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[4763]クリーク・アンド・リバー社

[03月18日更新]

クリーク・アンド・リバー社は調整一巡、25年2月期も収益拡大基調

クリーク・アンド・リバー社<4763>(東証プライム)は、クリエイティブ分野を中心にプロフェッショナル・エージェンシー事業、プロデュース事業、ライツマネジメント事業を展開し、プロフェッショナル50分野構想を掲げて事業領域拡大戦略を加速している。直近のM&Aとしては、生成AIを活用してクリエイターの総合支援を行うリヴァイを子会社化(株式譲受実行日3月13日)した。24年2月期は2桁営業・経常増益予想としている。日本クリエイティブ分野を中心に各セグメントが好調に推移し、人材投資やDX投資など成長に向けた戦略投資によるコスト増加を吸収する見込みだ。さらに25年2月期も積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は水準を切り下げて昨年来安値圏だが調整一巡感を強めている。出直りを期待したい。なお4月11日に24年2月期決算発表を予定している。
 
■クリエイティブ分野中心にエージェンシー事業やプロデュース事業を展開
 
 クリエイティブ分野(映画・TV番組・ゲーム・Web・広告・出版等の制作)で活躍するクリエイターを対象としたプロフェッショナル・エージェンシー(派遣・紹介)事業、プロデュース(制作請負・アウトソーシング)事業、およびライツマネジメント(知的財産の流通)事業を展開している。
 
 プロフェッショナル8領域(クリエイティブ、メディカル・ヘルスケア、コンストラクション、クオリティ・オブ・ライフ、ライフサイエンス、コンピュータサイエンス、エンジニアリング、経営支援)の18分野に展開し、さらにプロフェッショナル50分野構想を掲げ、グループ資産を活用した商品・サービス・プロジェクトの開発や事業領域の拡大を推進している。23年2月期末時点でプロフェッショナルクリエイター36万8000人、クライアント4万8000社のネットワークを構築していることが強みだ。
 
 新規エージェンシー事業としては建築、ファッション、シェフ、プロフェッサー、ドローン、舞台芸術、リサーチャー(研究開発支援者)、CXO(CEO、CFO、CMOなど企業における業務や機能の最高責任者の総称)などを展開している。
 
 また23年1月にテレビ番組企画・制作や人材サービスなどを展開するシオン・グループ3社を子会社化、23年5月に施設建築領域全般においてマネジメント・セミナー事業を展開するALFA PMCを子会社化、24年2月にVR・メタバース関連事業を展開するShiftall社を子会社化、24年3月に生成AIを活用してクリエイターの総合支援を行うリヴァイを子会社化し、グループは31社となった。
 
 なお23年3月には経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」に認定された。
 
■事業シナジー強化
 
 事業シナジーを見越した資本参加としては、バイオベンチャーのCO2資源化研究所、アグリベンチャーのプラントライフシステムズ、不動産仲介プラットフォームのエージェント・グロース(事業上の通称はケラー・ウィリアムズ・ジャパン)、弁護士保険のミカタ少額短期保険、NFT関連のブロックチェーンエンターテインメント事業を展開するシンガポールDEA社、子ども向けオンライン世界旅行のMimmyなどに出資している。22年9月にはWeb3事業・NFT事業パートナーとしての連携強化を図るためシンガポールDEA社に追加出資した。
 
 22年10月には投資事業を行う子会社としてC&Rインキュベーションラボを設立した。既存事業とのシナジーや新規事業立ち上げのシーズ獲得など、グループとしてのM&A・事業承継、事業再生への取り組みを本格化させる方針だ。そして24年2月期第3四半期末時点で、劇団運営および公演のYTJ、食品原料Web売買プラットフォームのICS−net、エンジニア派遣のネクサスホールディングス、IPO・IRテックのUniforce、毛髪再生医療・次世代インプラントのオーガンテックに出資している。
 
■日本クリエイティブ分野が拡大基調
 
 23年2月期の事業分野別の構成比は売上高がプロデュース44%、エージェンシー派遣39%、エージェンシー紹介13%、ライツマネジメント・他4%、売上総利益がプロデュース36%、エージェンシー派遣22%、エージェンシー紹介35%、ライツマネジメント・他7%だった。
 
 セグメント別の構成比は、売上高が日本クリエイティブ分野69%、韓国クリエイティブ分野8%、医療分野12%、会計・法曹分野5%、その他(IT分野のエージェンシー事業、新規事業など)6%、営業利益(調整前)が日本クリエイティブ分野69%、韓国クリエイティブ分野▲0%、医療分野34%、会計・法曹分野4%、その他▲7%だった。
 
 日本クリエイティブ分野の領域別構成比は売上高がゲーム38%、Web28%、映像(テレビ・映画)27%、電子書籍・YouTube等3%、新規エージェンシー4%、その他1%、営業利益がゲーム54%、Web30%、映像16%、電子書籍・YouTube等16%、新規エージェンシー▲2%、他▲14%だった。
 
