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[3135]マーケットエンタープライズ

[04月18日更新]

マーケットエンタープライズは売られ過ぎ感、25年6月期収益回復期待

  マーケットエンタープライズ<3135>(東証プライム)は、持続可能な社会を実現する最適化商社を目指してネット型リユース事業、メディア事業、モバイル通信事業を展開している。中期経営計画では、個人向けリユース分野における投資を拡大し、リユース市場でのプレゼンス確立を推進する方針としている。24年6月期は増収・営業増益だが、経常・最終赤字予想としている。個人向けリユース分野において売上高が計画を下回り、期初予想では織り込んでいなかったデリバティブ評価損益の悪化や減損損失の計上なども影響する見込みだ。ただし積極的な事業展開で25年6月期の収益回復を期待したい。株価は昨年来安値を更新する形で軟調だが売られ過ぎ感を強めている。調整一巡して出直りを期待したい。なお5月14日に24年6月期第3四半期決算発表を予定している。
 
■持続可能な社会を実現する最適化商社
 
持続可能な社会を実現する最適化商社を目指し、ITとリアルを融合させたリユース事業を中心に事業領域拡大戦略を推進している。セグメント区分はインターネットに特化してリユース品を買取・販売するネット型リユース事業、消費者に対して有益な情報をインターネットメディアで提供するメディア事業、低価格通信サービスのモバイル通信事業としている。
 
23年6月期セグメント別売上構成比(調整前)はネット型リユース事業55%、メディア事業5%、モバイル通信事業40%、営業利益構成比(調整前)はネット型リユース事業27%、メディア事業36%、モバイル通信事業37%だった。23年6月期は全事業とも大幅増益だった。
 
なお、大株主だったYJ1号投資事業組合から信託期間満了により保有株式売却の意向が寄せられたことに伴い、市場売却による株価形成への影響を避けるため、22年9月14日付でSBI証券と差金決済型自社株価先渡取引に係る契約を締結した。そして22年9月15日付の立会外終値取引(ToSTNeT―2)によって、YJ1号投資事業組合が保有していた同社株式40万株をSBI証券が取得した。今後の会計上の取り扱いとしては、各四半期末時点で時価評価を実施し、前四半期末との差額を営業外収益または費用に計上する。
 
■「高く売れるドットコム」と「おいくら」
 
ネット型リユース事業は販売店舗を保有せずに、インターネットに特化して買取・販売サービスを展開している。買取総合窓口サイト「高く売れるドットコム」をフラッグシップサイトとして、商材別に分類された30カテゴリーに及ぶ幅広い対応で自社WEB買取サイトを運営し、コンタクトセンターにおける事前査定、リユースセンターにおける買取・在庫一括管理・商品化、複数の主要Eマーケットプレイス(ヤフオク、楽天市場、Amazon、Ebayなど)に出店した自社運営サイトでの販売という、一気通貫のオペレーションシステムを特徴としている。また「高く売れるドットコム」と日本最大級のリユースプラットフォーム「おいくら」(19年2月に事業譲受)のシステム連携・送客も強化している。
 
リユースセンターについては、23年9月に広島リユースセンター、大阪リユースセンター東住吉店(大阪府内としては吹田市に続く2拠点目)を開設し、全国16拠点となった。
 
なお24年3月には「Yahoo!オークション Best Store Awards 2023」において、家電部門、PC・スマホ部門、楽器・器材部門の3部門で部門賞1位を受賞し、約2万ストアの中から総合賞4位に選出された。
 
地域社会における課題解決を目的として地方自治体との取り組みを推進し、リユースプラットフォーム「おいくら」を導入した自治体の不用品リユース事業は24年1月に福島県伊達市、茨城県龍ケ崎市、三重県亀山市、宮崎県宮崎市、岐阜県可児市、福島県南相馬市、24年2月に愛知県豊明市、島根県江津市、静岡県焼津市、千葉県柏市、神奈川県小田原市、愛知県長久手市、千葉県千葉市、福島県会津若松市、24年3月に東京都大田区、栃木県栃木市、兵庫県伊丹市、兵庫県加古川市、神奈川県横須賀市、茨城県笠間市、茨城県下妻市、静岡県島田市、鹿児島県曽於市、東京都町田市、埼玉県入間市、24年4月に愛知県北名古屋市、愛知県江南市、佐賀県唐津市、高知県いの町、福岡県春日市で導入され、導入自治体が全国で124となった。また24年2月には茨城県県西8市と包括連携協定を締結した。
 
