーザーを有している。
主力の中堅・中小企業向けERPシステム「MJSLINKシリーズ」は、デロイト トーマツ ミック経済研究所の「基幹業務パッケージソフト(ERP)の市場展望2023年度版」における中規模企業向けERP部門で2年連続売上高1位、富士キメラ総研の「ソフトウェアビジネス新市場2023年版」における中小規模企業向けERP・パッケージ・数量に基づく調査で1位、矢野経済研究所の「2023ERP市場の実態と展望」における年商50億円未満の企業向け財務・会計管理ソリューションのライセンス売上高シェアで09年から14年連続1位となり、トリプルで1位を獲得している。
新製品・新サービスとして、22年4月には中堅企業向け新ERPシステム「Galileopt DX」の提供を開始、22年6月にはクラウド型電子契約サービス「MJS e−ドキュメントCloudサイン」の提供を開始、22年9月には新税務システム「MJS税務DX」の提供を開始、23年1月には「MJSLINK DX」においてクラウド型の新機能「MJS DX伝票入力」の提供を開始した。
23年3月期の品目別売上高は、フロー型のシステム導入契約売上高が22年3月期比16.8%増の236億46百万円(内訳は、ハードウェア売上高が26.7%増の39億39百万円、ソフトウェア売上高が11.2%増の138億02百万円、ユースウェア売上高が25.4%増の59億04百万円)で、ストック型のサービス収入が9.6%増の142億55百万円(内訳は、会計事務所向け総合保守サービスTVSが0.6%増の25億34百万円、ソフトウェア使用料収入が41.6%増の39億34百万円、企業向けソフトウェア運用支援サービス収入が1.6%増の56億84百万円、ハードウェア・ネットワーク保守サービス収入が0.9%増の15億18百万円、サプライ・オフィス用品が3.9%減の5億82百万円)だった。その他は6.1%増の35億59百万円だった。
なお、23年3月期のシステム導入契約売上高の販売先別売上高構成比は、企業向けが55%、会計事務所向けが28%、その他が17%だった。企業向けに占める新規企業比率は27.4%だった。主力ERP製品のサブスク提供数は93.6%増の2059件、ARPU(23年3月度の1顧客当たり平均値)は768千円、サブスク比率(金額ベース)は18.0%、契約継続率は99.1%だった。また、主力ERP製品のサブスク・IaaS提供のARR(各四半期末月のソフト使用料課金収入の12倍)は、22年3月7億01百万円、22年6月9億10百万円、22年9月11億72百万円、22年12月13億87百万円、23年3月15億85百万円と拡大基調である。
■M&A・アライアンスも積極活用
21年1月にブロックチェーン・プラットフォーム開発のToposWareと資本提携、21年6月に税務・会計を中心としたコンテンツ提供や士業事務所の経営支援サービスを提供するKACHIEL(カチエル)と資本業務提携、21年9月にアナリティクス・コンサルティングサービスやAI開発・運用を行うセカンドサイト社と資本業務提携した。22年2月には子会社DX Tokyoを設立した。全国の中小企業を対象にIT専門家シェアリング/サブスク事業を展開する。22年9月には顧客管理・営業支援システム開発・販売のBizMagicを子会社化した。
■クラウドサービス・サブスクモデルへの変革と新規事業の確立を推進
中期経営計画Vision2025(21年度〜25年度)では、経営目標値として26年3月期売上高550億円、経常利益125億円、経常利益率22.7%、ROE20%超を掲げている。内訳は、単体ベース(ERP事業)が売上高360億円で経常利益75億円、グループ会社が売上高150億円で経常利益25億円、グループ新規事業(DX事業)が売上高50億円で経常利益25億円としている。
基本戦略として会計事務所ネットワークno.1戦略、中堅・中小企業向け総合ソリューション・ビジネス戦略、クラウド・サブスク型ビジネスモデルへの転換、新規事業領域の統合型DXプラットフォーム戦略、グループ連携強化によるグループ会社の独自成長促進、戦略実現を加速する人材力・経営基盤強化を推進している。
単体ベース(ERP事業)では、クラウドサービスの拡充とサブスクリプション型収益モデルの比率を高めて、安定的な収益基盤の更なる強化を目指すとともに、価値創造を最大化する総合的なソリューションを展開する。グループ会社では、コンサルティング&技術力の発揮と、グループ再編による生産性の向上を目指す。