 なお韓国クリエイティブ分野は、TVマーケット関連事業を新設会社に承継してCREEK&RIVER ENTERTAINMENTを18年2月期第2四半期から持分法適用関連会社としたが、20年1月9日付で株式を追加取得し、改めて連結子会社化した。
 
 収益面では、医療分野の売上と利益が季節要因で第1四半期と第2四半期(特に第1四半期)に偏重するため、全体としても上期の構成比が高い特性がある。主力の日本クリエイティブ分野は売上・営業利益とも拡大基調である。新規事業分野は人件費などの費用が先行するが順次収益化を見込んでいる。
 
■プロフェッショナル50分野構想
 
 中長期の成長戦略として「プロフェッショナル50分野構想」を掲げ、23年4月策定の新中期経営計画では、最終年度26年2月期の目標値に売上高605億円、営業利益56.5億円、営業利益率9.3%を掲げている。株主還元については、配当性向目標を従来の20%水準から30%水準に引き上げた。
 
 基本戦略としては、プロフェッショナル分野のさらなる拡大(プロフェッショナル50分野構想)、新規サービスの創出(プロフェッショナルの能力を活かす新たな価値の創造)、経営人材の創出、コーポレートガバナンスの強化を推進する。M&A・アライアンスも積極活用して事業領域拡大戦略を加速する方針だ。
 
 グループ資産を活かした商品・サービス・プロジェクトとしては、漫画家発掘・デジタル配信事業のプラットフォーム「漫画LABO」、クリニックの経営支援、メタバース関連のVR建築展示場「XR EXPO」、独自のVR映像配信技術を活用した低遅延VRリアルタイム配信システム・VR遠隔医療教育システム、AR胸腔ドレナージ(順天堂大学と医療ARを共同研究・開発中)、AI需要予測「Forecasting Experience」、事業承継・M&A事業、アパレル分野のDXを支援する「sture(ストゥーラ)」、漫画に音楽や音声を融合した動画「モーションコミック」(プラットフォーム開発中)などがある。
 
 23年3月にはクリエイター専用の仕事・交流特化型メタバース「C&R Creative Studios Metaverse」β1版を一般公開した。世界中のクリエイターが客船「C&R Creative Studios号」に乗船して交流とアイテムの融合を図ることで、世界を革新するコンテンツやサービスを生み出すことをコンセプトとしている。24年2月にはC&R Creative Studiosから独立する形で、企業のDX支援業務など行うC&R DX STUDIOを開設した。
 
 アグリテックを活用した新サービス(23年2月に川崎市に6次化農業・実習施設開設、24年7月に福島県大熊町にスマート農業施設開設予定など)や、ChatGPT活用製品の開発なども推進している。さらに、ゲーム・建築・食分野において業界未経験者の育成機関を開講した。業界ニーズに対応した独自の人材循環モデルを構築する。
 
■24年2月期2桁営業・経常増益予想、25年2月期も収益拡大基調
 
 24年2月期の連結業績予想は、売上高が23年2月期比13.3%増の500億円、営業利益が13.7%増の45億円、経常利益が12.4%増の45億円、親会社株主帰属当期純利益が3.5%増の30億円としている。なお24年2月期より配当性向を従来の20%水準から30%水準に引き上げることとし、24年2月期の配当予想は23年2月期比14円増配の41円(期末一括)としている。連続大幅増配で予想配当性向は30.4%となる。
 
 第3四半期累計は売上高が前年同期比13.9%増の378億28百万円、営業利益が4.9%増の34億82百万円、経常利益が5.2%増の35億24百万円、親会社株主帰属四半期純利益が4.4%減の22億77百万円だった。
 
 増収、営業・経常増益と順調だった。日本クリエイティブ分野の順調な拡大が牽引し、新卒採用増加やDX投資増加の影響を吸収した。四半期純利益は前期計上の特別利益(投資有価証券売却益、子会社株式売却益、段階取得に係る差益)の剥落により減益だった。なおグループ全体での23年4月入社新卒社員は344名(日本クリエイティブ分野277名、医療分野9名、会計・法曹分野6名、その他52名、22年4月はグループ合計160名)だった。
 
 日本クリエイティブ分野は売上高が16.3%増の261億76百万円、営業利益(全社費用等調整前)が6.1%増の22億60百万円だった。ゲーム・WEB関連を中心にプロデュース事業が好調に推移し、人件費・研修費やDXなど戦略投資に伴う費用増加を吸収した。
 
 韓国クリエイティブ分野は売上高が4.8%増の27億35百万円だが、営業利益が25百万円の損失(前年同期は11百万円の損失)だった。Webtoonが伸長して増収だが、TV局への派遣稼働数が減少し、Webtoonへの投資増加も影響して損失拡大した。
 
