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[2222]寿スピリッツ

[11月27日更新]

寿スピリッツは上場来高値更新の展開、16年3月期業績予想は再増額の可能性

 寿スピリッツ<2222>(東1)は「お菓子の総合プロデューサー」を掲げて地域限定ブランド菓子の製造・販売を展開し、首都圏でのブランド展開も強化している。16年3月期第2四半期累計は大幅増益だった。そして過去最高更新予想の通期業績は再増額の可能性が高い。インバウンド消費関連、地方創生関連も注目点となる。株価は上場来高値更新の展開だ。目先的な過熱感を冷ましながら上値追いだろう。

■地域限定ブランド菓子を製造・販売

 地域事業会社を傘下に置き、地域限定ブランド菓子の製造・販売を主力としている。駅・空港・高速道路SAなど交通機関チャネルでの土産品としての販売比率が高いことも特徴であり、国内旅行客の増加や訪日外国人旅行客のインバウンド消費も追い風となる。

 主要子会社は、山陰地区中心に「お菓子の壽城」「ラングドシャ」ブランドなどを展開する寿製菓、北海道中心に「ルタオ」ブランドを展開するケイシイシイ、首都圏中心に「東京ミルクチーズ工場」「ザ・メープルマニア」など洋菓子を展開するシュクレイ、九州中心に「赤い風船」ブランドを展開する九十九島グループ、関西中心に「遊月亭」ブランドを展開する但馬寿、そして販売子会社(東海地区3社、中国・九州地区4社、関西地区2社)である。

 15年3月期の販売チャンネル売上構成比は、卸売(駅・空港・高速道路SAなどの小売店、代理店卸、OEMなど)が46.7%、店舗販売(直営店舗、催事など)が42.6%、通信販売が10.6%(うちルタオ通販が9.0%)、その他が0.1%だった。

 なお11月4日に、但馬寿の菓子製造部門の全部および販売部門のうちグループ向け卸営業に関する事業を、会社分割によって寿製菓に承継(16年1月1日予定)させると発表した。経営資源の集約による経営効率の向上を図る。

■企業ビジョンは「お菓子の総合プロデューサー」

 全国各地のお菓子のオリジナルブランドとショップブランドを創造する「お菓子の総合プロデューサー」を企業ビジョンに掲げ、製造卸から製造小売に事業モデルを転換して高収益化を推進している。

 さらに「ワールド サプライジング リゾート(WSR)宣言」を経営スローガンとして掲げて、中期経営目標の指標を売上高経常利益率20%としている。

 重点施策として、プレミアム・スイーツブランドの創出と育成(地域・チャンネル特性にマッチした商品開発推進、主力商品のリニューアルによるバージョンアップと価格改定、販路開拓やリアル店舗と通販の融合、新業態店事業の拡大)、インバウンド対策の強化(国内主要国際空港における免税売店等への販売強化、直営店舗での免税対応強化)、首都圏でのWSR化展開の推進(シュクレイのブランド力向上、フレンチトースト専門店「Ivorish(アイボリッシュ)」など新ブランドの確立)、海外展開、生産性向上による製造採算改善などを推進している。

 15年7月にはケイシイシイが東京・表参道で人気のアントルメグラッセ・生グラス専門店GLACIEL(グラッシェル)をリニューアルオープンした。15年10月には九十九島グループが、ららぽーと海老名(神奈川県)に人気のフレンチトースト専門店「Ivorish海老名」をオープンした。福岡、東京・渋谷に続く3店舗目で、大型ショッピングモールへの初出店となる。

 海外展開については、台湾は直接進出、韓国はフランチャイズ方式で進出する方針だ。またシュクレイが香港・ハンドメイド社との共同出資で香港に合弁会社ハニーシュクレイを設立した。そして15年12月から香港で「東京ミルク工場」を展開する。