グループ新規事業(DX事業)では、ERPソリューションとデジタルマーケティングを融合した新たな統合型DXプラットフォームを構築し、新たなコミュニケーション&クラウドサービスを展開する。グループとして提供する4つのDXプラットフォーム(マーケティングDX、ビジネスDX、オペレーティングDX、ファイナンスDX)をプラットフォーム上で同時に実現することで、デジタル化時代の中小企業・小規模事業者が抱える4つの経営課題(新規顧客開拓および顧客満足度・ロイヤルティ向上、フロントオフィス系のBtoB取引の効率化、バックオフィス系の管理業務の効率化、資金管理・資金調達)を解決するソリューションを目指す戦略だ。
23年7月には、子会社のMJS Finance & Technologyが営むSPALO事業(音声AIを用いたドキュメント作成サービス「SPALO」開発・販売)を承継し、同社のDX事業に組み込んだ。
23年8月には統合型DXプラットフォーム事業において、子会社のトライベックが運営する中所企業向けDXプラットフォームサービス「Hirameki7」が、22年7月のサービス開始から1年で累計導入社数が1万社を突破した。また23年9月には、プライマル社がビジネスパートナー企業に授与する「BizForecast AWARD 2023」においてセールスパートナー賞を受賞した。
24年3月にはデジタル通貨フォーラムのインボイスチェーン分科会(24年5月設立予定)に新規参画すると発表した。同分科会を通じて商取引のDX革新を目指すとしている。
■サステナビリティ経営を推進
22年5月に、持続可能な社会の実現と企業価値の向上に向けて、サステナビリティ基本方針の策定、取り組むべき重要課題(マテリアリティ)の特定、サステナビリティ委員会の設置を発表した。サステナビリティ基本方針は、DX推進による地球環境への貢献、会計事務所と中小企業の経営革新や成長・発展を支援、多様なプロフェッショナル人材が活躍する働きがいのある職場づくり、健全成長のためのガバナンスの強化としている。
22年12月には、人的投資強化の一環として一般職正社員の基本給のベースアップ、通常賞与(夏季・冬季)の増額等を行った結果、23年3月期の一般職正社員の平均年収は9.6%増額となったとリリースしている。また一般職正社員への冬季賞与支給に合わせて、管理職正社員ならびに非正規従業員への臨時手当の支給も実施した。
23年2月にはJリーグ「東京ヴェルディ」およびWEリーグ「日テレ・東京ヴェルディベレーザ」と、2023年シーズンもCSRパートナー(スポンサー)契約を締結した。CSR活動の一環として2008年シーズンから「東京ヴェルディ」のスポンサー契約を継続して今年で16年目となる。2011年からは「日テレ・東京ヴェルディベレーザ」ともスポンサー契約を締結している。
■24年3月期増益・増配予想、25年3月期も収益拡大基調
24年3月期の連結業績予想は売上高が23年3月期比0.3%増の416億円、営業利益が0.3%増の61億円、経常利益が6.2%増の62億円、親会社株主帰属当期純利益が8.8%増の41億円としている。配当予想(2月5日付で期末5円上方修正)は23年3月期比5円増配の50円(期末一括)としている。予想配当性向は36.5%となる。
品目別売上高の計画は、システム導入契約売上高が8.2%減の217億10百万円(ハードウェアが25.4%減の29億39百万円、ソフトウェアが9.6%減の124億80百万円、ユースウェアが6.5%増の62億90百万円)で、サービス収入が9.4%増の155億89百万円(ソフトウェア使用料収入が33.7%増の52億62百万円、企業向けソフトウェア運用支援サービス収入が1.6%増の57億74百万円、会計事務所向け総合保守サービスTVSが0.3%増の25億42百万円、ハードウェア・ネットワーク保守サービス収入が5.5%減の14億34百万円、サプライ・オフィス用品が1.2%減の5億75百万円)、その他が20.8%増の43億円としている。
ソフトウェア使用料収入(サブスク契約におけるソフト保守料を含む)については売り切り型からサブスク型への移行により高成長を見込んでいる。主力ERP製品のサブスク契約社数は49.9%増の3100社、サブスク比率は7.0ポイント上昇の25.0%、ARPUは5.0%増の835千円、ARRは57.5%増の25億90百万円の計画としている。ハードウェアについては半導体不足による納期遅延分が23年3月期に売上計上された反動減を見込んでいる。
第3四半期累計は売上高が前年同期比5.7%増の327億91百万円、営業利益が15.5%減の45億48百万円、経常利益が8.5%減の46億80百万円、親会社株主帰属四半期純利益が11.6%減の32億49百万円だった。