 医療分野は売上高が4.1%増の44億60百万円、営業利益が1.3%減の12億78百万円だった。医師紹介・イベント事業は順調だったが、ワクチン接種関連スポット案件の反動影響(第1四半期1億28百万円、第2四半期45百万円、第3四半期50百万円)により小幅減益だった。
 
 会計・法曹分野は売上高が10.3%増の18億87百万円、営業利益が9.0%増の1億21百万円だった。紹介事業が伸長した。
 
 その他事業(新規事業合計16社)は売上高が22.0%増の25億69百万円、営業利益が1億52百万円の損失(同2億11百万円の損失)だった。投資段階事業が多いため全体として営業損失だが、前年比では損失縮小した。売上面の内訳は16社のうち8社で合計3億36百万円増収、新規設立・グループ化7社で合計1億74百万円増収、連結除外1社で60百万円減収、利益面の内訳は5社で合計2億20百万円増益、投資が増加した5社で合計80百万円減益、新規設立・グループ化7社で合計59百万円減益だった。
 
 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が127億45百万円で営業利益が15億80百万円、第2四半期は売上高が125億10百万円で営業利益が10億22百万円、第3四半期は売上高が125億72百万円で営業利益が8億80百万円だった。第1四半期は新卒社員の未稼働人件費やワクチン接種関連スポット案件の反動などの影響を受けたが、第2四半期と第3四半期は新卒社員の稼働進捗なども寄与して、いずれも過去最高の営業利益だった。なお医療分野の収益は第1四半期と第2四半期に偏重する季節特性がある。
 
 通期の連結業績予想は据え置いている。日本クリエイティブ分野を中心に各セグメントが好調に推移し、人材投資やDX投資など成長に向けた戦略投資によるコスト増加を吸収して2桁営業・経常増益予想としている。
 
 事業別の計画は、日本クリエイティブ分野の売上高が18%増の358億円で営業利益が13%増の31億円、韓国クリエイティブ分野の売上高が横ばいの34億60百万円で営業利益が0百万円の利益(23年2月期は16百万円の損失)、医療分野の売上高が8%増の56億40百万円で営業利益が5%増の14億円、会計・法曹分野の売上高が11%増の25億60百万円で営業利益が19%増の1億90百万円、その他の売上高が34%増の41億円で営業利益が50百万円の損失(同2億75百万円の損失)としている。
 
 第3四半期累計の進捗率は売上高76%、営業利益77%、経常利益78%、親会社株主帰属当期純利益76%である。医療分野の利益が上期(特に第1四半期)偏重であることを考慮するとやや低水準の形だが、新卒社員の稼働が下期に本格化して収益貢献していることを勘案すれば、通期会社予想の達成は可能と考えられる。
 
 また新中期経営計画では、最終年度26年2月期の計画を売上高605億円、営業利益56.5億円、営業利益率9.3%としている。売上高・営業利益の着実な成長とともに、利益率の向上を目指す方針だ。25年2月期も積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
 
■株価は調整一巡
 
 株価は水準を切り下げて昨年来安値圏だが調整一巡感を強めている。出直りを期待したい。3月15日の終値は1868円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS135円04銭で算出)は約14倍、前期推定配当利回り(会社予想の41円で算出)は約2.2%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS637円32銭で算出)は約2.9倍、そして時価総額は約430億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
 
[02月27日更新]

クリーク・アンド・リバー社は調整一巡、24年2月期2桁営業・経常増益予想

 クリーク・アンド・リバー社<4763>(東証プライム)は、クリエイティブ分野を中心にプロフェッショナル・エージェンシー事業、プロデュース事業、ライツマネジメント事業を展開し、プロフェッショナル50分野構想を掲げて事業領域拡大戦略を加速している。24年2月期は2桁営業・経常増益予想としている。日本クリエイティブ分野を中心に各セグメントが好調に推移し、人材投資やDX投資など成長に向けた戦略投資によるコスト増加を吸収する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は昨年来安値圏に回帰してやや軟調だったが調整一巡感を強めている。出直りを期待したい。

■クリエイティブ分野中心にエージェンシー事業やプロデュース事業を展開

 クリエイティブ分野(映画・TV番組・ゲーム・Web・広告・出版等の制作)で活躍するクリエイターを対象としたプロフェッショナル・エージェンシー(派遣・紹介)事業、プロデュース(制作請負・アウトソーシング)事業、およびライツマネジメント(知的財産の流通)事業を展開している。

 プロフェッショナル8領域(クリエイティブ、メディカル・ヘルスケア、コンストラクション、クオリティ・オブ・ライフ、ライフサイエンス、コンピュータサイエンス、エンジニアリング、経営支援)の18分野に展開し、さらにプロフェッショナル50分野構想を掲げ、グループ資産を活用した商品・サービス・プロジェクトの開発や事業領域の拡大を推進している。23年2月期末時点でプロフェッショナルクリエイター36万8000人、クライアント4万8000社のネットワークを構築していることが強みだ。

