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【大引け概況】

9日の日経平均株価は大幅続伸し、前日比295円35銭高の2万7579円87銭で終えた。
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前日の欧米株市場が高かったことや、取引時間中は中国・上海株や香港株をはじめアジア株市場が総じて強い動きを示したこともあって、リスクを取る動きが優勢だった。日経平均は朝高後に伸び悩む場面もあったが、後場に入ると一段高の展開となった。決算発表が佳境入りとなるなかで、好決算銘柄を物色する動きが全体相場を支え、日経平均は一時350円近い上昇を示し、2万7600円台まで水準を切り上げる場面があった。
ただ、2万7000円台後半では戻り売り圧力も意識され、引け際に手仕舞い売りが出て、結局上げ幅は300円を下回って着地した。
 
米長期金利の上昇を背景に利ざや拡大期待で金融株が買われたほか、ハイテク株の一角にも堅調な業績を材料視した買いが入った。東京株式市場でも投資家が運用リスクをとる姿勢が優勢となり、景気敏感株を中心に買いが入った。
 
国内企業の決算を手掛かりにした個別銘柄の物色も続いた。8日に今期の純利益予想を引き上げたJFEや日産自などが大幅高。8日に決算を発表した値がさ株のソフトバンクグループ(SBG)は5.8%高で取引を終え、1銘柄で日経平均を65円押し上げた。
 
日経平均は2万7600円を上回る水準では利益確定売りや戻り待ちの売りも出た。10日に1月の米消費者物価指数(CPI)の公表を控え、上値追いの雰囲気は次第に乏しくなった。「2万7500〜2万8000円の水準はやれやれの売りが出やすい」との声もあった。
 
市場からは「堅調展開だが、ここから上は売り物が増えてくる。下向きの25日移動平均線に近づき、戻り一巡感が出つつある。いずれにしろ、3月開催のFOMC(米連邦公開市場委員会)を通過するまではリスクを念頭に置くべきだろう」との声が聞かれた。
 
東証株価指数(TOPIX)は続伸し、前日比18.16ポイント高の1952.22で終えた。JPX日経インデックス400も続伸した。
 

業種別株価指数(全33業種)では、精密機器、鉄鋼、ガラス・土石製品の上昇が目立った。下落は鉱業、石油・石炭製品、食料品など。
 
東証1部の売買代金は概算で3兆3824億円。売買高は15億267万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1563と、全体の約7割を占めた。値下がりは544銘柄、変わらずは75銘柄だった。
 
個別では、SOX指数高を受けてレーザーテック、ルネサス、ディスコが大幅高。リクルートHD、オリンパス、HOYAなどグロース株も大きく上昇。川崎汽船や日本製鉄、丸紅などの景気敏感株も堅調、業績予想を上方修正した日産自が大幅高となり、デンソーなども買われた。ネクソンやZHDも上昇。決算が好感されたところでは、JFEHD、AGC、IHIが急伸し、日本CMKはストップ高、シマノ、ジェイリースなども急騰した。トヨタ自は通期経常利益を上方修正した一方、営業収益を下方修正し、決算発表後に上げ幅を縮めた。
 
一方、原油先物価格の下落を受けINPEXやENEOSや出光興産が下落、NTT、KDDI、7&I-HD、明治HDや第一三共など内需系の一角も軟調。業績予想を再び下方修正した太平洋セメントが大きく下落し、そのほか決算が失望感を誘ったところではデジハHD、BEENOS、レノバ、ポピンズHDなどが値下がり率上位に並んだ。
 
東証2部指数は前日比82.90ポイント高の7282.96ポイントと3日ぶり反発した。
出来高1億3520万株。値上がり銘柄数は292、値下がり銘柄数は117となった。
 
個別では、ヨネックス、マミヤ・オーピーがストップ高。三井住建道路、田辺工業、互応化学工業、コンテックは昨年来高値を更新。FRACTALE、理経、キョウデン、宮入バルブ製作所、インスペックが買われた。
 
一方、ユニバンスがストップ安。シャルレは一時ストップ安と急落した。田岡化学工業、櫻護謨、中北製作所、ユーピーアール、日住サービスは昨年来安値を更新。玉井商船、セメダイン、丸尾カルシウム、ウイルテック、伊勢化学工業が売られた。