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【大引け概況】


27日の日経平均株価は小幅ながら3日続伸し、終値は前日比5円81銭高の3万9239円52銭だった。


 
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きょうの東京株式市場は方向感のつかみにくい地合いとなったが、個別株の物色意欲は旺盛で下値では押し目買いが活発で頑強な値動きとなった。前日の欧米株市場が軟調な展開だったことで、目先利食い圧力が表面化したものの、鉄鋼や銀行株などバリュー株への買いが全体相場を支える形に。前場はやや荒い値動きで前引けにかけて先物主導のインデックス売りで値を崩しマイナス圏に沈んだが、後場は前日終値近辺で売り物をこなし、引け際に大口買いが入り、小幅ながら上昇に転じる形で取引を終えている。
 
鉄鋼や銀行、機械などバリュー(割安)株の上昇が目立った。東証株価指数(TOPIX)の規模別株価指数では小型が0.55%高と大型(0.20%高)の上昇率を上回った。これまで相場をけん引してきた大型のグロース(成長)株からバリュー株や小型株に物色が広がっているとの指摘があった。
 
午前の日経平均は上昇して始まった。前日の米株式市場でエヌビディアが上昇して終えたほか、アーム・ホールディングスが大幅高だった。東京株式市場では朝方に東エレクやソフトバンクグループ(SBG)などが買われ、午前の日経平均は上げ幅が200円に迫る場面もあった。
 
11時過ぎに日経平均は株価指数先物の売りが主導する形で急速に伸び悩み、一時は下落に転じた。下げ幅は100円を超える場面があった。年初からの上昇が目立ったアドテストなどが利益確定売りに押された。
 
きょうはこの全国CPI発表を受けて、微妙に相場の波紋が変わった。前場はハイテク系の銘柄が利食われる展開だった。一方、TOPIXの方は前場から高く、後場も概ね前日終値を上回る水準で推移。これはリターンリバーサルを狙ったバリューシフトの動きで、銀行や鉄鋼などいわゆる低PBR銘柄に資金を振り向ける動きが活発化したためだ。一方、半導体関連に利食い急ぎの動きが出ているわけではないものの、国内金利上昇への警戒ムードも若干は漂う。これについては1月の全国CPIが予想より強かったというよりは、今週29日(日本時間夜)に発表される1月の米PCEデフレーターを意識したものかもしれない。「1月のPCEデフレーターも強めの数字が出る可能性が高い」と指摘され、その場合は米金利上昇につられる形で国内10年債利回りが水準を切り上げるというケースも考えられる。一部資金をバリューシフトする口実にはなるだろう。

 

 
東証株価指数(TOPIX)は3日続伸した。終値は4.84ポイント(0.18%)高の2678.46で、連日で34年ぶり高値を更新した。JPXプライム150指数は小幅ながら3営業日ぶりに反落し、0.01ポイント安の1182.68で終えた。
 
東証プライムの売買代金は概算で4兆9907億円、売買高は18億3983万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は946。値下がりは668、横ばいは43だった。
 
業種別株価指数(33業種)では鉄鋼、銀行業、機械の上昇が目立った。下落は海運業、陸運業など。
 
個別では、半導体装置向けに全固定電池を始めて受注したと報じられたことで日立造船が大幅続伸。また、安川電の上昇が目立った。三菱UFJも高い。ふくおかFGも続伸したほか、神戸鋼、JFEホールディングス、日本製鉄など鉄鋼関連が買われた。他では、じげん、ACCESS、帝国繊維が買い優勢となった。
 
一方、任天堂は朝高後に下落した。朝方買われたアドバンテストがマイナス圏に突入後、下げ幅を拡大。また、足元買われていたレゾナックHDも反落となった。このほか、資生堂、京成電鉄、スズキ、住友不動産、清水建設が売られた。マツキヨココカラ、明和産業、三陽商会が大幅安となった。