 新規エージェンシー事業としては建築、ファッション、シェフ、プロフェッサー、ドローン、舞台芸術、リサーチャー(研究開発支援者)、CXO(CEO、CFO、CMOなど企業における業務や機能の最高責任者の総称)などを展開している。23年1月にはテレビ番組企画・制作や人材サービスなどを展開するシオン・グループ3社を子会社化、23年5月には施設建築領域全般においてマネジメント・セミナー事業を展開するALFA PMCを子会社化、24年2月にはVR・メタバース関連事業を展開するShiftall社を子会社化し、グループは30社となった。

 なお23年3月には経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」に認定された。

■事業シナジー強化

 事業シナジーを見越した資本参加としては、バイオベンチャーのCO2資源化研究所、アグリベンチャーのプラントライフシステムズ、不動産仲介プラットフォームのエージェント・グロース(事業上の通称はケラー・ウィリアムズ・ジャパン)、弁護士保険のミカタ少額短期保険、NFT関連のブロックチェーンエンターテインメント事業を展開するシンガポールDEA社、子ども向けオンライン世界旅行のMimmyなどに出資している。

 22年9月にはシンガポールDEA社と共同で、DEA社のGameFiiプラットフォーム「PlayMining」での23年春リリースに向けて、オリジナルのNFTiiゲーム「HERO SPIRAL(ヒーロースパイラル)」の共同開発開始を発表した。デジタル上で新たな体験として実現することをコンセプトとした「次世代拠点シミュレーションゲーム×NFT軍団バトルゲーム」である。またWeb3事業・NFT事業パートナーとしての連携強化を図るためシンガポールDEA社に追加出資した。

 22年10月には投資事業を行う子会社としてC&Rインキュベーションラボを設立した。既存事業とのシナジーや新規事業立ち上げのシーズ獲得など、グループとしてのM&A・事業承継、事業再生への取り組みを本格化させる方針だ。そして24年2月期第3四半期末時点で、劇団運営および公演のYTJ、食品原料Web売買プラットフォームのICS−net、エンジニア派遣のネクサスホールディングス、IPO・IRテックのUniforce、毛髪再生医療・次世代インプラントのオーガンテックに出資している。

■日本クリエイティブ分野が拡大基調

 23年2月期の事業分野別の構成比は売上高がプロデュース44%、エージェンシー派遣39%、エージェンシー紹介13%、ライツマネジメント・他4%、売上総利益がプロデュース36%、エージェンシー派遣22%、エージェンシー紹介35%、ライツマネジメント・他7%だった。

 セグメント別の構成比は、売上高が日本クリエイティブ分野69%、韓国クリエイティブ分野8%、医療分野12%、会計・法曹分野5%、その他(IT分野のエージェンシー事業、新規事業など)6%、営業利益(調整前)が日本クリエイティブ分野69%、韓国クリエイティブ分野▲0%、医療分野34%、会計・法曹分野4%、その他▲7%だった。

 日本クリエイティブ分野の領域別構成比は売上高がゲーム38%、Web28%、映像(テレビ・映画)27%、電子書籍・YouTube等3%、新規エージェンシー4%、その他1%、営業利益がゲーム54%、Web30%、映像16%、電子書籍・YouTube等16%、新規エージェンシー▲2%、他▲14%だった。

 なお韓国クリエイティブ分野は、TVマーケット関連事業を新設会社に承継してCREEK&RIVER ENTERTAINMENTを18年2月期第2四半期から持分法適用関連会社としたが、20年1月9日付で株式を追加取得し、改めて連結子会社化した。

 収益面では、医療分野の売上と利益が季節要因で第1四半期と第2四半期(特に第1四半期)に偏重するため、全体としても上期の構成比が高い特性がある。主力の日本クリエイティブ分野は売上・営業利益とも拡大基調である。新規事業分野は人件費などの費用が先行するが順次収益化を見込んでいる。

■プロフェッショナル50分野構想

 中長期の成長戦略として「プロフェッショナル50分野構想」を掲げ、23年4月策定の新中期経営計画では、最終年度26年2月期の目標値に売上高605億円、営業利益56.5億円、営業利益率9.3%を掲げている。株主還元については、配当性向目標を従来の20%水準から30%水準に引き上げた。

 基本戦略としては、プロフェッショナル分野のさらなる拡大(プロフェッショナル50分野構想)、新規サービスの創出(プロフェッショナルの能力を活かす新たな価値の創造)、経営人材の創出、コーポレートガバナンスの強化を推進する。M&A・アライアンスも積極活用して事業領域拡大戦略を加速する方針だ。

 グループ資産を活かした商品・サービス・プロジェクトとしては、漫画家発掘・デジタル配信事業のプラットフォーム「漫画LABO」、クリニックの経営支援、メタバース関連のVR建築展示場「XR EXPO」、独自のVR映像配信技術を活用した低遅延VRリアルタイム配信システム・VR遠隔医療教育システム、AR胸腔ドレナージ(順天堂大学と医療ARを共同研究・開発中)、AI需要予測「Forecasting Experience」、事業承継・M&A事業、アパレル分野のDXを支援する「sture(ストゥーラ)」、漫画に音楽や音声を融合した動画「モーションコミック」(プラットフォーム開発中)などがある。

