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【大引け概況】
9日の日経平均株価は続落し、前日比102円76銭安の2万8860円80銭で終えた。
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前日の米株式市場で半導体関連株が下げた流れが東京株式市場にも波及した。
きょうの東京株式市場は、引き続き買い手控えムードで主力株中心にリスク回避の売り圧力が顕著だった。前日の米国株市場で主要株指数が高安まちまちの展開だったこともあり手掛かり材料に事欠き、10日に発表予定の5月の米消費者物価指数の発表を前に、この結果を見極めたいとの思惑から心理的な節目とされる2万9000円が上値メドとして意識され、いったん持ち高調整の売りが優勢だった。
前日にフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が下落したこともあって、引き続き半導体関連株への売りが目立ち、地合い悪を助長する形となった。
 
ただ一方で、国内での新型コロナワクチンの大規模接種が進んでいることから空運や不動産、電鉄株といったアフターコロナ関連が買いを集め、全体指数を支えた。
新型コロナウイルスのワクチン接種に関しては、8日に職場や大学など職域接種の受付が始まった。接種者数の増加に伴い経済活動が正常化に向けて前進するとの期待は根強く、不動産や鉄道など内需関連株が上昇し下支えした。
 
市場関係者は「コロナ禍で上昇していた銘柄が利益確定の売りに押される一方、割安な銘柄や内需関連などに買いが入り、銘柄入れ替えの動きが強くなってきたのではないか」とみていた。
10日には5月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控え、来週には米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる。市場の関心は量的金融緩和政策の縮小(テーパリング)に向けた議論の有無に向かっており、積極的な売買を手控えるムードもあった。日経平均の日中値幅は130円にとどまり、今年最小だった。
 
JPX日経インデックス400は3営業日ぶりに反落した。終値は前日比48.68ポイント安の1万7666.45だった。東証株価指数(TOPIX)は7営業日ぶりに反落し、5.51ポイント安の1957.14で終えた。
 
東証1部の売買代金は概算で2兆3029億円。売買高は9億9445万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1106、値上がりは972、変わらずは115だった。
 

業種別株価指数(33業種)では海運業、パルプ・紙、証券・商品先物取引業の下落が目立った。上昇は空運業、不動産業、鉱業など。
 
個別では、レーザーテックは前日を上回る水準の1500億円近い売買代金をこなしたが、株価は3日続落で2万円台を割り込んだ。東京エレクトロンも大きく下落した。任天堂、ファストリ、信越化学工業、ダイキンも売りに押された。日本電波工業、ペッパーフードサービス、シスメックスは利益確定売りで大幅反落。このほか、Robot Home、大豊工業などの下げも目立った。
 
半面、ソフトバンクグループが売り物をこなし小幅ながらプラス圏で引け、トヨタ自動車もしっかり。日本航空、ANAホールディングスなど空運株も高い。住友不、三井不動産、三菱地所が上昇、JR東日本が堅調だった。エーザイは連日のストップ高で買い物を残した。ツナググループ・ホールディングスが商いを急増させ大幅高、グリーンズなども値を飛ばした。
 
東証2部株価指数は前日比6.63ポイント高の7586.52ポイントと9日続伸した。
出来高2億3014万株。値上がり銘柄数は227、値下がり銘柄数は175となった。
 
個別ではラピーヌが一時ストップ高と値を飛ばした。シノブフーズ、ビューティ花壇、Oak キャピタル、自重堂、ウェルス・マネジメントなど26銘柄は年初来高値を更新。グローバルダイニング、東京ソワール、ワシントンホテル、加地テック、タカトリが買われた。
 
一方、北越メタルが年初来安値を更新。ジー・スリーホールディングス、ユーピーアール、フリージア・マクロス、岡本工作機械製作所、ストリームが売られた。