先行投資となる新卒入社社員の積極採用(78名)やベースアップ・昇給による人件費の増加、広告宣伝・販売促進費の増加、開発投資などにより減益だった。営業外損益では持分法投資損益が3億65百万円改善(前年同期は投資損失3億38百万円計上、当期は投資利益18百万円計上)した。特別利益では前期計上の投資有価証券売却益3億83百万円が剥落した。
ただし売上面は順調だった。会計事務所・中小企業向け各種ERP製品の販売が好調に推移した。特に、中堅・中小企業向けERP製品のサブスクリプション型への移行促進により、ソフトウェア使用料収入などストック収益となるサービス収入が大幅に伸長した。
品目別売上高は、システム導入契約売上高が1.4%増の180億99百万円(内訳はハードウェアが10.2%増の33億11百万円、ソフトウェアが5.2%減の98億59百万円、ユースウェアが11.0%増の49億27百万円)で、サービス収入が12.0%増の119億29百万円(内訳は会計事務所向け総合保守サービスTVSが1.1%増の19億20百万円、ソフトウェア使用料収入が38.3%増の40億23百万円、企業向けソフトウェア運用支援サービス収入が3.8%増の44億28百万円、ハードウェア・ネットワーク保守サービス収入が3.8%増の11億78百万円、サプライ・オフィス用品が13.7%減の3億78百万円)だった。
全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が104億84百万円で営業利益が14億30百万円、第2四半期は売上高が106億90百万円で営業利益が13億69百万円、第3四半期は売上高が116億17百万円で営業利益が17億47百万円だった。
通期の連結業績予想は据え置いている。不透明感、サブスクリプション型への移行スピード加速、戦略投資などを考慮して小幅増益にとどまる予想としているが保守的な印象が強い。第3四半期累計の進捗率は売上高が79%、営業利益が75%、経常利益が75%、親会社株主帰属当期純利益が79%と順調である。期末に向けてストック収益が積み上がることを勘案すれば通期会社予想に上振れ余地があり、さらに積極的な事業展開で25年3月期も収益拡大基調だろう。
■株価は調整一巡
株価は2月の高値圏から反落して水準を切り下げたが、調整一巡して出直りを期待したい。4月22日の終値は1643円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS137円06銭で算出)は約12倍、前期推定配当利回り(会社予想の50円で算出)は約3.0%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS813円13銭で算出)は約2.0倍、そして時価総額は約572億円である。(
情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[03月26日更新]
ASIAN STAR(エイシアンスター)<8946>(東証スタンダード)は国内と中国で不動産関連事業を展開し、成長戦略として不動産サービス分野の規模拡大、付加価値創造事業分野のアジア展開、企業価値向上に資する戦略的M&Aおよび資本提携、ファンド組成による提携企業との共同投資を推進している。24年12月期は大幅増収増益予想としている。不動産管理事業では管理受託件数の増加、不動産販売事業では都内のマンション買取再販を強化する方針だ。積極的な事業展開で収益改善基調だろう。株価は動意づいて急伸し、モミ合いから上放れの形となった。上値を試す展開を期待したい。
■国内と中国で不動産事業を展開
国内と中国で不動産関連事業を展開し、中国の上海徳威企業および徳威国際(上海徳威企業の100%子会社)の2社と資本提携している。
23年12月期のセグメント別売上高構成比は、不動産販売事業が34%、不動産管理事業が28%、不動産賃貸事業が18%、不動産仲介事業が21%、投資事業が0%だった。セグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)構成比は、不動産販売事業が24%、不動産管理事業が33%、不動産賃貸事業が17%、不動産仲介事業が26%、投資事業が0%だった。
国内では従来の主力だった投資用マンション開発・販売を縮小し、過去に販売した投資用マンション「グリフィンシリーズ」を中心とする安定収益源の管理・賃貸・仲介、および横浜エリアでの戸建住宅販売にシフトしている。投資事業を行う子会社のASIAN STAR INVESTMENTSは、民泊施設運営代行のオールステイへの投資を実行している。中国ではベルグラビアグループを買収して、サービスアパート運営管理事業、およびワンルームマンション賃貸事業を展開している。