 22年12月にはYouTube上で展開するマルチチャンネルネットワーク(MCN)のThe Online Creators(OC)が、TV番組制作会社4社と共同で企業の重要目標達成指標(KGI)の実現を図る動画制作サービスOCPX(The Oline Creators Production Transformation)を開始した。

 23年3月にはクリエイター専用の仕事・交流特化型メタバース「C&R Creative Studios Metaverse」β1版を一般公開した。世界中のクリエイターが客船「C&R Creative Studios号」に乗船して交流とアイテムの融合を図ることで、世界を革新するコンテンツやサービスを生み出すことをコンセプトとしている。今後の予定としては、23年夏までに展示エリア、交流エリア、セミナールームなどを追加したβ版に発展させ、さらに機能を充実させて24年春ごろの本格稼働を目指す計画としている。

 アグリテックを活用した新サービス(23年2月に川崎市に6次化農業・実習施設開設、24年7月に福島県大熊町にスマート農業施設開設予定など)や、ChatGPT活用製品の開発なども推進している。さらに、ゲーム・建築・食分野において業界未経験者の育成機関を開講した。業界ニーズに対応した独自の人材循環モデルを構築する。

■24年2月期2桁営業・経常増益予想

 24年2月期の連結業績予想は、売上高が23年2月期比13.3%増の500億円、営業利益が13.7%増の45億円、経常利益が12.4%増の45億円、親会社株主帰属当期純利益が3.5%増の30億円としている。なお24年2月期より配当性向を従来の20%水準から30%水準に引き上げることとし、24年2月期の配当予想は23年2月期比14円増配の41円(期末一括)としている。連続大幅増配で予想配当性向は30.4%となる。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比13.9%増の378億28百万円、営業利益が4.9%増の34億82百万円、経常利益が5.2%増の35億24百万円、親会社株主帰属四半期純利益が4.4%減の22億77百万円だった。

 増収、営業・経常増益と順調だった。日本クリエイティブ分野の順調な拡大が牽引し、新卒採用増加やDX投資増加の影響を吸収した。四半期純利益は前期計上の特別利益(投資有価証券売却益、子会社株式売却益、段階取得に係る差益)の剥落により減益だった。なおグループ全体での23年4月入社新卒社員は344名(日本クリエイティブ分野277名、医療分野9名、会計・法曹分野6名、その他52名、22年4月はグループ合計160名)だった。

 日本クリエイティブ分野は売上高が16.3%増の261億76百万円、営業利益(全社費用等調整前)が6.1%増の22億60百万円だった。ゲーム・WEB関連を中心にプロデュース事業が好調に推移し、人件費・研修費やDXなど戦略投資に伴う費用増加を吸収した。

 韓国クリエイティブ分野は売上高が4.8%増の27億35百万円だが、営業利益が25百万円の損失(前年同期は11百万円の損失)だった。Webtoonが伸長して増収だが、TV局への派遣稼働数が減少し、Webtoonへの投資増加も影響して損失拡大した。

 医療分野は売上高が4.1%増の44億60百万円、営業利益が1.3%減の12億78百万円だった。医師紹介・イベント事業は順調だったが、ワクチン接種関連スポット案件の反動影響(第1四半期1億28百万円、第2四半期45百万円、第3四半期50百万円)により小幅減益だった。

 会計・法曹分野は売上高が10.3%増の18億87百万円、営業利益が9.0%増の1億21百万円だった。紹介事業が伸長した。

 その他事業(新規事業合計16社)は売上高が22.0%増の25億69百万円、営業利益が1億52百万円の損失(同2億11百万円の損失)だった。投資段階事業が多いため全体として営業損失だが、前年比では損失縮小した。売上面の内訳は16社のうち8社で合計3億36百万円増収、新規設立・グループ化7社で合計1億74百万円増収、連結除外1社で60百万円減収、利益面の内訳は5社で合計2億20百万円増益、投資が増加した5社で合計80百万円減益、新規設立・グループ化7社で合計59百万円減益だった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が127億45百万円で営業利益が15億80百万円、第2四半期は売上高が125億10百万円で営業利益が10億22百万円、第3四半期は売上高が125億72百万円で営業利益が8億80百万円だった。第1四半期は新卒社員の未稼働人件費やワクチン接種関連スポット案件の反動などの影響を受けたが、第2四半期と第3四半期は新卒社員の稼働進捗なども寄与して、いずれも過去最高の営業利益だった。なお医療分野の収益は第1四半期と第2四半期に偏重する季節特性がある。

 通期の連結業績予想は据え置いている。日本クリエイティブ分野を中心に各セグメントが好調に推移し、人材投資やDX投資など成長に向けた戦略投資によるコスト増加を吸収して2桁営業・経常増益予想としている。
 