 なお当面の重点施策の数値目標としては、18年3月期に、国内主要国際空港でのインバウンド売上25億円(16年3月期予想6億円)、海外売上15億円(同4億60百万円)、首都圏主要売上(シュクレイ、アイボリッシュ、グラッシェル)60億円(同36億40百万円)の合計100億円(同47億円)を掲げている。

 健康食品事業については再構築に向けて、藍染めで知られる「タデ藍」を使用した機能性食品の企画販売を行う新会社の純藍を14年9月設立した。第一弾製品として「藍の青汁」を開発し、50代〜70代女性をメインターゲットに、野菜不足を補うアンチエイジング飲料として15年1月販売開始した。一方で通販基幹業務システムサービス事業のジュテックスについては、事業中止に伴って14年12月解散した。

■クリスマス・年末・年始需要などで第3四半期の構成が高い収益構造

 15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)50億01百万円、第2四半期(7月〜9月)58億89百万円、第3四半期(10月〜12月)62億75百万円、第4四半期(1月〜3月)58億02百万円、営業利益は第1四半期2億02百万円、第2四半期5億10百万円、第3四半期8億66百万円、第4四半期4億55百万円だった。

 クリスマス・年末・年始需要などで第3四半期の構成比が高い収益構造だ。15年3月期のROEは14年3月期比1.6ポイント低下して15.3%、自己資本比率は同5.8ポイント上昇して61.1%、配当性向は31.8%だった。

■16年3月期業績の会社予想を大幅増額修正、通期は再増額の可能性

 10月26日に今期(16年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)および通期の連結業績予想の増額修正を発表した。首都圏エリアでの展開強化や主力商品の拡販など、積極的な事業施策の遂行で売上高が期初計画を上回り、製造採算の改善や経費の効率的使用なども寄与して、各利益とも期初計画を大幅に上回った。なお純利益については税務上の繰越欠損金にかかる繰延税金資産の追加計上によって税金費用が減少したことも寄与する。

 そして11月4日に発表した第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比11.2%増の121億10百万円で、営業利益が同79.8%増の12億80百万円、経常利益が同81.0%増の13億05百万円、そして純利益が同2.3倍の9億66百万円だった。

 前回予想(5月13日公表)に対して売上高は8億61百万円、営業利益は5億30百万円、経常利益は5億56百万円、純利益は4億86百万円超過達成した。売上、利益とも第2四半期として過去最高だった。

 消費増税の影響一巡、インバウンド消費、9月のシルバーウィークなどの効果に加えて、首都圏エリアでの展開強化や主力商品の販売強化、駅・空港でのインバウンド対応強化など、積極的な事業展開で大幅増収増益だった。利益面では製造採算の改善や経費の効率的使用なども寄与した。なお売上総利益率は54.0%で同2.4ポイント上昇、販管費比率は43.4%で同1.7ポイント低下した。

 セグメント別売上高(連結調整前)を見ると、ケイシイシイは同5.7%増の38億99百万円、寿製菓は同11.3%増の42億86百万円、販売子会社は同11.3%増の24億69百万円、九十九島グループは同7.6%増の16億94百万円、但馬寿は同1.0%増の5億35百万円、シュクレイは同38.3%増の17億81百万円、その他は同6.6倍の1億02百万円だった。積極的なイベント・販売展開や「ザ・メープルマニア」などのブランド知名度向上効果で特にシュクレイが躍進した。その他は台湾の子会社を新規連結した。

 なお四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)55億42百万円、第2四半期(7月〜9月)65億68百万円、営業利益は第1四半期3億49百万円、第2四半期9億31百万円だった。

 通期の連結業績予想(10月26日に増額修正)は売上高が前期比6.9%増の245億60百万円、営業利益が同31.5%増の26億75百万円、経常利益が同30.5%増の27億円、純利益が同43.3%増の18億70百万円とした。配当予想については前回予想(5月13日公表)を据え置いて前期と同額の年間40円(期末一括)としている。予想配当性向は22.2%となる。