■中古農機具
 
中古農機具、中古建機、中古医療機器など法人向け大型商材の取り扱いを拡大している。子会社MEトレーディングは20年5月に中古農機具事業を譲り受けて、中古農機具の買取代行、国内および海外販売・輸出代行を展開している。
 
21年10月にマシナリー(中古農機具)ビジネス加速に向けて北関東リユースセンター(茨城県結城市)を開設、21年11月に北関東リユースセンターから中古農機具のEU向け輸出を開始し、中古農機具の取扱量拡大・EUへの輸出強化、拠点での対面販売による新規就農者支援などを推進している。22年4月にはファーマリーが展開する中古農機具の買取・販売事業を譲り受けた。
 
なお販売商流の多様化を目指し、カーチスホールディングス<7602>のグループ会社で中古車輸出のアガスタと業務提携した。そして22年12月には、海外向け中古車販売サイト「PicknBuy24.com」を通じて、アフリカへの販路開拓を目的とした中古農機具のテスト販売を開始した。
 
23年3月には就農者支援と新規就農促進を目的として中古農機具を用いたリユース連携を開始した。第1弾として福島市と連携した。中古農機具市場の活性化を促進することで、農業の観点からも持続可能な社会形成を目指すとしている。
 
■メディア事業とモバイル通信事業
 
メディア事業は賢い消費を求める消費者に対して、その消費行動に資する有益な情報をインターネットメディアで提供するサービスを展開している。広告収入が収益柱となる。
 
モバイル通信関連のメディア「iPhone格安SIM通信」「SIMチェンジ」、モノ売却・処分関連のメディア「高く売れるドットコムMAGAZINE」「おいくらマガジン」、モノ修理関連のメディア「最安修理ドットコム」、中古農機具買取・販売プラットフォーム「中古農機市場UMM」、農業に特化した「農業とつながる情報メディアUMM」などを運営している。
 
なお「中古農機市場UMM」は、20年4月設立した子会社UMMが、20年5月国内最大級のインターネット中古農機具売買事業「JUM全国中古農機市場」を譲り受け、20年6月に名称を「中古農機市場UMM」に変更した。
 
モバイル通信事業は、子会社のMEモバイルがMVNO事業者として、通信費の削減に資する低価格かつシンプルで分かりやすい通信サービスを展開している。主力は「カシモ」ブランドのモバイルデータ通信サービスである。23年2月には「カシモWiMAX」が、カカクコムの「価格.com」内の「モバイル回線プロバイダ 人気ランキング2022年」において、モバイルルーター部門・ホームルータ部門でともに年間1位となり、総合ランキング1位を獲得した。
 
■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書
 
22年4月に実施された東京証券取引所の市場再編ではプライム市場を選択し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を公表(21年12月24日付で提出、23年9月29日付で更新)した。中期経営計画に掲げた積極投資を経て、目標値を達成して安定的な収益基盤を構築した後、26年6月期までにプライム市場上場維持基準に適合できる体制の構築に取り組むとしている。
 
24年3月18日には23年12月末時点での計画進捗状況を公表した。1日平均売買代金については基準に適合したが、流通株式時価総額については基準を充たしていないため、引き続き、中期経営計画に掲げた積極投資を経て、目標値を達成して安定的な収益基盤を構築した後、26年6月期までにプライム市場上場維持基準に適合できる体制の構築に取り組むとしている。
 
なお中期経営計画については、23年6月期の業績を踏まえて、23年8月14日付で新3ヶ年中期経営計画(ローリング方式により見直し、24年6月期〜26年6月期)を公表した。そして目標値に26年6月期売上高300億円、営業利益20億円を掲げた。主に個人向けリユース分野における投資を拡大し、リユース市場でのプレゼンス確立を推進する方針としている。
 
■24年6月期は経常・最終赤字予想、25年6月期収益回復期待
 
24年6月期の連結業績予想(2月14日付で下方修正)は売上高が23年6月期比18.0%増の180億円、営業利益が5.7%増の1億円、経常利益が1億35百万円の損失(23年6月期は94百万円の利益)、親会社株主帰属当期純利益が5億47百万円の損失(同2億90百万円の利益)としている。
 