 事業別の計画は、日本クリエイティブ分野の売上高が18%増の358億円で営業利益が13%増の31億円、韓国クリエイティブ分野の売上高が横ばいの34億60百万円で営業利益が0百万円の利益(23年2月期は16百万円の損失)、医療分野の売上高が8%増の56億40百万円で営業利益が5%増の14億円、会計・法曹分野の売上高が11%増の25億60百万円で営業利益が19%増の1億90百万円、その他の売上高が34%増の41億円で営業利益が50百万円の損失(同2億75百万円の損失)としている。

 第3四半期累計の進捗率は売上高76%、営業利益77%、経常利益78%、親会社株主帰属当期純利益76%である。医療分野の利益が上期(特に第1四半期)偏重であることを考慮するとやや低水準の形だが、新卒社員の稼働が下期に本格化して収益貢献していることを勘案すれば、通期会社予想の達成は可能と考えられる。

 また新中期経営計画では、最終年度26年2月期の計画を売上高605億円、営業利益56.5億円、営業利益率9.3%としている。売上高・営業利益の着実な成長とともに、利益率の向上を目指す方針だ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は調整一巡

 23年10月26日に発表した自己株式取得(上限26万5000株・5億円、取得期間23年10月27日〜24年2月29日)については、24年2月7日時点で累計取得株式数が25万3300株となって終了した。

 株価は昨年来安値圏に回帰してやや軟調だったが調整一巡感を強めている。出直りを期待したい。2月26日の終値は1943円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS135円04銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の41円で算出)は約2.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS637円32銭で算出)は約3.0倍、そして時価総額は約447億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[01月09日更新]

クリーク・アンド・リバー社は上値試す、24年2月期2桁営業・経常増益予想

 クリーク・アンド・リバー社<4763>(東証プライム)は、クリエイティブ分野を中心にプロフェッショナル・エージェンシー事業、プロデュース事業、ライツマネジメント事業を展開し、プロフェッショナル50分野構想を掲げて事業領域拡大戦略を加速している。24年2月期は2桁営業・経常増益予想としている。日本クリエイティブ分野の順調な拡大が牽引し、新卒採用増加やDXなどの成長投資による費用増加を吸収する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は水準を切り上げて戻り高値圏だ。上値を試す展開を期待したい。なお1月11日に24年2月期第3四半期決算発表を予定している。

■クリエイティブ分野中心にエージェンシー事業やプロデュース事業を展開

 クリエイティブ分野(映画・TV番組・ゲーム・Web・広告・出版等の制作)で活躍するクリエイターを対象としたプロフェッショナル・エージェンシー(派遣・紹介)事業、プロデュース(制作請負・アウトソーシング)事業、およびライツマネジメント(知的財産の流通)事業を展開している。

 プロフェッショナル8領域(クリエイティブ、メディカル・ヘルスケア、コンストラクション、クオリティ・オブ・ライフ、ライフサイエンス、コンピュータサイエンス、エンジニアリング、経営支援)の18分野に展開し、さらにプロフェッショナル50分野構想を掲げ、グループ資産を活用した商品・サービス・プロジェクトの開発や事業領域の拡大を推進している。23年2月期末時点でプロフェッショナルクリエイター36万8000人、クライアント4万8000社のネットワークを構築していることが強みだ。

 新規エージェンシー事業としては建築、ファッション、シェフ、プロフェッサー、ドローン、舞台芸術、リサーチャー(研究開発支援者)、CXO(CEO、CFO、CMOなど企業における業務や機能の最高責任者の総称)などを展開している。23年1月にはテレビ番組企画・制作や人材サービスなどを展開するシオン・グループ3社を子会社化、23年5月には施設建築領域全般においてマネジメント・セミナー事業を展開するALFA PMCを子会社化し、グループは29社となった。

 なお23年3月には経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」に認定された。

■事業シナジー強化

 事業シナジーを見越した資本参加としては、バイオベンチャーのCO2資源化研究所、アグリベンチャーのプラントライフシステムズ、不動産仲介プラットフォームのエージェント・グロース(事業上の通称はケラー・ウィリアムズ・ジャパン)、弁護士保険のミカタ少額短期保険、NFT関連のブロックチェーンエンターテインメント事業を展開するシンガポールDEA社、子ども向けオンライン世界旅行のMimmyなどに出資している。

 22年9月にはシンガポールDEA社と共同で、DEA社のGameFiiプラットフォーム「PlayMining」での23年春リリースに向けて、オリジナルのNFTiiゲーム「HERO SPIRAL(ヒーロースパイラル)」の共同開発開始を発表した。デジタル上で新たな体験として実現することをコンセプトとした「次世代拠点シミュレーションゲーム×NFT軍団バトルゲーム」である。またWeb3事業・NFT事業パートナーとしての連携強化を図るためシンガポールDEA社に追加出資した。