 出雲大社・伊勢神宮の遷宮特需反動影響の一巡、消費増税の影響一巡に加えて、首都圏でのブランド展開強化策やインバウンド需要への対応強化など、重点施策の積極展開の効果で、首都圏中心に洋菓子を展開するシュクレイなどが好調に推移する。最高益更新予想だ。売上総利益率は同1.2ポイント上昇の54.4%、販管費比率は同0.8ポイント低下の43.5%を想定している。

 セグメント別売上高(連結調整前)は、ケイシイシイが3.7%増の86億39百万円、寿製菓が6.3%増の79億56百万円、販売子会社が6.2%増の47億08百万円、九十九島グループが5.4%増の35億94百万円、但馬寿が0.7%増の10億05百万円、シュクレイが22.8%増の34億31百万円、その他が9.4倍の2億46百万円の計画としている。

 なお前回予想(5月13日公表)に対して売上高は8億60百万円、営業利益は5億25百万円、経常利益は5億50百万円、純利益は4億80百万円増額した。事業環境は先行き不透明なため、下期(10月〜3月)の期初計画を据え置いて、第2四半期累計の超過達成分を上乗せした形だ。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が49.3%、営業利益が47.9%、経常利益が48.3%、純利益が51.7%である。クリスマス・年末・年始需要などで第3四半期の構成比が高い収益構造であることを考慮すれば高水準である。下期の会社計画は保守的な印象が強く、通期業績予想は再増額の可能性が高いだろう。

 中期的には首都圏を中心とする新業態店の知名度・ブランド力向上、新商品の開発・投入の推進、販促・接客強化による消費者への訴求力向上、製造採算改善などの効果が期待される。訪日外国人旅行客のインバウンド消費増加や、アベノミクス重点戦略の「地方創生」も追い風となって収益拡大基調だろう。

■株価は上場来高値更新の展開

 株主優待制度については、毎年3月末現在で100株以上所有の全ての株主に対して2000円相当の自社グループ製品、200株以上所有の全ての株主に対して4000円相当の自社グループ製品を贈呈し、さらに1000株以上所有株主に対して3000円分のグループ直営店舗優待券(優待券の代わりに指定商品への交換も可)を贈呈している。

 株価の動きを見ると、8月高値4335円後の自律調整が一巡して上場来高値更新の展開だ。11月25日には4960円まで上伸した。好業績を評価する動きが続いている。

 11月26日の終値4930円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS180円27銭で算出)は27〜28倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間40円で算出)は0.8%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS865円60銭で算出)は5.7倍近辺である。時価総額は約511億円である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって強基調の形だ。16年3月期業績予想は再増額の可能性が高く、インバウンド消費関連、地方創生関連も注目点となる。目先的な過熱感を冷ましながら上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月27日更新]

寿スピリッツは16年3月期業績予想を大幅増額修正、8月の上場来高値を試す

 寿スピリッツ<2222>(東1)は「お菓子の総合プロデューサー」を掲げて地域限定ブランド菓子の製造・販売を展開し、首都圏でのブランド展開も強化している。10月26日に16年3月期第2四半期累計および通期業績予想の増額修正を発表した。通期業績予想は再増額の可能性が高く株価は8月の上場来高値を試す展開だろう。インバウンド消費関連、地方創生関連、16年伊勢志摩サミット関連も注目点だ。なお11月4日に第2四半期累計の業績発表を予定している。

■地域限定ブランド菓子を製造・販売

 地域事業会社を傘下に置き、地域限定ブランド菓子の製造・販売を主力としている。駅・空港・高速道路SAなど交通機関チャネルでの土産品としての販売比率が高いことも特徴であり、国内旅行客の増加や訪日外国人旅行客のインバウンド消費も追い風となる。