第2四半期累計は売上高が前年同期比15.4%増の85億26百万円、営業利益が41百万円の損失(前年同期は43百万円の損失)、経常利益が2億82百万円の損失(同73百万円の損失)、親会社株主帰属四半期純利益が6億27百万円の損失(同1億34百万円の損失)だった。
 
売上面は個人リユース事業が牽引して2桁増収だが、営業利益は成長投資を継続しているため前年並みの赤字、経常利益はデリバティブ評価損益の悪化(SBI証券との差金決済型自社株価先渡取引契約に基づくデリバティブ評価損益の悪化、前年同期は評価益4百万円で当期は評価損1億91百万円)で赤字拡大、そして四半期純利益は投資回収遅れに伴う減損損失1億90百万円の計上も影響して赤字拡大した。
 
なお営業利益+1百万円の増減要因分析は、増益要因として増収要因+4億14百万円、粗利益率改善(0.2ポイント改善)+17百万円、減益要因として人件費・採用費増加▲2億94百万円、拠点関連費用増加▲1億07百万円、その他販管費増加(業容拡大に伴う荷造運賃・販売手数料等の増加)▲28百万円だった。
 
ネット型リユース事業は売上高が25.5%増の51億11百万円で、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が25.7%増の1億53百万円だった。売上面は個人向けリユース、マシナリー、おいくらとも好調に推移し、利益面では第2四半期以降の生産性向上策も寄与した。
 
メディア事業は売上高が16.0%減の3億30百万円で、利益が33.1%減の1億54百万円だった。主にGoogle社が実施した検索エンジンにおけるコアアルゴリズム変更の影響を受け、主なメディアの検索ランキングが変動し、全体としてPV(ページビュー)数が低調に推移した。
 
モバイル通信事業は売上高が3.9%増の31億13百万円で利益が103.2%増の1億76百万円だった。新規回線の獲得数が堅調に推移した。
 
全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が41億06百万円で営業利益が1億54百万円の損失、第2四半期は売上高が44億20百万円で営業利益が1億13百万円だった。第2四半期は新規拠点開設などの先行投資をこなしながら営業損益が改善した。
 
通期は前回予想(23年8月14日公表)に対して売上高を20億円、営業利益を7億円、経常利益を8億80百万円、親会社株主帰属当期純利益を9億17百万円それぞれ下方修正した。個人向けリユース分野において、出張買取人員の教育や高粗利案件への対応が想定よりも時間を要しているため売上高が計画を下回り、営業利益は増益幅が縮小、経常利益と純利益は赤字予想としている。コスト面では第3四半期に予定している本社移転費用の計上も影響する見込みだ。さらに、期初予想では織り込んでいなかったデリバティブ評価損益の悪化や減損損失の計上なども影響する見込みだ。なお通期のデリバティブ評価損益の見込みについては第2四半期末水準を据え置いている。
 
なお下方修正の経営責任を明確にするため役員報酬の減額を決議した。24年6月期は経常・最終赤字予想となったが、積極的な事業展開で25年6月期の収益回復を期待したい。
 
■株価は売られ過ぎ感
 
株価は昨年来安値を更新する形で軟調だが売られ過ぎ感を強めている。調整一巡して出直りを期待したい。4月17日の終値は691円、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS253円92銭で算出)は約2.7倍、そして時価総額は約37億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[03月21日更新]

マーケットエンタープライズは調整一巡、25年6月期収益回復期待

 
 マーケットエンタープライズ<3135>(東証プライム)は、持続可能な社会を実現する最適化商社を目指してネット型リユース事業、メディア事業、モバイル通信事業を展開している。中期経営計画では、個人向けリユース分野における投資を拡大し、リユース市場でのプレゼンス確立を推進する方針としている。24年6月期は下方修正して経常・最終赤字予想としている。個人向けリユース分野において売上高が計画を下回り、期初予想では織り込んでいなかったデリバティブ評価損益の悪化や減損損失の計上なども影響する見込みだ。ただし積極的な事業展開で25年6月期の収益回復を期待したい。株価は昨年来安値圏で軟調だが調整一巡して出直りを期待したい。
 