 22年10月には投資事業を行う子会社としてC&Rインキュベーションラボを設立した。既存事業とのシナジーや新規事業立ち上げのシーズ獲得など、グループとしてのM&A・事業承継、事業再生への取り組みを本格化させる方針だ。そして23年2月期末時点で、劇団運営および公演のYTJ、食品原料のWeb売買プラットフォームを展開するICS−netに出資している。

■日本クリエイティブ分野が拡大基調

 23年2月期の事業分野別の構成比は売上高がプロデュース44%、エージェンシー派遣39%、エージェンシー紹介13%、ライツマネジメント・他4%、売上総利益がプロデュース36%、エージェンシー派遣22%、エージェンシー紹介35%、ライツマネジメント・他7%だった。

 セグメント別の構成比は、売上高が日本クリエイティブ分野69%、韓国クリエイティブ分野8%、医療分野12%、会計・法曹分野5%、その他(IT分野のエージェンシー事業、新規事業など)6%、営業利益(調整前)が日本クリエイティブ分野69%、韓国クリエイティブ分野▲0%、医療分野34%、会計・法曹分野4%、その他▲7%だった。

 日本クリエイティブ分野の領域別構成比は売上高がゲーム38%、Web28%、映像(テレビ・映画)27%、電子書籍・YouTube等3%、新規エージェンシー4%、その他1%、営業利益がゲーム54%、Web30%、映像16%、電子書籍・YouTube等16%、新規エージェンシー▲2%、他▲14%だった。

 なお韓国クリエイティブ分野は、TVマーケット関連事業を新設会社に承継してCREEK&RIVER ENTERTAINMENTを18年2月期第2四半期から持分法適用関連会社としたが、20年1月9日付で株式を追加取得し、改めて連結子会社化した。

 収益面では、医療分野の売上と利益が季節要因で第1四半期と第2四半期(特に第1四半期)に偏重するため、全体としても上期の構成比が高い特性がある。主力の日本クリエイティブ分野は売上・営業利益とも拡大基調である。新規事業分野は人件費などの費用が先行するが順次収益化を見込んでいる。

■プロフェッショナル50分野構想

 中長期の成長戦略として「プロフェッショナル50分野構想」を掲げ、23年4月策定の新中期経営計画では、最終年度26年2月期の目標値に売上高605億円、営業利益56.5億円、営業利益率9.3%を掲げている。株主還元については、配当性向目標を従来の20%水準から30%水準に引き上げた。

 基本戦略としては、プロフェッショナル分野のさらなる拡大(プロフェッショナル50分野構想)、新規サービスの創出(プロフェッショナルの能力を活かす新たな価値の創造)、経営人材の創出、コーポレートガバナンスの強化を推進する。M&A・アライアンスも積極活用して事業領域拡大戦略を加速する方針だ。

 グループ資産を活かした商品・サービス・プロジェクトとしては、漫画家発掘・デジタル配信事業のプラットフォーム「漫画LABO」、クリニックの経営支援、メタバース関連のVR建築展示場「XR EXPO」、独自のVR映像配信技術を活用した低遅延VRリアルタイム配信システム・VR遠隔医療教育システム、AR胸腔ドレナージ(順天堂大学と医療ARを共同研究・開発中)、AI需要予測「Forecasting Experience」、事業承継・M&A事業、アパレル分野のDXを支援する「sture(ストゥーラ)」、漫画に音楽や音声を融合した動画「モーションコミック」(プラットフォーム開発中)などがある。

 22年5月には「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)とともに、地域の未来社会を創造する首長連合」(万博首長連合)と、地域の産業や経済の発展を目指す支援包括連携協定を締結した。22年11月には、メタバース空間での住宅展示場プラットフォーム「超建築メタバース」の本格提供を開始した。既に今秋のメタバース関連展示会において、イベント用として企業で活用され始め、ハウスメーカー、デベロッパー、工務店などで導入提案が複数進展している。

 22年12月にはYouTube上で展開するマルチチャンネルネットワーク(MCN)のThe Online Creators(OC)が、TV番組制作会社4社と共同で企業の重要目標達成指標(KGI)の実現を図る動画制作サービスOCPX(The Oline Creators Production Transformation)を開始した。

 23年3月にはクリエイター専用の仕事・交流特化型メタバース「C&R Creative Studios Metaverse」β1版を一般公開した。世界中のクリエイターが客船「C&R Creative Studios号」に乗船して交流とアイテムの融合を図ることで、世界を革新するコンテンツやサービスを生み出すことをコンセプトとしている。今後の予定としては、23年夏までに展示エリア、交流エリア、セミナールームなどを追加したβ版に発展させ、さらに機能を充実させて24年春ごろの本格稼働を目指す計画としている。

 さらに、アグリテックを活用した新サービス(23年2月に川崎市に6次化農業・実習施設開設、24年7月に福島県大熊町にスマート農業施設開設予定など)や、ChatGPT活用製品の開発なども推進している。