 主要子会社は、山陰地区中心に「お菓子の壽城」「ラングドシャ」ブランドなどを展開する寿製菓、北海道中心に「ルタオ」ブランドを展開するケイシイシイ、首都圏中心に「東京ミルクチーズ工場」「ザ・メープルマニア」など洋菓子を展開するシュクレイ、九州中心に「赤い風船」ブランドを展開する九十九島グループ、関西中心に「遊月亭」ブランドを展開する但馬寿、そして販売子会社(東海地区3社、中国・九州地区4社、関西地区2社)である。

■企業ビジョンは「お菓子の総合プロデューサー」

 全国各地のお菓子のオリジナルブランドとショップブランドを創造する「お菓子の総合プロデューサー」を企業ビジョンに掲げ、製造卸から製造小売に事業モデルを転換して高収益化を推進している。

 さらに「ワールド サプライジング リゾート(WSR)宣言」を経営スローガンとして掲げて、中期経営目標の指標を売上高経常利益率20%としている。

 重点施策として、プレミアム・スイーツブランドの創出と育成(地域・チャンネル特性にマッチした商品開発推進、主力商品のリニューアルによるバージョンアップと価格改定、販路開拓やリアル店舗と通販の融合、新業態店事業の拡大)、インバウンド対策の強化(国内主要国際空港における免税売店等への販売強化、直営店舗での免税対応強化)、首都圏でのWSR化展開の推進(シュクレイのブランド力向上、フレンチトースト専門店「Ivorish(アイボリッシュ)」など新ブランドの確立)、海外展開、生産性向上による製造採算改善などを推進している。

 健康食品事業については再構築に向けて、藍染めで知られる「タデ藍」を使用した機能性食品の企画販売を行う新会社の純藍を14年9月設立した。第一弾製品として「藍の青汁」を開発し、50代〜70代女性をメインターゲットに、野菜不足を補うアンチエイジング飲料として15年1月販売開始した。一方で通販基幹業務システムサービス事業のジュテックスについては、事業中止に伴って14年12月解散した。

 なお15年6月には寿製菓がJR鳥取駅構内の鳥取シャミネに「KAnoZA」「うさぎ座」「お菓子の壽城」を併設した店舗をリニューアルオープンし、15年7月にはケイシイシイが東京・表参道で人気のアントルメグラッセ・生グラス専門店GLACIEL(グラッシェル)をリニューアルオープンした。

 また10月22日には九十九島グループが、ららぽーと海老名(神奈川県)に、人気のフレンチトースト専門店「Ivorish海老名」を10月29日にオープンすると発表した。福岡、東京・渋谷に続く3店舗目で、大型ショッピングモールへの初出店となる。

■クリスマス・年末年始需要などで第3四半期の構成が高い収益構造

 15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)50億01百万円、第2四半期(7月〜9月)58億89百万円、第3四半期(10月〜12月)62億75百万円、第4四半期(1月〜3月)58億02百万円、営業利益は第1四半期2億02百万円、第2四半期5億10百万円、第3四半期8億66百万円、第4四半期4億55百万円だった。クリスマス・年末年始需要などで第3四半期の構成比が高い収益構造だ。

 また15年3月期の配当性向は31.8%だった。ROEは14年3月期比1.6ポイント低下して15.3%、自己資本比率は同5.8ポイント上昇して61.1%となった。

■16年3月期業績の会社予想を大幅増額修正、通期は再増額の可能性

 10月26日に今期(16年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)および通期の連結業績予想の増額修正を発表した。首都圏エリアでの展開強化や主力商品の拡販など積極的な事業施策の遂行で売上高が期初計画を上回り、製造採算の改善や経費の効率的使用なども寄与して各利益とも期初計画を大幅に上回ったようだ。なお純利益については、繰越欠損金にかかる繰延税金資産の追加計上(1億41百万円)によって税金費用が減少したことも寄与する。

 第2四半期累計は前回予想(5月13日公表)に対して、売上高が8億60百万円増額して前年同期比11.2%増の121億10百万円となり、営業利益が5億25百万円増額して同79.1%増の12億75百万円、経常利益が5億50百万円増額して同80.3%増の13億円、純利益が4億80百万円増額して同2.3倍の9億60百万円とした。