20年12月には子会社の柏雅香港が、資本提携先の中国・徳威企業の子会社である徳威不動産グループ3社(徳威不動産、U−HOME、特庫伊投資)を子会社化した。中国事業全般の事業管理および資金管理を柏雅香港に集約して中国事業の事業規模拡大を推進する。
なお21年12月には、連結子会社(孫会社)で中国においてワンルームマンション賃貸を行っている陽光智寓(香港)の全株式、および上海陽光智寓の全持分を譲渡して連結から除外した。中国における賃貸管理事業については引き続き子会社の柏雅酒店管理(上海)有限公司、上海優宏資産管理有限公司、上海特庫伊投資管理有限公司が行う。
財務戦略では、資本市場を活用した資金調達の検討、財務レバレッジを利用した不動産投資の実施、配当戦略では利益水準に応じた安定的配当の実施、トータル・シェアホルダー・リターン(TSR)等の指標の検討を実施する。23年7月には第三者(YEAR GOLD、QUEEN VENATION、Rila Internationalの3社)割当増資を実行した。発行新株式数は450万株、発行価額は1株につき89円で、資金使途は戦略的投資としている。
■付加価値創造事業分野のアジア展開も推進
中期成長戦略として、事業戦略では不動産サービス分野の規模拡大、付加価値創造事業分野のアジア展開、投資戦略では企業価値向上に資する戦略的M&Aおよび資本提携、ファンド組成による提携企業との共同投資を推進している。
付加価値創造事業分野のアジア展開では、新たな事業ドメインとして医療・健康など「日本において高い付加価値を誇る事業分野のアジア展開のサポート」を推進する方針だ。
20年12月には中国・海南太禾控股集団と戦略提携した。海南省・紅旗国際健康産業タウンプロジェクトを推進する。そして21年2月には、中国・海南太禾控股集団の子会社である中国・海南太禾健康産業と合弁会社設立に向けた契約を締結した。中国・海南太禾控股集団との戦略提携の一環として、紅旗国際健康産業タウンへの日本企業の誘致、日本製先端医療機器・医薬品・サプリメントなどの中国への導入・販売支援等を事業目的とする。
21年9月には、健康コンサルティング会社の中国・広東泛華藍十字健康管理公司と、医療健康サービス分野における戦略提携で覚書を締結した。広東泛華藍十字健康管理公司の親会社である中国・泛華金融ホールディングスグループの顧客に対して、訪日健康診断・先進医療治療・医療ツーリズム等のコーディネートサービスを計画している。日本の高水準の医療健康サービスを提供する。
23年12月には中国国有企業の1社である上海展覧中心(集団)有限公司と、高級サービスアパートメントPJ等においての業務提携意向協定を締結した。
■24年12月期大幅増収増益予想
24年12月期の連結業績予想は売上高が23年12月期比73.0%増の36億78百万円、営業利益が76.2%増の94百万円、経常利益が86.5%増の88百万円、親会社株主帰属当期純利益が151.5%増の75百万円としている。
重点施策として、不動産管理事業では安定的な収益獲得と新規管理受託件数増加、不動産販売事業では横浜エリアを中心とした販路拡大と販売戸数増加、都内のマンション買取再販の強化、不動産仲介事業では投資用および居住用物件の積極的な斡旋による取扱件数の増加、タワーマンションなど大型物件の斡旋強化、不動産賃貸事業では稼働率維持と管理契約内容見直しによる収益増加、投資事業では中国および日本企業との協業による本邦不動産投資案件の吟味などを推進する方針だ。積極的な事業展開で収益改善基調だろう。
■株主優待制度は毎年6月末・12月末の株主対象
株主優待制度は毎年6月末および12月末の50単元(5000株)以上保有株主を対象として実施している。ASIAN STARプレミアム優待倶楽部において、保有株式数に応じた優待ポイントで食品や電化製品などの商品に交換できる。
■株価は動意づいて急伸
株価は動意づいて急伸し、モミ合いから上放れの形となった。上値を試す展開を期待したい。3月25日の終値は103円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS3円17銭で算出)は約32倍、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS91円13銭で算出)は約1.1倍、そして時価総額は約25億円である。(
情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
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