■24年2月期2桁営業・経常増益予想

 24年2月期の連結業績予想は、売上高が23年2月期比13.3%増の500億円、営業利益が13.7%増の45億円、経常利益が12.4%増の45億円、親会社株主帰属当期純利益が3.5%増の30億円としている。なお24年2月期より配当性向を従来の20%水準から30%水準に引き上げることとし、24年2月期の配当予想は23年2月期比14円増配の41円(期末一括)としている。連続大幅増配で予想配当性向は30.4%となる。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比13.1%増の252億56百万円、営業利益が3.6%増の26億02百万円、経常利益が4.1%増の26億26百万円、親会社株主帰属四半期純利益が3.9%減の17億18百万円だった。

 概ね計画水準の増収、営業・経常増益と順調だった。日本クリエイティブ分野が牽引し、新卒採用増加に伴う研修費増加や子会社新設など戦略投資によるコスト増加を吸収した。親会社株主帰属四半期純利益は前期計上の特別利益(段階取得に係る差益95百万円)の反動により減益だった。計画達成率は売上高が100%、営業利益が102%、経常利益が103%、親会社株主帰属四半期純利益が101%だった。なおグループ全体で新卒社員344名(旧C&Rグループ299名、23年1月に子会社化したシオン・グループ45名、22年はグループ合計160名)が入社した。

 日本クリエイティブ分野は、売上高が15.6%増の173億01百万円で営業利益(調整前)が1.3%減の14億60百万円だった。利益面は人件費・研修費やDXなど戦略投資の影響で小幅減益だったが、売上面はゲーム・WEB関連のプロデュース事業が好調に推移し、シオン・グループの新規連結も寄与した。

 韓国クリエイティブ分野は売上高が3.5%減の17億08百万円で、営業利益が14百万円の損失(前年同期は3百万円の損失)だった。TV局への派遣稼働数が減少し、Webtoonへの投資増加も影響して赤字拡大した。

 医療分野は売上高が5.1%増の33億47百万円で営業利益が2.5%増の11億75百万円だった。ワクチン接種関連スポット案件の反動影響(営業利益へのマイナス影響は第1四半期1億28百万円、第2四半期45百万円)を受けたものの、全体として医師紹介事業が伸長した。

 会計・法曹分野は売上高が13.2%増の12億68百万円で営業利益が47.4%増の92百万円だった。紹介事業が伸長した。

 その他事業(新規事業合計16社)は、売上高が25.8%増の16億30百万円で、営業利益が1億13百万円の損失(同1億81百万円の損失)だった。投資段階(新規設立・グループ化7社、連結除外1社)のため全体として営業損失だが、売上面は16社のうち8社が増収(合計2億68百万円増収)となり、利益面は5社が増益(合計1億55百万円)だった。特にIT分野の収益が改善した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が127億45百万円で営業利益が15億80百万円、第2四半期は売上高が125億10百万円で営業利益が10億22百万円だった。第1四半期は新卒社員の未稼働人件費やワクチン接種関連スポット案件の反動などの影響を受けたが、第2四半期は新卒社員の稼働進捗なども寄与して、売上高・営業利益とも過去最高だった。なお医療分野の収益は第1四半期に偏重する季節特性がある。

 通期の連結業績予想は据え置いている。日本クリエイティブ分野の順調な拡大が牽引し、新卒採用増加に伴う研修費増加やDX投資など、成長投資による費用増加を吸収する見込みだ。

 日本クリエイティブ分野は売上高が18%増の358億円で営業利益(調整前)が13%増の31億円、韓国クリエイティブ分野は売上高が横ばいの34億60百万円で営業利益が0百万円の利益(23年2月期は16百万円の損失)、医療分野は売上高が8%増の56億40百万円で営業利益が5%増の14億円、会計・法曹分野は売上高が11%増の25億60百万円で営業利益が19%増の1億90百万円、その他は売上高が34%増の41億円で営業利益が50百万円の損失(同2億75百万円の損失)の計画としている。

 第2四半期累計の進捗率は売上高51%、営業利益58%、経常利益58%、親会社株主帰属当期純利益57%である。医療分野の利益が上期偏重(特に第1四半期)であることを考慮しても概ね順調と言えるだろう。新中期経営計画では最終年度26年2月期の計画を売上高605億円、営業利益56.5億円、営業利益率9.3%としている。売上高・営業利益の着実な成長とともに、利益率の向上を目指す方針だ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 10月26日に発表した自己株式取得(上限26万5000株・5億円、取得期間23年10月27日〜24年2月29日)については、23年12月31日時点の累計取得株式数が11万3800株となっている。

 株価は水準を切り上げて戻り高値圏だ。上値を試す展開を期待したい。1月5日の終値は2210円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS135円04銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想の41円で算出)は約1.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS637円32銭で算出)は約3.5倍、そして時価総額は約508億円である。情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
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