 通期の連結業績予想は前回予想(5月13日公表)に対して、売上高が8億60百万円増額して前期比6.9%増の245億60百万円、営業利益が5億25百万円増額して同31.6%増の26億75百万円、経常利益が5億50百万円増額して同30.5%増の27億円、純利益が4億80百万円増額して同43.4%増の18億70百万円とした。

 通期の連結業績予想については、下期(10月〜3月)の期初計画を据え置いて、第2四半期累計の超過達成分を上乗せした形だ。なお配当予想については前回予想(5月13日公表)を据え置いて前期と同額の年間40円(期末一括)としている。予想配当性向は22.2%となる。

 出雲大社・伊勢神宮の遷宮特需反動影響の一巡、天候不順の影響一巡に加えて、首都圏でのブランド展開強化策やインバウンド需要への対応強化など、重点施策の積極展開の効果で、首都圏中心に洋菓子を展開するシュクレイなどが好調に推移する。売上面では台湾の子会社を新規連結することも寄与する。最高益更新予想だ。

 なお第1四半期(4月〜6月)は前年同期比10.8%増収、同73.4%営業増益、同78.6%経常増益、同99.9%最終増益だった。首都圏での販売強化などの重点施策が奏功して、売上高と経常利益は第1四半期として過去最高となった。売上総利益率は53.2%で同1.5ポイント上昇、販管費比率は46.9%で同0.7ポイント低下した。

 また修正後の通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率を見ると、売上高49.3%、営業利益47.7%、経常利益48.2%、純利益51.3%である。クリスマス・年末年始需要などで第3四半期の構成比が高い収益構造であることを考慮すれば高水準であり、通期業績予想は再増額の可能性が高いだろう。

 中期的には首都圏を中心とする新業態店の知名度・ブランド力向上、新商品の開発・投入の推進、販促・接客強化による消費者への訴求力向上、製造採算改善などの効果が期待される。訪日外国人旅行客のインバウンド消費増加や、アベノミクス重点戦略の「地方創生」も追い風となって収益拡大基調だろう。

■株価は強基調、8月の上場来高値試す

 株主優待制度については、毎年3月末現在で100株以上所有の全ての株主に対して2000円相当の自社グループ製品、200株以上所有の全ての株主に対して4000円相当の自社グループ製品を贈呈し、さらに1000株以上所有株主に対して3000円分のグループ直営店舗優待券(優待券の代わりに指定商品への交換も可)を贈呈している。

 株価の動きを見ると、8月25日の直近安値3120円から反発して強基調の展開だ。そして10月7日には4110円まで上伸して8月5日の上場来高値4335円に接近する場面があった。その後も高値圏3800円〜4000円近辺で堅調に推移している。

 10月26日の終値3940円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS180円27銭で算出)は21〜22倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間40円で算出)は1.0%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS865円60銭で算出)は4.6倍近辺である。なお時価総額は約409億円である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線、また週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって強基調の展開だ。16年3月期第2四半期累計および通期業績予想の増額修正を好感して8月の上場来高値4335円を試す展開だろう。通期業績予想は再増額の可能性が高く、インバウンド消費関連、地方創生関連、16年伊勢志摩サミット関連も注目点だ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月14日更新]

寿スピリッツは8月高値に接近、第2四半期累計の概算売上高は11.3%増収

 寿スピリッツ[2222](東1)は「お菓子の総合プロデューサー」を掲げて地域限定ブランド菓子の製造・販売を展開し、首都圏でのブランド展開も強化している。13日発表した第2四半期累計(4月〜9月)概算売上高は前年同期比11.3%増収だった。株価は強基調に回帰して8月の上場来高値に接近している。16年3月期増収増益基調であり、インバウンド消費関連、地方創生関連、16年伊勢志摩サミット関連も注目点だ。8月高値を試す展開だろう。なお11月4日に第2四半期累計の業績発表を予定している。