■持続可能な社会を実現する最適化商社
 
 持続可能な社会を実現する最適化商社を目指し、ITとリアルを融合させたリユース事業を中心に事業領域拡大戦略を推進している。セグメント区分はインターネットに特化してリユース品を買取・販売するネット型リユース事業、消費者に対して有益な情報をインターネットメディアで提供するメディア事業、低価格通信サービスのモバイル通信事業としている。
 
 23年6月期セグメント別売上構成比(調整前)はネット型リユース事業55%、メディア事業5%、モバイル通信事業40%、営業利益構成比(調整前)はネット型リユース事業27%、メディア事業36%、モバイル通信事業37%だった。23年6月期は全事業とも大幅増益だった。
 
 なお、大株主だったYJ1号投資事業組合から信託期間満了により保有株式売却の意向が寄せられたことに伴い、市場売却による株価形成への影響を避けるため、22年9月14日付でSBI証券と差金決済型自社株価先渡取引に係る契約を締結した。そして22年9月15日付の立会外終値取引(ToSTNeT―2)によって、YJ1号投資事業組合が保有していた同社株式40万株をSBI証券が取得した。今後の会計上の取り扱いとしては、各四半期末時点で時価評価を実施し、前四半期末との差額を営業外収益または費用に計上する。
 
■「高く売れるドットコム」と「おいくら」
 
 ネット型リユース事業は販売店舗を保有せずに、インターネットに特化して買取・販売サービスを展開している。買取総合窓口サイト「高く売れるドットコム」をフラッグシップサイトとして、商材別に分類された30カテゴリーに及ぶ幅広い対応で自社WEB買取サイトを運営し、コンタクトセンターにおける事前査定、リユースセンターにおける買取・在庫一括管理・商品化、複数の主要Eマーケットプレイス(ヤフオク、楽天市場、Amazon、Ebayなど)に出店した自社運営サイトでの販売という、一気通貫のオペレーションシステムを特徴としている。また「高く売れるドットコム」と日本最大級のリユースプラットフォーム「おいくら」(19年2月に事業譲受)のシステム連携・送客も強化している。
 
 リユースセンターについては、23年9月に広島リユースセンター、大阪リユースセンター東住吉店(大阪府内としては吹田市に続く2拠点目)を開設し、全国16拠点となった。
 
 なお24年3月には「Yahoo!オークション Best Store Awards 2023」において、家電部門、PC・スマホ部門、楽器・器材部門の3部門で部門賞1位を受賞し、約2万ストアの中から総合賞4位に選出された。
 
 地域社会における課題解決を目的として地方自治体との取り組みを推進しており、リユースプラットフォーム「おいくら」を導入した自治体の不用品リユース事業は、24年1月には福島県伊達市、茨城県龍ケ崎市、三重県亀山市、宮崎県宮崎市、岐阜県可児市、福島県南相馬市、24年2月には愛知県豊明市、島根県江津市、静岡県焼津市、千葉県柏市、神奈川県小田原市、愛知県長久手市、千葉県千葉市、福島県会津若松市、24年3月には東京都大田区、栃木県栃木市、兵庫県伊丹市、兵庫県加古川市で導入され、導入自治体が全国で112となった。また24年2月には茨城県県西8市と包括連携協定を締結した。
 
■中古農機具
 
 中古農機具、中古建機、中古医療機器など法人向け大型商材の取り扱いを拡大している。子会社MEトレーディングは20年5月に中古農機具事業を譲り受けて、中古農機具の買取代行、国内および海外販売・輸出代行を展開している。
 
 21年10月にマシナリー(中古農機具)ビジネス加速に向けて北関東リユースセンター(茨城県結城市)を開設、21年11月に北関東リユースセンターから中古農機具のEU向け輸出を開始し、中古農機具の取扱量拡大・EUへの輸出強化、拠点での対面販売による新規就農者支援などを推進している。22年4月にはファーマリーが展開する中古農機具の買取・販売事業を譲り受けた。
 
 なお販売商流の多様化を目指し、カーチスホールディングス<7602>のグループ会社で中古車輸出のアガスタと業務提携した。そして22年12月には、海外向け中古車販売サイト「PicknBuy24.com」を通じて、アフリカへの販路開拓を目的とした中古農機具のテスト販売を開始した。
 
