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【大引け概況】
5日の日経平均株価は7日続落し、前日比622円77銭安の2万7822円12銭で終えた。2万8000円を下回り、8月30日以来およそ1カ月ぶりの安値となった。
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7日続落は2019年4月26日〜5月14日以来約2年5カ月ぶり。
 
きょうの東京株式市場は、リスクオフの流れが加速した。前日の米国株市場では原油市況高などを背景に米長期金利上昇を警戒して主力ハイテク株中心に売りがかさんだ。ナスダック総合指数の下落率が特に大きく、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は更に下げが際立つ状況となっており、これが東京株式市場にも波及する形となった。
日経平均先物への売りに加え、持ち高調整などを目的とした現物株への売りも膨らんで、下げ幅が900円を超える場面があった。
 
中国の不動産大手、中国恒大集団の資金繰り問題を巡る不透明感や米連邦政府の債務上限問題に加え、原油高によるインフレ懸念の高まりもあって、投資家は運用リスクを回避する動きを強めている。
 
岸田文雄首相は4日夜の記者会見で月内に衆院の解散・総選挙に踏み切る方針を表明した。市場では「衆院選後までは具体的な政策は実行されない見通しとなり、政策期待で買っていた投資家には肩すかしとなった」との声があがった。首相が金融所得課税の見直しを検討する方針を示したことも重荷となった。
 
午後には下げ渋る場面が目立った。米株価指数先物が日本時間5日の取引で上昇したほか、アジア株式市場で香港ハンセン指数が上昇する場面があり、投資家のリスク回避姿勢がいったん和らいだ。9月27日以降に日経平均が2000円超下げたこともあって、個人投資家の押し目買い意欲は続いているとの見方も出ていた。
 
JPX日経インデックス400は7日続落した。東証株価指数(TOPIX)は7日続落し、26.17ポイント安の1947.75で終えた。
 
東証1部の売買代金は概算で3兆6152億円。売買高は15億1132万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1843、値上がりは288、変わらずは52だった。
 
 
業種別株価指数(33業種)では精密機器、機械、情報・通信業などが下落。鉱業、石油・石炭製品、非鉄金属などが上昇した。
 
個別では、東京エレクトロン、レーザーテックなど半導体製造装置関連が売られ、ソフトバンクグループも大幅安で年初来安値を更新した。ファーストリテイリングは5000円を上回る急落。村田製作所が下値を探り、ソニーグループも軟調。ベイカレント・コンサルティングも安い。国際紙パルプ商事が大きく利食われたほか、テクマトリックスも大幅下落。ZHDや大日本住友、テルモの下げも大きかった。
 
半面、日本郵船は売り買い交錯を経て小幅プラス圏で着地。三井住友フィナンシャルグループがしっかり、INPEXと出光興産が上昇。アサヒグループホールディングスが買いを集め、ニトリホールディングスも堅調。アジュバンホールディングスが値を飛ばし、グリー、リソー教育、双日や三菱商も高かった。
 
 
東証2部株価指数は前日比81.88ポイント安の7572.12ポイントと6日続落した。
出来高は1億5514万株。値上がり銘柄数は91、値下がり銘柄数は313となった。
 
個別では、YE DIGITAL、日本ケアサプライ、日本食品化工、パシフィックネット、ストリームなど27銘柄が年初来安値を更新。バイク王&カンパニー、イムラ封筒、川口化学工業、オプティマスグループ、レオクランが売られた。
 
一方、玉井商船、リード、ヒガシトゥエンティワン、シャルレ、マルゼンが買われた。