■地域限定ブランド菓子を製造・販売

 地域事業会社を傘下に置き、地域限定ブランド菓子の製造・販売を主力としている。駅・空港・高速道路SAなど交通機関チャネルでの土産品としての販売比率が高いことも特徴であり、国内旅行客の増加や訪日外国人旅行客のインバウンド消費も追い風となる。

 主要子会社は、山陰地区中心に「お菓子の壽城」「ラングドシャ」ブランドなどを展開する寿製菓、北海道中心に「ルタオ」ブランドを展開するケイシイシイ、首都圏中心に「東京ミルクチーズ工場」「ザ・メープルマニア」など洋菓子を展開するシュクレイ、九州中心に「赤い風船」ブランドを展開する九十九島グループ、関西中心に「遊月亭」ブランドを展開する但馬寿、そして販売子会社(東海地区3社、中国・九州地区4社、関西地区2社)である。

■企業ビジョンは「お菓子の総合プロデューサー」

 全国各地のお菓子のオリジナルブランドとショップブランドを創造する「お菓子の総合プロデューサー」を企業ビジョンに掲げ、製造卸から製造小売に事業モデルを転換して高収益化を推進している。

 さらに「ワールド サプライジング リゾート(WSR)宣言」を経営スローガンとして掲げて、中期経営目標の指標を売上高経常利益率20%としている。

 重点施策として、プレミアム・スイーツブランドの創出と育成(地域・チャンネル特性にマッチした商品開発推進、主力商品のリニューアルによるバージョンアップと価格改定、販路開拓やリアル店舗と通販の融合、新業態店事業の拡大)、インバウンド対策の強化(国内主要国際空港における免税売店等への販売強化、直営店舗での免税対応強化)、首都圏でのWSR化展開の推進(シュクレイのブランド力向上、フレンチトースト専門店「Ivorish(アイボリッシュ)」など新ブランドの確立)、海外展開、生産性向上による製造採算改善などを推進している。

 健康食品事業については再構築に向けて、藍染めで知られる「タデ藍」を使用した機能性食品の企画販売を行う新会社の純藍を14年9月設立した。第一弾製品として「藍の青汁」を開発し、50代〜70代女性をメインターゲットに、野菜不足を補うアンチエイジング飲料として15年1月販売開始した。一方で通販基幹業務システムサービス事業のジュテックスについては、事業中止に伴って14年12月解散した。

 なお15年6月には寿製菓がJR鳥取駅構内の鳥取シャミネに「KAnoZA」「うさぎ座」「お菓子の壽城」を併設した店舗をリニューアルオープンし、15年7月にはケイシイシイが東京・表参道で人気のアントルメグラッセ・生グラス専門店GLACIEL(グラッシェル)をリニューアルオープンした。

■クリスマス・年末年始需要などで第3四半期の構成が高い収益構造

 15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)50億01百万円、第2四半期(7月〜9月)58億89百万円、第3四半期(10月〜12月)62億75百万円、第4四半期(1月〜3月)58億02百万円、営業利益は第1四半期2億02百万円、第2四半期5億10百万円、第3四半期8億66百万円、第4四半期4億55百万円だった。クリスマス・年末年始需要などで第3四半期の構成比が高い収益構造だ。

 また15年3月期の配当性向は31.8%だった。ROEは14年3月期比1.6ポイント低下して15.3%、自己資本比率は同5.8ポイント上昇して61.1%となった。

■16年3月期増収増益基調

 今期(16年3月期)の連結業績予想(5月13日公表)は売上高が前期比3.2%増の237億円、営業利益が同5.7%増の21億50百万円、経常利益が同3.9%増の21億50百万円、純利益が同6.5%増の13億90百万円としている。売上高は5期連続、純利益は4期連続で過去最高を更新する見込みだ。配当予想は前期と同額の年間40円(期末一括)で予想配当性向は29.9%となる。