 23年3月には就農者支援と新規就農促進を目的として中古農機具を用いたリユース連携を開始した。第1弾として福島市と連携した。中古農機具市場の活性化を促進することで、農業の観点からも持続可能な社会形成を目指すとしている。
 
■メディア事業とモバイル通信事業
 
 メディア事業は賢い消費を求める消費者に対して、その消費行動に資する有益な情報をインターネットメディアで提供するサービスを展開している。広告収入が収益柱となる。
 
 モバイル通信関連のメディア「iPhone格安SIM通信」「SIMチェンジ」、モノ売却・処分関連のメディア「高く売れるドットコムMAGAZINE」「おいくらマガジン」、モノ修理関連のメディア「最安修理ドットコム」、中古農機具買取・販売プラットフォーム「中古農機市場UMM」、農業に特化した「農業とつながる情報メディアUMM」などを運営している。
 
 なお「中古農機市場UMM」は、20年4月設立した子会社UMMが、20年5月国内最大級のインターネット中古農機具売買事業「JUM全国中古農機市場」を譲り受け、20年6月に名称を「中古農機市場UMM」に変更した。
 
 モバイル通信事業は、子会社のMEモバイルがMVNO事業者として、通信費の削減に資する低価格かつシンプルで分かりやすい通信サービスを展開している。主力は「カシモ」ブランドのモバイルデータ通信サービスである。23年2月には「カシモWiMAX」が、カカクコムの「価格.com」内の「モバイル回線プロバイダ 人気ランキング2022年」において、モバイルルーター部門・ホームルータ部門でともに年間1位となり、総合ランキング1位を獲得した。
 
■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書
 
 22年4月に実施された東京証券取引所の市場再編ではプライム市場を選択し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を公表(21年12月24日付で提出、23年9月29日付で更新)した。中期経営計画に掲げた積極投資を経て、目標値を達成して安定的な収益基盤を構築した後、26年6月期までにプライム市場上場維持基準に適合できる体制の構築に取り組むとしている。
 
 3月18日には23年12月末時点での計画進捗状況を公表した。1日平均売買代金については基準に適合したが、流通株式時価総額については基準を充たしていないため、引き続き、中期経営計画に掲げた積極投資を経て、目標値を達成して安定的な収益基盤を構築した後、26年6月期までにプライム市場上場維持基準に適合できる体制の構築に取り組むとしている。
 
 なお中期経営計画については、23年6月期の業績を踏まえて、23年8月14日付で新3ヶ年中期経営計画(ローリング方式により見直し、24年6月期〜26年6月期)を公表した。そして目標値に26年6月期売上高300億円、営業利益20億円を掲げた。主に個人向けリユース分野における投資を拡大し、リユース市場でのプレゼンス確立を推進する方針としている。
 
■24年6月期は経常・最終赤字予想、25年6月期収益回復期待
 
 24年6月期の連結業績予想(2月14日付で下方修正)は売上高が23年6月期比18.0%増の180億円、営業利益が5.7%増の1億円、経常利益が1億35百万円の損失(23年6月期は94百万円の利益)、親会社株主帰属当期純利益が5億47百万円の損失(同2億90百万円の利益)としている。
 
 第2四半期累計は売上高が前年同期比15.4%増の85億26百万円、営業利益が41百万円の損失(前年同期は43百万円の損失)、経常利益が2億82百万円の損失(同73百万円の損失)、親会社株主帰属四半期純利益が6億27百万円の損失(同1億34百万円の損失)だった。
 
 売上面は個人リユース事業が牽引して2桁増収だが、営業利益は成長投資を継続しているため前年並みの赤字、経常利益はデリバティブ評価損益の悪化(SBI証券との差金決済型自社株価先渡取引契約に基づくデリバティブ評価損益の悪化、前年同期は評価益4百万円で当期は評価損1億91百万円)で赤字拡大、そして四半期純利益は投資回収遅れに伴う減損損失1億90百万円の計上も影響して赤字拡大した。
 
 なお営業利益+1百万円の増減要因分析は、増益要因として増収要因+4億14百万円、粗利益率改善(0.2ポイント改善)+17百万円、減益要因として人件費・採用費増加▲2億94百万円、拠点関連費用増加▲1億07百万円、その他販管費増加(業容拡大に伴う荷造運賃・販売手数料等の増加)▲28百万円だった。
 