 出雲大社・伊勢神宮の遷宮特需反動影響の一巡、天候不順の影響一巡に加えて、首都圏でのブランド展開強化策の成果、インバウンド需要への対応強化など、重点施策の積極展開の効果で増収増益見込みだ。首都圏中心に洋菓子を展開するシュクレイが好調に推移する。売上面では台湾の子会社を新規連結することも寄与する。

 セグメント別売上高(内部取引調整前)の計画はケイシイシイが2.0%増の85億円、寿製菓が1.0%増の75億60百万円、販売子会社が1.5%増の45億円、九十九島グループが2.7%増の35億円、但馬寿が0.2%増の10億円、シュクレイが10.9%増の31億円、その他(台湾北壽心股分有限公司を連結化)が9.6倍の2億50百万円としている。

 第1四半期(4月〜6月)は前年同期比10.8%増収、同73.4%営業増益、同78.6%経常増益、同99.9%最終増益だった。首都圏での販売強化などの重点施策が奏功して、売上高と経常利益は第1四半期として過去最高となった。売上総利益率は53.2%で同1.5ポイント上昇、販管費比率は46.9%で同0.7ポイント低下した。

 セグメント別(内部取引調整前)に見ると、シュクレイがイベントなど店頭販促強化の効果で同41.8%増の大幅増収となり、販売子会社が同9.2%増収、寿製菓が同8.0%増収、九十九島グループが同7.8%増収、ケイシイシイが同6.5%増収と好調に推移した。但馬寿は同4.0%減収だった。

 通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は、売上高が23.4%、営業利益が16.2%、経常利益が17.1%、純利益が16.0%である。やや低水準の形だが、クリスマス・年末年始需要などで第3四半期の構成比が高い収益構造であり、概ね順調な水準と言えるだろう。

■第2四半期累計概算売上高は11.3%増収

 なお10月13日に第2四半期累計(4月〜9月)の売上状況(概算)を発表した。売上高は前年同期比11.3%増の121億17百万円だった。各セグメントとも概ね好調に推移したようだ。特に首都圏での販売強化の効果でシュクレイが大幅増収だった。

 セグメント別(内部取引調整前)に見ると、ケイシイシイが5.7%増収、寿製菓が11.3%増収、販売子会社が11.3%増収、九十九島グループが7.6%増収、但馬寿が1.0%増収、シュクレイが38.3%増収、その他が6.8倍増収だった。

 中期的には首都圏を中心とする新業態店の知名度・ブランド力向上、新商品の開発・投入の推進、販促・接客強化による消費者への訴求力向上、製造採算改善などの効果が期待される。訪日外国人旅行客のインバウンド消費増加や、アベノミクス重点戦略の「地方創生」も追い風となって収益拡大基調だろう。

■株価は強基調に回帰して8月高値に接近

 株主優待制度については、毎年3月末現在で100株以上所有の全ての株主に対して2000円相当の自社グループ製品、200株以上所有の全ての株主に対して4000円相当の自社グループ製品を贈呈し、さらに1000株以上所有株主に対して3000円分のグループ直営店舗優待券(優待券の代わりに指定商品への交換も可)を贈呈している。

 株価の動きを見ると、悪地合いが影響した8月25日の直近安値3120円から切り返して強基調に回帰した。そして10月7日には4110円まで上伸して8月5日の上場来高値4335円に接近している。

 10月13日の終値3900円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS134円00銭で算出)は29〜30倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間40円で算出)は1.0%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS865円60銭で算出)は4.5倍近辺である。なお時価総額は約405億円である。

 日足チャートで見ると一旦割り込んだ25日移動平均線を回復した。そして25日移動平均線が上向きに転じた。また週足チャートで見ると13週移動平均線を回復して水準を切り上げている。13週移動平均線がサポートラインの強基調に回帰したようだ。

 首都圏でのブランド展開強化策なども奏功して16年3月期増収増益基調であり、インバウンド消費関連、地方創生関連、16年伊勢志摩サミット関連も注目点だ。8月5日の上場来高値を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
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