 ネット型リユース事業は売上高が25.5%増の51億11百万円で、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が25.7%増の1億53百万円だった。売上面は個人向けリユース、マシナリー、おいくらとも好調に推移し、利益面では第2四半期以降の生産性向上策も寄与した。
 
 メディア事業は売上高が16.0%減の3億30百万円で、利益が33.1%減の1億54百万円だった。主にGoogle社が実施した検索エンジンにおけるコアアルゴリズム変更の影響を受け、主なメディアの検索ランキングが変動し、全体としてPV(ページビュー)数が低調に推移した。
 
 モバイル通信事業は売上高が3.9%増の31億13百万円で利益が103.2%増の1億76百万円だった。新規回線の獲得数が堅調に推移した。
 
 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が41億06百万円で営業利益が1億54百万円の損失、第2四半期は売上高が44億20百万円で営業利益が1億13百万円だった。第2四半期は新規拠点開設などの先行投資をこなしながら営業損益が改善した。
 
 通期は前回予想(23年8月14日公表)に対して売上高を20億円、営業利益を7億円、経常利益を8億80百万円、親会社株主帰属当期純利益を9億17百万円それぞれ下方修正した。個人向けリユース分野において、出張買取人員の教育や高粗利案件への対応が想定よりも時間を要しているため売上高が計画を下回り、営業利益は増益幅が縮小、経常利益と純利益は赤字予想としている。コスト面では第3四半期に予定している本社移転費用の計上も影響する見込みだ。さらに、期初予想では織り込んでいなかったデリバティブ評価損益の悪化や減損損失の計上なども影響する見込みだ。なお通期のデリバティブ評価損益の見込みについては第2四半期末水準を据え置いている。
 
 なお下方修正の経営責任を明確にするため役員報酬の減額を決議した。24年6月期は経常・最終赤字予想となったが、積極的な事業展開で25年6月期の収益回復を期待したい。
 
■株価は調整一巡
 
 株価は昨年来安値圏で軟調だが調整一巡して出直りを期待したい。3月19日の終値は781円、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS253円92銭で算出)は約3.1倍、そして時価総額は約42億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
 
[02月27日更新]

マーケットエンタープライズは売り一巡、24年6月期下方修正だが25年6月期収益回復期待

 マーケットエンタープライズ<3135>(東証プライム)は、持続可能な社会を実現する最適化商社を目指してネット型リユース事業、メディア事業、モバイル通信事業を展開している。中期経営計画では、個人向けリユース分野における投資を拡大し、リユース市場でのプレゼンス確立を推進する方針としている。24年6月期は2月14日付で下方修正し、営業利益は増益幅が縮小、経常利益と純利益は赤字の見込みとした。積極的な事業展開で25年6月期の収益回復を期待したい。株価は下方修正を嫌気する形で急落したが売り一巡感を強めている。出直りを期待したい。

■持続可能な社会を実現する最適化商社

 持続可能な社会を実現する最適化商社を目指し、ITとリアルを融合させたリユース事業を中心に事業領域拡大戦略を推進している。セグメント区分はインターネットに特化してリユース品を買取・販売するネット型リユース事業、消費者に対して有益な情報をインターネットメディアで提供するメディア事業、低価格通信サービスのモバイル通信事業としている。

 23年6月期セグメント別売上構成比(調整前)はネット型リユース事業55%、メディア事業5%、モバイル通信事業40%、営業利益構成比(調整前)はネット型リユース事業27%、メディア事業36%、モバイル通信事業37%だった。23年6月期は全事業とも大幅増益だった。

 なお、大株主だったYJ1号投資事業組合から信託期間満了により保有株式売却の意向が寄せられたことに伴い、市場売却による株価形成への影響を避けるため、22年9月14日付でSBI証券と差金決済型自社株価先渡取引に係る契約を締結した。そして22年9月15日付の立会外終値取引(ToSTNeT―2)によって、YJ1号投資事業組合が保有していた同社株式40万株をSBI証券が取得した。今後の会計上の取り扱いとしては、各四半期末時点で時価評価を実施し、前四半期末との差額を営業外収益または費用に計上する。

■「高く売れるドットコム」と「おいくら」

 ネット型リユース事業は販売店舗を保有せずに、インターネットに特化して買取・販売サービスを展開している。買取総合窓口サイト「高く売れるドットコム」をフラッグシップサイトとして、商材別に分類された30カテゴリーに及ぶ幅広い対応で自社WEB買取サイトを運営し、コンタクトセンターにおける事前査定、リユースセンターにおける買取・在庫一括管理・商品化、複数の主要Eマーケットプレイス(ヤフオク、楽天市場、Amazon、Ebayなど)に出店した自社運営サイトでの販売という、一気通貫のオペレーションシステムを特徴としている。また「高く売れるドットコム」と日本最大級のリユースプラットフォーム「おいくら」(19年2月に事業譲受)のシステム連携・送客も強化している。

 なおリユースセンターについては、23年9月に広島リユースセンター、大阪リユースセンター東住吉店(大阪府内としては吹田市に続く2拠点目)を開設し、全国16拠点となった。

 地域社会における課題解決を目的として地方自治体との取り組みを推進しており、リユースプラットフォーム「おいくら」を導入した自治体の不用品リユース事業は、23年12月には長崎県佐世保市、東京都小金井市、大阪府堺市、広島県安芸郡府中町、埼玉県草加市、高知県高知市、茨城県取手市、愛知県半田市、栃木県足利市、兵庫県尼崎市、栃木県佐野市、24年1月には福島県伊達市、茨城県龍ケ崎市、三重県亀山市、宮崎県宮崎市、岐阜県可児市、福島県南相馬市、24年2月には愛知県豊明市、島根県江津市、静岡県焼津市、千葉県柏市、神奈川県小田原市で導入され、導入自治体が全国で105となった。また24年2月には茨城県県西8市と包括連携協定を締結した。

■中古農機具

 中古農機具、中古建機、中古医療機器など法人向け大型商材の取り扱いを拡大している。子会社MEトレーディングは20年5月に中古農機具事業を譲り受けて、中古農機具の買取代行、国内および海外販売・輸出代行を展開している。

 21年10月にマシナリー(中古農機具)ビジネス加速に向けて北関東リユースセンター(茨城県結城市)を開設、21年11月に北関東リユースセンターから中古農機具のEU向け輸出を開始し、中古農機具の取扱量拡大・EUへの輸出強化、拠点での対面販売による新規就農者支援などを推進している。22年4月にはファーマリーが展開する中古農機具の買取・販売事業を譲り受けた。

 なお販売商流の多様化を目指し、カーチスホールディングス<7602>のグループ会社で中古車輸出のアガスタと業務提携した。そして22年12月には、海外向け中古車販売サイト「PicknBuy24.com」を通じて、アフリカへの販路開拓を目的とした中古農機具のテスト販売を開始した。

 23年3月には就農者支援と新規就農促進を目的として中古農機具を用いたリユース連携を開始した。第1弾として福島市と連携した。中古農機具市場の活性化を促進することで、農業の観点からも持続可能な社会形成を目指すとしている。

■メディア事業とモバイル通信事業

 メディア事業は賢い消費を求める消費者に対して、その消費行動に資する有益な情報をインターネットメディアで提供するサービスを展開している。広告収入が収益柱となる。

 モバイル通信関連のメディア「iPhone格安SIM通信」「SIMチェンジ」、モノ売却・処分関連のメディア「高く売れるドットコムMAGAZINE」「おいくらマガジン」、モノ修理関連のメディア「最安修理ドットコム」、中古農機具買取・販売プラットフォーム「中古農機市場UMM」、農業に特化した「農業とつながる情報メディアUMM」などを運営している。

 なお「中古農機市場UMM」は、20年4月設立した子会社UMMが、20年5月国内最大級のインターネット中古農機具売買事業「JUM全国中古農機市場」を譲り受け、20年6月に名称を「中古農機市場UMM」に変更した。

 モバイル通信事業は、子会社のMEモバイルがMVNO事業者として、通信費の削減に資する低価格かつシンプルで分かりやすい通信サービスを展開している。主力は「カシモ」ブランドのモバイルデータ通信サービスである。23年2月には「カシモWiMAX」が、カカクコムの「価格.com」内の「モバイル回線プロバイダ 人気ランキング2022年」において、モバイルルーター部門・ホームルータ部門でともに年間1位となり、総合ランキング1位を獲得した。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月に実施された東京証券取引所の市場再編ではプライム市場を選択し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を作成・開示した。中期経営計画に掲げた積極投資を経て、目標値を達成して安定的な収益基盤を構築した後、26年6月期までにプライム市場上場維持基準に適合できる体制の構築に取り組むとしている。

 なお中期経営計画については、23年6月期の業績を踏まえて、23年8月14日付で新3ヶ年中期経営計画(ローリング方式により見直し、24年6月期〜26年6月期)を公表した。そして目標値に26年6月期売上高300億円、営業利益20億円を掲げた。主に個人向けリユース分野における投資を拡大し、リユース市場でのプレゼンス確立を推進する方針としている。

■24年6月期2Q累計赤字、通期下方修正、25年6月期収益回復期待

 24年6月期の連結業績予想については2月14日付で下方修正し、売上高が23年6月期比18.0%増の180億円、営業利益が5.7%増の1億円、経常利益が1億35百万円の損失(23年6月期は94百万円の利益)、親会社株主帰属当期純利益が5億47百万円の損失(同2億90百万円の利益)としている。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比15.4%増の85億26百万円、営業利益が41百万円の損失(前年同期は43百万円の損失)、経常利益が2億82百万円の損失(同73百万円の損失)、親会社株主帰属四半期純利益が6億27百万円の損失(同1億34百万円の損失)だった。

 売上面は個人リユース事業が牽引して2桁増収だが、営業利益は成長投資を継続しているため前年並みの赤字、経常利益はデリバティブ評価損益の悪化(SBI証券との差金決済型自社株価先渡取引契約に基づくデリバティブ評価損益、前年同期は評価益4百万円、当期は評価損1億91百万円)で赤字拡大、そして四半期純利益は減損損失1億90百万円の計上も影響して赤字拡大した。

 なお営業利益+1百万円の増減要因分析は、増益要因として増収要因+4億14百万円、粗利益率改善(0.2ポイント改善)+17百万円、減益要因として人件費・採用費増加▲2億94百万円、拠点関連費用増加▲1億07百万円、その他販管費増加(業容拡大に伴う荷造運賃・販売手数料等の増加)▲28百万円だった。

 ネット型リユース事業は売上高が25.5%増の51億11百万円で、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が25.7%増の1億53百万円だった。売上面は個人向けリユース、マシナリー、おいくらとも好調に推移し、利益面では第2四半期以降の生産性向上策も寄与した。

 メディア事業は売上高が16.0%減の3億30百万円で、利益が33.1%減の1億54百万円だった。主にGoogle社が実施した検索エンジンにおけるコアアルゴリズム変更の影響を受け、主なメディアの検索ランキングが変動し、全体としてPV(ページビュー)数が低調に推移した。

 モバイル通信事業は売上高が3.9%増の31億13百万円で利益が103.2%増の1億76百万円だった。新規回線の獲得数が堅調に推移した。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が41億06百万円で営業利益が1億54百万円の損失、第2四半期は売上高が44億20百万円で営業利益が1億13百万円だった。第2四半期は新規拠点開設などの先行投資をこなしながら営業損益が改善した。

 通期は前回予想(23年8月14日公表)に対して売上高を20億円、営業利益を7億円、経常利益を8億80百万円、親会社株主帰属当期純利益を9億17百万円それぞれ下方修正した。個人向けリユース分野において、出張買取人員の教育や高粗利案件への対応が想定よりも時間を要しているため売上高が計画を下回り、営業利益は増益幅が縮小、経常利益と純利益は赤字予想とした。コスト面では第3四半期に予定している本社移転費用の計上も影響する見込みだ。デリバティブ評価損益については第2四半期末水準を据え置いた。なお下方修正の経営責任を明確にするため役員報酬の減額を決議した。24年6月期は経常・最終赤字予想となったが、積極的な事業展開で25年6月期の収益回復を期待したい。

■株価は売り一巡

 株価は下方修正を嫌気する形で急落したが売り一巡感を強めている。出直りを期待したい。2月26日の終値は836円、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS253円92銭で算出)は約3.3倍、そして時価総額は約45億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
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